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エルフの本能

「えっ…ちょっと待って? 何が起きたの? マギが倒したの?」


俺は、後ろを振り返った。

彼女が唖然とした表情で聞いた。


「そう、俺が倒した。もう大丈夫。」


俺は頷いて、安心させる様に朗らかに、言葉を発した。


「マギって強かったんだね。なんで黙ってたのよ。もう〜。」


顔を膨らませて、拗ねて言う。


「俺が強いって言ったら信じた?」


彼女の瞳を見つめて言う。


「…信じたとは言わないけど、普通に強さを目の前でこう言う風に見せればよかったじゃん…てっごめん…助けてもらって責めるのも違うよね。助けてくれてありがとう。」


「どういたしまして。さて帰るか。立てる?」


俺は手を差し出して彼女に聞いた。


「ううん、立てない。お姫様抱っこしてお家まで連れてって。」


彼女が両手を顎につけて言う。俺の差し出した手を拒否している様に思えた。


「やれやれ、でもおんぶで良くない?」


お姫様抱っこ8歳なのに、良く知ってるな。俺は、両手で彼女を抱えた。


「おんぶじゃ、あなたの顔見えないじゃない。」


うーん、なんだよそれは。別に顔横におけば…いやそれも…イメージしたが、横に顔があるのも困りものだ。


スペルビアが、腕を首に絡ませて来た。それに気づいた俺は、少し恥ずかしく感じた。


きっと怖かったんだろう。腕を絡ませたことは触れないでおこう。


「もう無茶は辞めような。」


俺は一言釘を刺しておいた。


「うん、そうね。それにしてもあいつ…散々マギに悪態ついて、威張ってたのに私達を、置いて逃げるなんて、卑怯者ね。」


頷いた後、悔しそうな表情で彼女が言った。


エルフの寿命不老は不老だから、本能は臆病な

んだよな。母から聞いた情報だ。子供には、まだ本能とか、分からないから仕方ない。


スペルビアが、ゴブリン1体だと余裕だったけど、3体出て来たら腰を抜かした理由だ。ティミも逃げ出した理由が本能的なものだ。


殺される危険から、本能が逃げろと言ったのだろう。もちろん俺は、前世人間の記憶があるから、そんな本能にも抗える。


魔族は逆に勇敢と母は言っていた。

それはある意味エルフは命を大切にする、魔族は命を軽く見ているって事だ。


そう考えると、臆病なのが一概に悪いとは、言い切れない。



「仕方ないよ。母から聞いたんだけど、エルフの本能で、危険から離れろって脳から指令が出てるんだ。本人の意思ってよりは…だからそんなにティミを責めてやらなくても。スペルビアだって、腰抜かしたろ?」


脳から指令って言っても伝わるか不安ではあったけど、彼をフォローしてあげる為に言った。


「そんなの…そうかもしれないけど…私が逆だったら逃げるなら一緒に抱えてでも逃げるわよ。そんなのっ…言い訳だよ。」


焼け石に水だった…むしろ逆効果かも。

確かに本能のせいにするのも間違ってるかもしれない。


「そうかもしれないね。」


彼女の言葉に、共感を覚えて言う。


森の中を抱えて行くのも大変だ。またゴブリン現れません様にと願いながら、土の感触が不安感を少し強めた。


それは湿っていて、森の神秘性と併せて、何かが出て来そうな、そんな予感から不安が増すのだ。


「そうだ、回復魔法俺も使えるんだった。腰が抜けたの治せるかも。」


今の今で思い出して、彼女に伝えた。


「今はこのままでいたいから、回復は森を出てからにして。」


照れ臭そうにスペルビアが言う。その表情の可愛い事。さすがエルフ! 元の世界なら、美少女コンテスト間違いなく優勝できる。



「そうですか。」


ちょっと…腕が痛くなって来た。

それに…ゴブリン出たら大変なんだけどな。



俺は森で迷う危惧をしていたが、実際帰り道は、分からず迷う覚悟はしていた。だが俺は考えた! ユニコーンの足跡を追えば、外に出られるのではないかと。


例え出れなくても、最悪ユニコーンをまた見れる。が、途中自分達の足跡を発見。その足跡を追って行くと、明るい光が見えた。


森を抜けた。その時近くに寄ってくる人影が、地面にあった。

それを見つめていると、複数人のエルフが俺達に近寄って来た。


「2人とも無事だった…良かった。」



そう言ったのは、レニス•レジステンティアだ。

彼女は、エルフの中で、突然変異として有名だ。魔法は使えないが戦士としては、たった8歳で村最強の子だ。

勇者の再来とまで言われている。



救援に来てくれたのだろう。隣にいたのは、彼女の師匠と、ティミだ。ティミが助けを呼んでくれたのか。



「大丈夫だった? 逃げて行って、スペルビアがついて来てなくてさ、びっくりしたよ。応援呼んでこれから行くところだったんだ。良かった。」



ティミが胸を触って安堵の表情を見せた。そしてお姫様抱っこ中のスペルビアに、手を触れようとした。


「触んないで! この卑怯者、嘘までついて…ほんと最低。何がついて来なくてびっくりよ。私が転けてるの見て、ついて来れるわけないの分かるでしょ。マギが助けてくれたなかったら、私死んでたんだから。」


スペルビアは言うと、自分の腕にクロスさせていたそれを更に俺の方に引き寄せた。


「そう言う言い方は、ないんじゃないですか? そもそも、2人を森に誘ったのは、スバルビアじゃないですか。せめて臆病者に留めておきましょう。」


レニスがティミをフォローするのかと思ったら、していなかった!

どっちも一緒の意味だから!

2人とも辛辣〜!


「…悪かったよ。すまなかった。マギもスペルビア助けたくてありがとう感謝する。」


ティミが謝り、お礼を言った。


「悪いと思うなら、婚約解消してね? マギ回復してもらって良い? そろそろ降りるね。」


「分かった。」


俺は回復魔法を使った。

癒しの薬指癒翼イヤシノヤクシシヨク









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