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ティミの驕り

俺は、ティミを追いかけて、森の中に入った。


「ティミどこだ!」


俺は彼の名前を思いっきり叫んで呼ぶ。


「ここにいるよ…追いかけて来てくれたのは、嬉しいけど、魔族と一緒に生活は無理だよ。」


森の草をかき分けて、ティミが姿を現した。


「…だからってこんな別れ方しなくても。みんなでもっと話し合うべきじゃないのか? 結論を急ぎ過ぎだよ。」



「正論だ! だけど君の言うことが正しかろうとも、僕は、断る。ここでお別れだ…世話になったね。」



「落ち着けって。そうだ、ティミの兄さんが魔族に殺されたって、それは目の前でその…見たのかい?」


「いや…手紙で知ったんだ。」


「くっくっく、お子様達揃いで。」

森の木陰から、不気味な声が響いた。


「お前は、コンクルカ!」


「ほぉ、俺の名前を覚えていたか。ならアリエナのことも覚えてるな? 貴様達にやられた仲間の仇撃たせてもらう。」


やつが怒りの表情で、俺たちを睨みつける。


「…ラピディ、石化を使うやつも一緒か?」


俺は、他に敵がいないか、辺りを入念に調べる。


「くっくっく、お前らガキ2人俺1人充分だ。あいつは忙しい身なんでね。」


良し、しめた。あの石化使いがいないなら、俺たち2人で、充分勝機はある。


「まさか? あいつがいないから、俺に勝てるとでも? 舐められたもんだ。」


「…マギ下がっててくれ。ここは僕だけでやる。

そこの魔族! 僕は今、イラついてるんだ。

なぁ、虚栄のヴァニタをお前は知ってるか? どこにいるか言えば、見逃してるやる。」


「くっくっく、見逃してやるだと? 俺の聞き間違えか? 見逃して下さい。だろ?」


「そんなことはどうでもいい。ヴァニタはどこにいる?」


「ヴァニタ? あああの変わり者か…知らんな。それに知る必要はない。お前はここで俺に殺されるんだからな…ソニックインパクト!」


ティミが、コンクルカの攻撃をあっさりとかわしながら、近づいていく。


弓を手に持ち、コンクルカに狙いを定める。


「はっ。そんなもん当たるかよ。」


ん? コンクルカの体が何か…動いた様な? 気のせいか。


だがやつの言う通り、確かに普通に撃っても避けられるだろう。


「どうかな?」


ティミが、弓を引くと見せかけて、魔法を唱え左手でそれを飛ばした。


「テッラエ・フムス!」


凄い、大地から煙が吹き出て、視界が煙で見えない。

ティミは、魔法で見えるのか?


「ソリス・フラクトゥラ!」


どうなってるんだ? 戦況は? 

しばらく経って、土煙が消えていく。


俺の前には、ティミと、首の無いコンクルカが、仰向けに倒れていた。


ティミ…強い! 圧倒的じゃないか。

俺は、ほっと胸を撫で下ろした。


みんな、本当に頼りになるな。魔王の幹部が手も足も出ないじゃないか。

ニヤッとほくそ笑んだ…だが…それが愚かなことだった。

魔族に油断して自分もやられた。それを思い出させる光景が目の前で、起こった。


「はん、相手にもならない。魔族なんて、卑怯なだけで、たいしたことないな。こんな奴らに本当に兄さんは、やられたのか?」




ティミが、ため息を吐いてコンクルカを見下す様に言った。



その直後…やつが立ち上がり右手の爪でティミの体を貫いた。そして…血が真っ赤に染まっていく。


「ぐっは」

口から血を吐き出した。彼の表情が青白くなった。それを見て、俺は急いでティミを救出に向かう。



「くっくっくっ、卑怯な…か。真面目なボンクラ魔族なんざ、戦場では、役に立たん。しかし…残念だったな。俺は、身体が本体なんだよ。」


コンクルカの体に顔が浮かんでいた。まるで蛙の様な口がパクパクと気味悪く動いていた。


「そらよ!」

やつが手を振りまわし、ティミを俺に投げつけてきた。


ティミ! すぐに回復魔法をかけてやる。

俺は左手をかざし、回復魔法を唱えた。


「ほぅ、やはりアリエナにやられた指は、左手の指では、使えない様だな。俺がそのまま回復させるわけがないだろうが!」


くっ…罠か。どうする? 回復魔法をする暇がない…だがしなければティミが危ない。


やつはそれが狙いか? ティミを見捨てさせようとしているのか? 

とことん腐った野郎だ。誰がそんなことするか!


「オラァ! 死ね! グランドリフト!」


コンクルカのパワー攻撃だ。地面を削ってそれをぶつけてきた。


しまった! 避けきれない…俺だけならまだ…だが…それだとティミが死ぬ。


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