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旅立ちの刻


「ついて行くって、どういうこと?」


「も~村を出て、教会に行くに決まってるじゃないですか。」


「いや、親はどうすんだよ? レニスまだ村最強って言っても8歳だし。」


「親も、村を出て行きます。でも行き先は違いますけどね。」


ちなみに学校はエルフなので、行っても行かなくても不老なので問題ない。好きな時に通えるという、よく言えばおおらか、悪く言えば、いい加減である。


親について行くべきだと思うけど。


「ふーこの鈍感息子。添い遂げる宣言だよ、これは。」


「いや、良いのかよ母さん? 母さんからも子供は、親と一緒にいるべきって思うだろ?」


「そんな正論より、尊いカップリングよ。あのむかつく村長の対応に疲れた私には、癒しが必要なの。レニス、私が許可します、行きましょう。」


うわっ…母さんが暴走している。いつもの母さんじゃない! 

行きましょう。じゃないよ、本当に。


「…マギが迷惑そうにしてる…様に見えます。」


「いや、迷惑じゃなくて、心配してるんだよ。マギがついてきてくれるのは、助かるよ。でもさ、親と離れ離れになるのはちょっと。」



「…! あなた本当に子供? マギまるで大人の意見ね。」


母が目を細めて俺を、不審そうに見る。

母さん…鋭いな。そんな分かるもん? 確かに俺は前世の記憶あるから、大人ではある。


「母さん…俺子供だよ? 甘えん坊の子供。」


「…まぁ…私とパパの子供だもんね。頭が良くて早熟なのは、当然か、フフ。」


満足そうに頷き、母は、1人で納得した。


それから出かける準備をして、村を出ようとした。するとおーい、と言う声が聞こえ振り向くと、ティミが近くに寄ってきた。


「僕もついて行きたい。なんでもするので…お願いします。掃除洗濯料理、どうかこの通り。」


ティミもかよ。


「えーさすがに図々しいですよ。親のところにいなさい。」

レニスが自分のことを棚に上げて言う。いや君が言うの?


「ふふ、レニス…あなたが言うの変よ? 親に勘当されたんだったわね。マギと私の事、救ってくれた恩があるから、拒否はできないわね。」


「ありがとうございます! よろしくお願いします。」


ティミが何度も頭を下げて、太陽の様に明るい表情でお礼を言う。


「御言葉ですがお母様。私は女の子なので、ティミは男の子ですよ? 言うのは変じゃないと思います。


「子どもには変わりないでしょ? …さてと行きますか…なんだかもう一人ついてきそうな?」

母が当たりを見回し、もう誰もいないだろうなと、怪しむそぶりをした。


そういやスビアに一言も言わずに出て行くのか。すまない…いつかまた会おう。


俺たちは、村の入り口まで、歩いて行った。

「母さん俺に回復魔法を教えて欲しいんだ。指がこうなったら、それしかないかなと。」


「そうね、教えてあげる。左手の指じゃ無理なのかな? ともかく…村を出て落ち着いたら、修行しましょう。」


俺は母の返答に相槌をうつ。ティミは、俺の右手を心配そうに見つめた。レニスは、私も参加したいと言った。


それからまた俺たちは歩き出した。村の入り口付近に近づくと何やら女の子らしき子が立っていた。


その子が近寄って来た。なんだ、スビアか。良かったお別れの挨拶出来る。


「スビア、ごめん俺この村から出て行く。スビアには、助けられた、ありがとうね。またいつか会おうね。」



「…はぁ、勝手に決めないで。私パパに呆れちゃった。まずは追放の事謝るね、ごめん。」


「別にスビアは、何も悪くないよ?」


「そうよ、あなたは何も悪くない。マギを助けてくれた、この村の英雄よあなたは。英雄って表現が適切かは、分からないけど、胸を張っていいわ。」


母さんがスビアに励ましの言葉を言う。


「ありがとうございます。そう言って貰えて肩の荷が降ります。


スビアがほっとしたように、手を胸に当てて、ふぅと息を吐いた。


「あは、スビア世話になったね。それじゃ。」


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