決着
俺はアリエナが苦しんでる隙を狙って、母を助けに向かった。
「ちぃ、そうはさせん。息の根を止めてやる。」
コンクルカが母にくっ…俺は人差し指を向けた。間に合…
グラキアリス! 氷の刃が、コンクルカに直撃した。これは…スビアの攻撃魔法!
くっ…はっ。
ティミ、スビアありがとう! 俺は2人にお礼を言って、母に癒しの薬指癒翼を使った。
見る見るうちに母の傷が治っていく。
「駄目だ! ちくしょう…ここは一旦引くぞ。」
コンクルカが撤退命令をしたのだろう、ラピディも頷いた。
「了解です…今回は私達の負けのようですね。また会いましょう。」
ふざけるな、お前達の顔は見たくない。
次は、レニスを回復させに行こうとした。
「ふざけるなぁ! 臆病者どもが、俺に撤退はねぇ! ガキども、殺してやる。」
アリエナが猛獣の様に突っ込んでくる。
まるで、イノシシが人になって襲いかかって来る感じだ。凄まじい速度と威圧感だ。
アリエナが怒りで、我を失っているようにも思えた。
それは、真っ先に母が狙われると思ったが、俺に向かって来たからだ。
だがそのおかげで、母に危険が及ばないことに、心の底で安堵した。
必ずこいつを倒さなくては。みんなが助けてくれた想いを無駄にしないためにも。
アリエナが爪を閉まった。拳で俺を殺したくなったのだろう。
うらぁー! アリエナの巨大な拳が俺のすぐ目の前にあった。すぐさま俺は小指の護法守護陣でシールドを張った。
だが、シールドを張ったにも関わらず俺の体は、50メートルは吹っ飛ばされた。その衝撃で肩と腕にズキっと痛みが走った。
なんでパワーだ。これが魔族の力か。俺は地にふして、立ち上がろうと地面に手をついた。
その時アリエナは、50メートルの距離をあっという間に詰めて来ていた。膝をついて少し立ち上がった。小指の護法守護陣!
オラオラオラ! 奴の拳がシールドの頭上から何度も降り注ぐ。シールドと拳で衝撃波が見える。
殺し合い…額に汗が噴き出る。奴の拳と恐怖で押しつぶされそうだ。
くっ…俺は足を地面に蹴り、後ろに下がった。それを見て、アリエナがすかさずアッパーを繰り出す。
なんとか紙一重にかわした。
防戦一方だ。格闘戦なんて…そう…勝ち目がない。なら、こちらは魔法で反撃しなければ勝てない!
閃光神指雷鳴! 人差し指から光を放つ魔法だ。アリエナがシールドを張った。
シールドを張ると言うことは、直撃させれば効くと思われる。俺は何度も魔法を放った。
アリエナが怯んだ一瞬を俺は見逃さなかった。
地面を蹴って、奴の懐に入った。アリエナが拳を振り上げる。
このクズ野郎! と俺は叫んで、右手に全ての魔力を貯めて、アリエナの腹に怒りと共に拳をぶつけた。俺の最強の必殺技、原初星生爆砕拳
俺がそう叫んだのは、母が殴られているのを、喜んで見ていたアリエナに対する、怒りによるものだった。
がっはっ…奴の目が真っ白になる。アリエナの拳は俺の顔面すれすれにきていた。一歩遅ければ、俺の顔が粉砕されていた。
アリエナが腹を抱え込む。そしてそのまま、仰向けに倒れ込む。
倒したのか? やつがヒクヒクと体を痙攣させていた。
「やったー。マギ勝ったね! 信じてた。」スビアが俺に抱きついて言った。
「ああ、危なかったけどな。」
俺は握り拳を上げて喜びを伝えた。
うぅ…くっ…は。アリエナがまだ生きている。とどめを刺さないと。
頼む…助けて…助けて下さい。靴でも舐めるのでどうか…お許しを。
…今更…母さんをあれだけ痛ぶって喜んでおいて。
お願いします…どうか…ご勘弁を…死にたくない。
ふん、消えろ。俺の前に2度と顔を見せるな。早くどっかいけ。
ありがとうございます。へへ、お優しいや。あの…立てないので、手を貸して頂けませんか?
仕方ないので俺は右手を差し出して、アリエナを起こしてやることにした。
その時やつの手から爪が鋭く伸びた。その爪で俺の右手の指を切り裂いた。
5本の指が空中に舞い、血飛沫が飛ぶ。
うぁっ…俺は痛みで悶絶しかける。地面に何度も周り、意識を失いかける。気力でなんとか持っているが…このままだと奴に殺される。
は〜はっは! まんまとかかりやがったなぁ。こりゃ傑作だ。とんだ甘ちゃんだった様だ。これで魔法は使えまい。どうやら最終的に俺の勝ちだったな。
やられる! その時俺の前にスビアが立った。危ない! 俺は叫んで、彼女が俺を庇おうとしているのを見るしなかった。
デーモンインテルフェクトール! スビアの声が微かに聞こえた。
しまっ…ぐぁぁ!
アリエナの断末魔が聞こえた。やりやがった、スビアがやつを倒した。
「言ったでしょ? 私があんたを守るって。誰か! 回復魔法使える人いない?」
俺はスビアに感謝しつつ、痛みで失神した。




