レニスの過去
「俺レニスに好きになられる様な事した覚えないんだけど?」
とりあえず俺は、首を傾げて、レニスに聞いた。
「好きになられる様な事されましたよ。私4歳の頃、魔法も使えないエルフって弄られてたんですよね。」
レニスが暗くなった空を見上げて、しんみりと言う。
「自分は他のエルフ達とは違うんだ…落ちこぼれだって悩んでました。」
そんな時優しい男の子が現れました。
その男の子に胸の内を曝け出しました。
レニスが俺を見つめて、過去を語り出した。
「それは、腹立つな〜。魔法が使えないエルフがいたって良いじゃん。」
「レニスは、足が他のエルフより速くて、他のエルフより魔法が得意とか威張る事もないから、付き合いやすいし、他のエルフと違って魔法が使えない分、行動力が高くて、魔法以外に好奇心旺盛。」
「どう? そう考えるとレニスは、特別な才能があると思わない?」
「そう言われたんです。でもこれで好きになった訳じゃないんです。」
「それだけなら、まだ良い人って感じだったんですけど、その男の子、私が弄られない様に、他の子に、私に意地悪なこと言わないよう、説得してくれたんです。」
「ああ、この人は私の為にそこまでしてくれるんだと、これがマギ…貴方のこと好きになった理由です。」
レニスが8歳とは思えない、しっかりとした、理由を語った。
それは彼女の成長の証かも知れないと俺は、考えた。
レニスは武闘大会に優勝したら、伝えたい事があると言っていた。結果準優勝だったけど…もしかしたらこのことかなと、彼女の真剣な思いが伝わってくる。
「4歳児でそんなこと言うんだ? 我が子ながら恐ろしい成熟の速さ。」
母が感心する様に言う。
「ちょっ…恥ずかしいから辞めて〜。」
いや…転生した記憶あるから、4歳児だけど、違う。むしろこんな可愛い子いじめるのが理解出来ないんで、エルフの子供を、正しただけです。
俺は頬を真っ赤にさせて、手を大きく振って、これ以上は、もう違う話題にさせようとした。
「恥ずかしがることないですよ。誇って良いんです。普通男子に立ち向かうなんて出来ませんから。立派な男の子なんですから。」
赤い瞳をキラキラ光らせてレニスが微笑む。
「いや、誇ってて言っても…そんな…別に。」
いやそんな褒められると本気で照れるから。そう心で呟いた。
「私本当に嬉しかったんです。今の私があるのも、マギのおかげなので。うぅ、ごめんなさい…涙が」
レニスが目を擦りなが言うので、俺は気まずいながらも、彼女を抱き寄せた。
「いっぱい泣いて良いから。あと…さ、本当言うと、スビアが手伝ってくれたんだよ。俺1人じゃ言うこと聞かなかったよ。族長の娘ってのは大きいよね。」
スビアの力が無ければ…彼女が気まぐれで手伝ったのだろうと当初は思ってたけど、今思えば、それは彼女の優しさからだろう。
「んー。別にあんたが魔法でやられて、弱っちいなって思って手を貸しただけ。手を貸しただけで行動したのはあんたなんだから、レニスの言う通り、誇りなさいよ。」
スビアが頬を赤らめて、俺の肩を叩いて言う。
「スペルビアもありがとう。」
レニスがスビアにお礼を言った。
「よしよし、みんな偉いぞっ。」
母さんが俺とスビア、レニスの肩を抱え込んで言った。




