71三人の誓い
「福ちゃん、ひどい誤解。早とちりしちゃダメメ。僕が何を言いたいかそれを読みとって」
「オジサン、デラ焼き注文するの?」
「壊れたか・・」
もう一度大学生に尋ねた。
「この人形可愛いだろ?君も可愛がってくれないか」
「ガリバーさん、この人形と生活してから変わりましたね」
「君、わかる?」
「ガリバーさん、わかりますよ。ネット通販で買い物の依頼ばかり受けてましたが、腹話術人形をリュックに仕込んでから、オークションの出品とか、華子さんのお店のリサーチ。ビックリしたのは大工さんを呼んで工事依頼をするなど、人の前に出て動いておられてビックリしました」
いままで面倒くさい事は、関わりたくなかったけど、福ちゃんと出会ってからはガリバーさんが変わったと云うより、無理難題が向こうからやってくる。」
不思議なものだ、僕は頼まれ事に対して行動を起こせるんだ。
「君、僕は福ちゃんのことを大切にしたい。
福ちゃんが降臨してからダラダラとした生活は少し解消した。君が、もし結婚したら家族を思う気持ちが自分を修正する事。僕は就職できなかったけど、同級生の新生活を眺めながら羨んだりもしたけど、若い頃殿様に、『上を見てもキリがない、下を見てもキリがない。今が一番最低だと思いなさい』って言われた。ゆえに、人生はアドベンチャーワールドだと僕は、近頃感じる。もしよかったら僕の家に下宿しないか?梅にウグイス、松に鶴・・・福ちゃんなんだった」
「オジサン、長いなぁ・・話が長過ぎる!原稿の枚数稼ぎか」
僕は福ちゃんの太腿あたりをツネってやった。福ちゃんは大学生に話しかけ
「だから、オジサンは、少ない貯金を元に、大学生を養子に迎えて、老後の面倒を見てもらう魂胆で、オジサンの養子になる、ならない。どっち?」
頭を1発叩いた。福ちゃんの言葉が大学生には聞こえないのが幸いした。
もし、耳に入っていたら、ゲームセット。そして、僕は大学生に嘘をついた。
「福ちゃんが君に言いたいのは、就職活動頑張れ。金がないならウチで一緒に住みませんか?って福ちゃんが言うとります」
「ガリバーさん、ありがとうございます」
大学生は僕の家には来なかった。




