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7バイト先

 本日はバイト、週3日ないし4日、8時間のバイトで月、15万ほどの給金はありがたい。


 大学に入りたての頃、30才前のマスターは二つほど市をまたいだ当時としては画期的な駐車場付きのショッピングモールの同友店が10軒ほど集まる分譲ビルの店舗付き住宅を新築で購入コーヒーショップを開業。


 ピザとコーヒーの専門店は当時として、斬新さすが商売人の四男坊。お客の目を引いてすぐに繁盛店となったはいいが、バイトが急に休んだりとか人材面で苦しみ急に私の家に電話がかかってきて応援を求めてきた。

 当時の学生バイトは時間給400円程度なんだがヘルプなので1.5倍の600円出すというので即快諾。

 

 まあ、本音はお金に釣られたと思います。


 大学を出てから40年以上お世話になっとります。

マスターはその間給料とは別に僕の国民年金を掛けていただき今の生活が成り立つ。ありがたや。


 10軒ほど集まった同友店は銀行、4軒ほどの飲食店、酒屋、スポーツ用品店があったが様変わりし、殆どが整体・・高齢者向けの店舗に変わった。ただ一軒だけオープンから残ってるのはマスターの喫茶店だが、客層は昔からのなじみの客。高齢化した常連客。もちろん売り上げも年々下降気味だが家賃が無いので維持は出来てる。


 30才前だったマスターも只今後期高齢者で頭は白熊、ポケットに裸で現金を持ち歩く姿は昔から変わらない。


 ショッピングモールのはしりだったこの場所も近所にトップ企業のモールが近所に進出してからは増築した駐車場もピークの時間も空きが目立つ。


「俺がくたばるまで働け」って言ってくれたマスターに敬意を込めて道化のように働く。売り上げ、回転率とか昔は話してたが、今はいかにダラダラと毎日のコーヒーを楽しんでくれるかをテーマにする今日この頃。


 昼の食事休憩で個人の私物を入れる倉庫室から大型リックを取り出し、モールのイートインに向かおうとすると、マスターが尋ねた。


「なにそれ?」


 40年も他人なのに面倒をかけて頂いた方に逆らうわけにもいかず正直に腹話術人形が入ってると答えた。食事休憩に行って色々福ちゃんに見せてあげたい思いもあるのでリックを担いで出かけた。店を出ると福ちゃんは


「オジサン、喫茶店で働いてるんだ。僕を多くのお客さんに紹介したら人気店になるよ」


 又勝手な事を言う。うける確率10%マスター共々変人と思われる確率90%。

 食事休憩が済んで、マスターから


「腹話術人形をカウンターの隅に置いたら」


 言われて、マスター太っ腹と思った瞬間マスターから


「君のリストラを考えたんだが、首が繋がったな」




マスター!バッドジョーク!

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