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65商店街会長VS殿様

副会長の話を聞いて、殿様に嵌められた気持ちになった。


「福ちゃん、副会長が会長の物件を欲しがったんじゃなく、殿様が欲しがってるみたい」


福ちゃんも意外だった。


「オジサン、殿様が・・・副会長が会長のビルをどのようにして手に入れるか考えてたので、てっきり本人が欲しいと思った。しかし、殿様はいくつまで生きるの?」


 そうか、福ちゃんは的確に副会長の考えを受信していたのか・・僕は殿様の考えが怖くなってきたと言うか、90歳近くになって固守するのかわからない。いやなゾーンに入ったような気がする。福ちゃん、どないかして。福ちゃんはしばらく考え込んで僕に話しかける。


「オジサン、正直に殿様に話した方がいいみたい。下手な絵を描くと印籠を懐から出して来るぞ」


 正直に話をつけるため、殿様邸に出向き、いつものごとく勝手口から入る。縁側で足の爪を切る殿様に僕は興奮のあまり、きつい口調で話を切り出してしまった。


「殿様、昨日。副会長と話をさせていただいたのですが、単刀直入に申し上げると会長のビルを欲しがっているのは殿様ですね。どう言う事なのですか?」


「御無体のぉ〜。御無体なんて、ワシがお前に呼びかける言葉やないけど。お前を商店街の会議に潜伏させたのはその様な事を探れとは言うとらん。主に会長の状況を伝えて欲しかったんじゃ」


殿様は懐から印籠を取り出して僕にかざした。


「なんですか?」


「ガリちゃんこの状況がわからんか?目に入らんか?効かんのか?」


「さっぱり」


殿様は困った顔をして印籠を直視した。元々印籠は代々殿様としがらみのある家系に伝わる伝説で、僕はその事が頭に刷り込まれてないので効き目が無かった。印籠を眺めながら僕に話しかけた。


「商店街一帯は全部ワシの土地やったんやそれが、戦後、農地改革で、二束三文で手放さざるおえなかった。会長の土地の周りは今もウチが取り囲んどるのや。全部、更地にしたら、市街地改装ビルの計画も進むやろ。会長の姓は"馬屋原"代々ワシの家に仕えてた馬を管理してた武士なんや・・ワシは、なんとかして良い方向にしたいの。このまま意地を張ってたら、共倒れや」


なにか言い包められてる気がせんでもない。リックの中の福ちゃんに聞くと


「オジサン、直接、殿様と会長と膝を突き合わせて話をさせた方がいいね」


 僕も、わけのわからない利権の絡む用事は直接話し合ってもらいたい。殿様にお願いすると


「ガリバー君、話はまだまだですぞ」


 流暢なことを言うので


「共倒れになるかの考えですよね。今すぐ話をつけてください」


「ガリちゃん、ワシに逆らうの?」


「いいです。先日からの華子さんとの会話の一部切り取って奥様に聞かせますよ。これです」


"華ちゃん、どや?ペラペラペラペラペラ・・

ワシの言うこと聞かれんか?"


「ガリ!困るより、ダイマルや!誰かて嫁が怖いに決まっとるやないか!卑怯者!馬屋原に電話して会うたらええんやろ。するわ、今すぐするわ」


 殿様は僕の目の前で、商店街会長に電話をかけ、会長は早馬を走らせるごとく殿様邸到着後、福ちゃんと僕も、茶室に通された。


「馬屋原、商店街の会長を長年勤めあげ御苦労である。さて、今日、こちらに呼び出した件は、馬屋原の空きビルであるが見通しはいかがかな」


「まだ決まっておりませんが不動産屋に任せております」


 殿様は突然あぐらをかき、勿論、上から目線で話続けた。


「馬屋原、まかせっきりは、ちとまずい」


「殿様、今までがスムーズにテナントが決まっておりました

「あかん、あかんて。今までと違い世の中変わっとるの、アンタ、ワシの高校の後輩やろ?ワシより難しい大学でとるんやろ?オヤジさん喜んではったで〜思い出すワ。もうちょっと知恵を絞らなあかん。

 ところで馬屋原、あの土地と周りのワシの土地を合体させれば、ええモンになるけどワシに売却して戻さんか?お前んとことは室町時代からの付き合いや。持ち合いみたいなもんや」


「殿様、私には3人の子供がおります」


「お前も、80前になって相続のことを考えてるのか?オヌシのもう一つのビルを分割すれば良い事で、あれは元々馬小屋跡」


 アンタ、90前やぞ!


「殿、それは承知出来ません。先ほど持ち合いと申されましたね。では、更地にして大企業に土地を貸し、比例配分で地代をいただいた方が得策かと」


「馬屋原!このワシに逆らうのか?お前もおおきゅうなりはったわ。切腹や!ワシがかいしゃくてやる」


殿ご乱心がしばらく続き、会長案を受理し、のち、百貨店とホテルを誘致。




 福ちゃんと僕は、お金持ちにはお金持ちなりに悩みが有り、お金が人をコントロールする事をつくづく感じた。

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