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61 商店街会長VS殿様Ⅰ

 行きつけの喫茶店は商店街会長も常連客で、3日に一度は、市街地改装ビルの情報を探りにコーヒーを嗜みに来てくれる。


 商店街は昔からのアーケード街。


 市街地改装ビルは、再開発で駅前の同友店からなるビル


高度成長期は互いにライバル関係であったが、市街地改装ビルは、老朽化と空き店舗が増え始め、抜本的な建て替え案が出ては消え、いつも振り出しに戻る状態。


 かたや商店街は大店法の煽りを受けて、公設市場など3つあった市場は姿を消しマンションになり、八百屋、鮮魚店、肉屋などの専門店は一、二軒ほどは存在するもののピークに比べて活気はなく、古くからの店は影を潜め、100均、整骨院が増え、以前ほどの活気は無く、市街地改装ビル共に落ち目の三度笠って言う状態。


 商店街会長は僕の兄の高校の一級上で、76歳で、30年以上会長職につく。


 一階に荒物屋。その上は賃貸マンション経営。


 人望は厚い。


 まずよその商店街に在りがちな、会長及び幹部の業者との癒着はなく、幹部は御三家と言われ、殿様の親戚のビルオーナー、商店街の中の一番駅近ビルの優良店などの店舗ビルオーナー。


 御三家は育ちが良く、会計報告はガラス張りである。


 ここにきて、商店街の問題はかなり深刻なものとなりつつある。


 それは、客層の高齢化で客単価が上がらない。

 後継者問題。


 先月、生鮮食品スーパーが店を閉じたのがきっかけ。


 このビルは初めは衣料スーパーが開業のち、銀行、証券会社、生鮮食品スーパーへと変貌したが、時代の流行りの大手がその場に陣取ったが今回は襷の引き継ぎがなく、テナントビルは空き家状態。このビルの所有者は会長。


 不動産屋に申し込んでもまだ申し込みはない。


 会長の意図は細切れに貸さず、一棟丸ごと貸したい様子。


 後継者問題においては、元々の商店主は息子に苦労させたくないとかで、後を継がせず現在に至る。


 自分の体力が限界に達して現実を直視している。


 小売店から金融、大手ドラッグストア、生鮮食品の流れから自分達の次の一手に戸惑いを見せる。


 それどころか、建て替えてテナントを数軒分募集しても新規募集でも埋まらないのが現実。


そこで、会長が一言漏らした。


「昔はよかったな・・あかん、あかん。昔のこと言うたらあかん。現在があって未来しかないんや!」


 結構な焦りを感じる発言。


 本日は商店街の御三家で御来店で、殿様の親戚は一言も喋らず様子を聞いてた。もう1人のオーナーはテナントが埋まってるので、余裕の発言をしていた。


 そこで福ちゃんが僕に外に出て話がしたいと言ったので、リックに入れて店を出た。しばらくして福ちゃんが


「オジサン、呉越同舟かな・・・殿様の親戚は会長がビルを売却しないか様子を見てる。ドラッグストアのあるビルオーナーは会長が大手ドラッグストアのオファーがないかの確認をしてる。大手って、条件、売り場面積が広いとかで、隣のビルに平気で移動するのが昨今のスタイルなんだ」


「福ちゃん、僕のわからない事って、多いし、凄いね〜」


「オジサン、ホント、K.Y.NOTダネ」


「何それ?」


「空気読めない。ダヨ」


「福ちゃん、上手いこと言うな、はははは」


「そろそろ、家に近づいてきたね。ドクダミ茶でも飲む」


「加藤茶も毒出すね。ハハハハ」




家に着くと、殿様と華子さんがリビングで紅茶を飲んでいた。

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