57男が作ってなぜ悪い。店頭販売
福ちゃんの企画書を見せて、ケーブルTVのプロデューサーはポツポツと話し出した。
「先程、フラワーサンストアの社長から連絡がありました。白馬の騎士が舞い降りたとかで」
『店名変更したのか?フラワーサン?訳せば華子さんじゃないか!店名変更、看板代、包装、あらゆるものの変更で何千万もかかるはず。
『やられた〜』
胸の中で"やめたろか"が、80%超えた。
その後プロデューサーはボツボツした話は続く。
「このコロナ禍でかなり小売り業は落ち込んでます。この状況が続けば華子社長はひとたまりもないでしょう。ガリバーさんが白馬の騎士ですか。当社としても、結婚企画、昔遊びの企画などでお世話になってます。行政にも掛け合い再構築補助金など調べてみます」
華子さんには商人のDNAがご主人と二人三脚で運営しているウチに刷り込まれたのだろう。
僕には発想も出来ない厚かましさが宿ったんだろう。
とりあえず家にいる福ちゃんに報告すると
「オジサン、騙されるかも、お金あるの?」
「全財産に近い」
「オジサン、殿様に相談したら?」
その手があったか!しかし、殿さん昔は大きな会社の総務の偉いさんだったし、相続で苦労もしてるから、当たって砕けろか・・・善は急げで殿様邸に訪問すると縁側で足の爪を切りながら抹茶をすする殿様に地べたに正座して、かくかくしかじかと談判すると
「縁側にかけなさい。小声で話そう」
縁側に腰を据えると殿様は小声で話しかけた
「3人のウチの誰や?わしもな、興味あって足繁く通ったもんや、目がクリッとした子か?べっぴんさんで大原麗子の声の子か?品のある顔立ちの子か?」
「大原麗子です」
「ガリバー君ビンゴやないか!わし来店して目が、くりっとした子やったら小吉、品のある子は中吉、大原麗子やったら大吉、カウンター席が空いてなかったら凶ってあの当時、会社帰りにそう思もて、コーヒー飲んどったん。此処じゃ奥が聞いておったらまずい。支度をするので小一時間ほど待っといて」
殿様の品格無し。
その間、華子にLINEを入れると『りょ』返事が来た。
風呂に入り、スーツとボルサリーノ姿は金持ちの匂いがプンプンする。
軽四に乗ると殿様がつぶやいた。
「此れが近頃の軽四?なかなか、いいね。早く行って」
年寄りのよいしょからのおねだりは、気持ち悪い。
殿様とフラワーサンストアに出向くとは伝えていなかった。
社長室に通されると殿様開口一番
「覚えてる?誰かわかる?」
華子さんはキョトンとしながら
「ト、殿様?」
殿様は品格なく
「ガリバーから聞いたでぇ、華子ちゃんのためやったらワシ頑張るし、なんやったら、もっと力貸してもええでぇ」
華子は殿様のお茶だけ取り替え、抹茶をたて、虎屋の羊羹をすすめて
「これで商談成立や、虎屋の羊羹ワシ大好物や。よう見抜いたな、5年長生きするワ。ワシ、ガリバーに20年ほど前にこの街のタワマン買わして、コイツには家賃収入が有る。しゃけどガリバーも、みずくさいわ、ワシとコイツはワレオレの仲やのに華チャンがガリバーの面倒見とったとは聞いとらんで〜次寄る時はワシも呼んで」
何がタワマン買うてやった?1円も出さなくて、アドバイスしただけじゃないか。
殿様がウチに来る・・堪忍、ゴメンです。
昔は
『この話他の人にするなって言ってたのに・・恩返しはオレにするな他の人にしてやれって言ったよな』
華子は殿様に言葉を返した。
「ガリバー君の企画ですけど、殿様、僭越ですが私は経験もなく失敗してはと心配です」
「かまへんがな〜華子さん。この企画失敗したら私が責任を持ちます。ガリバーに仕事をして返してもらいますから」
そんな〜




