50 3回戦
3回戦が始まり、バイト先の喫茶店から姉さんと僕しか残らなかった。
ググってみたら全国に60箇所以上の腹話術教室があり、この趣味を持った方が多いのをつくづく感じ、レベルの高さを感じた。
2回戦まで会場出演で半数が脱落するルールが今回は3会場で70組以上が出場のち会場から3組が選出され計9組が準決勝進出。
1組敗者復活戦で選出されるルールはM1とほぼ同じ。
福ちゃんと僕は2回戦の結果から準決勝進出は諦め気味。
でも福ちゃんはテレビ出演に執着する。
「オジサン、3回戦まで2週間あるから、みっちり練習すれば立て直せる。ネタは2つあるけど、必殺か黄門様。どちらで挑戦する?」
古いケーブルTV番組からアレンジネタばかりで食傷気味だが構成作家、福ちゃんに逆らう事は次に繋がらないので珍案を投げかけてみた。
「福ちゃん構成作家様。僭越ながら必殺と黄門様をミックスしてみては?」
「オジサン、お前賢いな!って言えるか。アホとちゃう?パーか?ホン物やね〜。右の衣装が黄門様で左の衣装が必殺。出来るか〜!」
「あんたもアホ」
結局、出し物は必殺で藤田まことシリーズで決定した。
今回は熱のこもる練習を重ね、しかしながらセリフのド忘れなどは4分の間に一、二度繰り返され、病み上がりのコピーで出演した予選敗退組、街の腹話術協会会長などが
「ガリバーに代わって代打、俺」
アピールするも規定により僕の出演の決着がついた。
3回戦がいよいよ始まり主要な政令指定都市、3ヶ所で会場が設けられ3組、計9組が準決勝のTV出演が決まる。
各種レースはTVに出演できれば認知される。
3回戦ともなればレベルが高く、コント、漫才など演芸関係者も出場。
有名人ではマジシャンのトリック。絵描き漫談の森川おたまじゃくし。博多の漫才師のかたわれ、華吉さん。
猛者ばかりで僕は緊張しまくり、何回もトイレに向かうので華吉さんから
「ウンコか?マリカぶりよるたい」
冷やかされる始末
ちょうど時間となりました。ナレーションから
あんたこの世は楽しいか?
どうでもいい?
この世の海は広いな 大きいな
どうでもいい。
「コピーが殺された」
「コピー!誰がやったんだい」
「越後屋と代官の差し金で、その手下がやったらしいよ」
「コピーのポケットにビスケットが3枚。少ないけど、仕置き料として分けよう」
「少ねえが俺はやるぜ」
・・・・・・・・そして終盤
「お代官様今日は冷えて川やも長くなりますなぁ」
「おお、中村か夜廻りご苦労である」
「死んでもらいます」
学芸会のような腹話術が終わり、準決勝に進出ならず。
福ちゃんは構成作家の台本から演出をかなり変更されていて犯人探しをしたら、やっぱり教諭上がりの会長だった。




