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41バイト先の話し合い

 バイト先のモールの昔遊びのイベントはお祭りのように終了。


 数日経ってマスターから


「営業が終わってからこちらからのお願いがあるから残ってくれないか」


 僕の想像の世界はネガティブ90%に対しポジティブ10%。福ちゃんのオツムの中味100%ポジティブ。


 「オジサン、給料上げてくれるのかな?晩御飯連れてって」


 福ちゃんのポジティブは食事とお菓子に直結する。


 僕のポジティブは現状維持。


 もう66歳になり世間では退職、マスターは昔から


 「俺がくたばるまで雇ってやる」


言ってくれたが僕を勇気づけに言った言葉だと常日頃から思っていた。


 ここまで雇って頂いたのでこちらから退職を申し出なければいけないのに、ついつい甘えて40年も居座ってと、妄想は退職ゾーンに深くスパイラルしていく。


 「オジサン、プロ野球の一流選手は自ら引退を球団に持ちかけるんだね」


 僕はこの店の一流でもなんでも無く、自由契約を言い渡される存在。


 閉店の時間になり閉店作業を済ませてマスターと2番テーブルで対座しマスターは開口一番


「経営を息子に譲ることを君に報告しなければならないので、まず直接向かい合って話をしたかった」


 青天の霹靂というかこの日が来るのは予想され、僕も悶々と待つ毎日だった。マスター、77歳と言う高齢で息子さんにバトンタッチしても良いと思ったんだろ、一流選手の引退か・・・


 僕はどうなるのだろう自由契約か?などと思い、マスターは息子さんを呼び隣の席に座らせ話を続けた。


 「先程も言ったように息子に経営を譲ることにして税理士とも相談して法人成にし、息子はこの店をスタートしていきます。息子は代表取締役社長、家内と私はヒラ取で登記します。税理士が言う事には君の給料に関して時間給が高すぎるとの事で下げてもらいたいんや」


 はっきり言って実働90時間の15万は高すぎる自分が逆の立場であれば払えない。


 しかもピークは20万以上もあり、しかも国民年金迄支払って頂いて殿様の仕事もありで中小企業社員並みの収入はあった。


「半分近く減らしていいかなその代わり時間を減らしてもいい」


 申し訳ないそぶりで話し掛けられ僕は承知した。


「何か言うことはないのか」


 尋ねられたので


「マスターは店には出ないのか?」


 尋ねたら


「いつもと同じ8時に開けて8時に閉める」


 商人の鉄則を親から擦り込まれているのだろうか。


 結局は店の形は今まで通りで息子さんに責任を持たせると言うことか。


 結局、この店が変わるのは、僕の給料が減ることだけか・・


 福ちゃんは僕に話しかけてきた


「オジサン、FA宣言するか年俸更改で越年覚悟でハンコを押さないってごねれば?」


「お世話になっているんだクビよりはマシ。これからバイト探すのは難しいし、あり得ない」






 話し合いは粛々と進んでマスターと息子さんに挨拶をして帰った。

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