37昔の遊び
私はバイト先の喫茶店でミックスジュースの空き缶をゴミにせず残して欲しいとマスターの息子さんに頼んだ。
息子さんはケーキの職人で流行りにこだわらず、ホテル向きのオールドスタイルをお客さんに提供。
派手さはないが根強いファンに愛されるケーキを提供し、ケーキセットは人気商品。
ミックスジュースの空き缶とはミックスジュースを作るさいにパイナップル、みかん、黄桃の入った缶詰を使用、そこにバナナ三分の一、上白糖少々、牛乳、氷をミキサーにぶち込み攪拌のち大阪のミックスジュースが出来上がる。
空き缶は、業務用なので家庭用の空き缶に比べふた周りは大きい。息子さんは空き缶を4個僕の注文通り用意してくれた。物分かりが良いご子息でマスターと息子さんでこの店はやっていける状態にも関わらず僕を雇ってくれてる。
缶ポックリを福ちゃんに作ってあげて少しは尊敬していただこうと思った。
「オジサン、これ2組あったら楽しいよね」
なるほど子供遊びは複数人で遊ぶほうが楽しいに決まってる。
缶ポックリの作り方は簡単で同じサイズの仕様済み缶詰の缶を2つ用意する。
缶の両わきの高さに穴を、キリなどで開け、反対側にも同じ穴を開ける。
頑丈な紐を2本用意し缶に通して紐を結べば出来上がり土の上で遊ぶとポックリ、ポックリと音がする。子供のバランス感覚が養われ目線が変わるので楽しい。
その情報をこの街腹話術協会会長から嗅ぎつけて、ケーブルTVこの店の番記者は、昔遊び企画を会社に提案。
もちろん会場は僕がバイトしてる喫茶店。
この場所は只今お客が近所の大手ショッピングモールに奪われ、混雑しない適当な人の流れ。
マスターの店は路面店なので撮影には許可が通りやすく都合が良い。
店で腹話術協会とケーブルTVで昔遊びの打ち合わせがはじまった。
まず第一声は会長から始まった。
「今回の昔遊びの会議にお集まりいただき、ありがとうございます。ケーブルTVにご協力頂き、私たちの昔遊びが・・・・・・」
延々と自分達が主導権をケーブルTVに渡さない第一声だった。




