告白し続ければ私だって彼と付き合えるはず!
「わっ、私と、私と付き合ってください!」
「断る!」
百と一回目の告白、私は見事に振られていた。
「お前しつこいぞ。いったい何回俺に告白するつもりだ」
「え~っと、付き合えるまで?」
「ストーカーで訴える必要がありそうだな」
「ちょっ、ちょっと待って! それだけは!」
不味いな、さすがに一日で百回も告白するのは無理があったか。休み時間や移動教室でも告白していたからな。
「断る! ああ、この言葉も何回使ったか忘れたぞ!」
「百二十三回だよ!」
「ああそうかい! ありがとよ!」
きゃっ、彼にお礼言われちゃった。これ脈ありじゃない?
「ということで付き合ってください!」
「駄目だ! 断る!」
「百二十回目と、百二十四回目だね!」
「もしもし、警察ですか? 変質者に絡まれてるんですけ――」
「あ~! ごめんなさいごめんなさい! 調子に乗ってました!」
脈ありサインじゃなかったようだ。男心って難しい。
「はぁ~、というか自己紹介もしていないのに、いきなり告白されても困るんだが? それも百回以上も」
「だって聞かれなかったから」
「何回も聞いたわ! それでお前なんて自己紹介したと思う!?」
「えっ?」
――――――
「私の名前はアキホです付き合ってください! 趣味は読書と付き合ってください! カラオケと付き合ってください! 料理です付き合ってください!。 一目見てから付き合ってください! あなたのことが付き合ってください! 好きになりましたってください! よろしくお願い付き合ってください!」
――――――
「何言ってるか分からないんだよ! 俺は誰と付き合えばいいんだ!?」
「へっ? 私とですけど? あの、大丈夫ですか?」
当たり前じゃないか。この人は人の話を聞いていないんだろうか? でもそういうところも好きです付き合ってください。
「ああああああああああ! こいつはあああああ!」
「ぎにゃああああああああああ!」
なんか知らんが、ブチ切れた彼に頭をぐしゃぐしゃされた。痛いけど気持ちいい。私はMっ気があるかもしれない。
「いっ、いきなり何するんですか!? もっとしてください!」
「変態が! お前とは絶対に付き合わんからな! じゃあそろそろ帰らせてもらう。お前と違って俺は忙しいんだ!」
やっ、やばい。引き止めないと彼が帰ってしまう。
焦った私はすかさず彼に抱き着いた。胸が当たって恥ずかしいが、逃げられるよりはマシだろう。
「駄目です! 付き合うまで逃がしません!」
力いっぱい彼を抱きしめる。背中から抱き着く形になったているこの姿は傍から見ればイチャついているカップルに見えるだろう。
「ああもう、わかった! 付き合うから離れてくれ!」
「えっ、いいの? 本当に?」
断られると思ったのに、予想外の返事が来た。
「ああ、お前の熱意に負けたよ。心配なら契約書も書こうか?」
「本当なんだね! やった! ふふふ、嬉しいなぁ」
契約書は何を使おうかな~、婚姻届けにしようかな~。
「ところで、俺の名前知ってるよな?」
「もちろん! どちら様ですか?」
「そうか、早速だが別れてくれ」
「えっ!?」
このあとめちゃくちゃ告白した
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