あと40分
物語の終わりまで、もう少しかかります。お付き合いいただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
読みやすいように、少し直しました。
リコリスとローズは、魔の森へ到着した。
2人は上空に浮かんでいる。
リコリスは、魔の森を魔法探知で精査していく。
ローズは、苦々しく考えこんでいた。
(この男…実力だけは超一流なんですよね。性格が愉快犯で破壊神ですが…)
リコリスは優しく微笑んで、ローズの方を向いた。
「手伝ってくれるよね?マドレーヌ夫人の周りに結界を張ってくれ。ワシは魔の森ごと浄化魔法で焼き尽くすから」
「え!?魔の森には常駐の騎士達がいますが…」
「時間がないだろう?大丈夫。騎士なんだから邪な奴なんていないよ」
「………」
その時、ローズの持っている魔道具の魔石がまた1つ割れた!
マドレーヌ夫人に残されている時間が、減ったのだ。
「…はい。多少清められて煩悩が消し飛ぶかもしれませんが、命に別状は無いでしょう…」
「決まりだね!焼き尽くすのは40分くらいかな。ギリギリかい?」
「はい」
「カヌレ君達が到着したようだよ?」
「彼らは、そのままマドレーヌ様の救出に向かいます」
「そうか!ではサクッと片付けて、マドレーヌ夫人に褒めてもらうとするか!」
リコリスは、いきなり巨大な魔法陣を展開して魔の森を包んだ!
ローズは素早く飛んで、リコリスと反対側の魔の森の上空へ行く。
マドレーヌやカヌレ達、騎士達の周りに結界を張り、リコリスの浄化魔法をサポートする魔法を展開する。
魔の森が光に包まれた。
魔物や魔獣が、光に溶けるように消えていく。
リコリスは楽しくなってきた。
「クックック…!楽しいねぇ!やっぱりローズ君いいね!ここまで完璧なサポート魔法は君だけだよ!」
「…どうも」
「また一緒に仕事したいね」
「…破壊神に仕えたくはありません」
「つれないねぇ」
リコリスは、楽しそうに笑い続けている。
ローズは、リコリスを無視して地上に降り立ち、カヌレ達と合流した。
モブエーは、腰が抜けるほど驚いていた。
顔が青ざめて膝が震える。
魔の森を覆う巨大魔法陣。
無数の魔物達を、溶かすように消しさる魔法の強さ。
自分達を覆った結界が一瞬でも遅ければ、人格が変わりそうな程に清められている。
上空には、リコリス校長の気配があった。
間違いなく、校長の仕業である。
「…化け物…!!!」
「正しい意見です」
ローズがふわりと舞い降り、同意する。
カヌレはローズに意見を求めた。
「このままマドレーヌのいる所まで突き進みます。行けますか?」
「はい。全力でサポートします。時間がありません。魔法探知しましたが、マドレーヌ様の近くに魔王がいます。守護魔法を使っておられますが、状態が思わしくありません。魂に刻まれる呪いを受けているようです」
カヌレが、ギリ…ッと奥歯を噛み締めた。
モブエーは、ギョッとして叫んだ。
「行きましょう!カヌレ様!きっとまだ間に合います!」
「ああ…!そうだな!」
「騎士の皆様は、ここで待機してください。恋人への想いも消し飛ぶほど、清められたくなければ」
ローズが言うと、騎士の大半が固まった。
これではどちらが魔王かわからない、とローズは呆れてしまった。
世俗への興味を失って神職に転職したいならば動いていい、と騎士達に忠告する。
リコリスは面白がって、魔法陣の威力を強めてきている。
とても彼らまで守りきれない。
騎士団団長と副団長が、責任感をもって志願する。
カヌレ達はまっすぐ魔王の居城の中を進んでいくことにした。
ローズの持つ魔石の3つめに、ヒビが入っていた。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
続きます。