Q.どうすれば良い? A.こうしたら良い。
3作品目?
誰しもが想像をしたことがあると思うんだよ、美少女から告白されないかな〜ってね、他にも、可愛らしい子達が自分のことを取り合ってくれないかな〜っとか、可愛い幼馴染がいないかな〜、みたいなラブコメ的想像をすると思っているんだ。
ですがまぁ、そんな身近には美少女は居るわけないし、居たとしても仲良くなれるわけないのが現実なんだけど、そんな現実でさ、宝くじを当てるぐらいの確率を引き当てて、美少女から告白紛いの事をされたら、俺はどんな反応すればいいかな?
Q.どうすれば良い?
部活からの帰り道、妹の友達ということもあり、面識がある部活の後輩、七白陽里と帰っていた。
七白は、少し離れた町から電車で通学しているので駅まで送る、日常の一部だ。
「テストどうだった?妹曰く、かなり難しいらしかったけど」
そろそろ夏休みに入る。一週間ほど前にあった期末テスト、夏は部活も忙しくなるので補修は避けておきたい。
もちろん俺は、補修をギリギリでかわした。
「…………。」
最近の七白は、どこかボーっとしてる。やはりテストが酷かったのだろうか。
「大丈夫か?何かあったなら相談にのるぞ」
この調子で夏を迎えると、せっかくの長期休暇が台無しになりそうな感じだ。
「………わかりました、一つ、先輩に相談したいことがあります」
「あぁ、どんとこい。頼れる先輩だからな」
これで七白の不安も取り除けるだろう、何を不安に思っているか知らないけど。
「先輩、あの……先輩と一緒にいると……胸が…苦しくなるのは…病気ですか?」
上目遣いで質問された。
……………………ん?んんん?〜ん?
「ん?もう一回言ってくれないかな、上手く聞き取れなかった」
「先輩の側にいると心臓がドクンドクン鳴って、苦しくなるのは、、病気だからですか?」
………………ふぅ〜(息を吐く音)
俺は七白に頼れる先輩だと見栄を張ったが、それはかなり、いや、ものすごい間違いだったのかもしれない。
「なるほど、胸が苦しくなるのか、それは大変だな」
「はい、ですけど原因がわからないんです。私、きちんと好き嫌いせずにご飯を食べますし、お風呂は100秒をきちんと数えて浸かっています!……なのに、どうして胸が苦しいのでしょう」
え、可愛い、何その行動、可愛い。
いやいやいや、俺の煩悩が出てきてる。
ひとまず、七白が相談してることを要約すると、恋だよな?一般のケースに当てはめると、そうに違いがないのだから、そうとしか言えない。
「それは、俺と一緒にいる時だけか?それとも、妹とか、友達といる場合でもか?」
友達と一緒にいると胸が苦しくなるってなんだよ。今の俺はかなり混乱してるぞ。
「……いいえ、先輩と一緒にいる時だけです。どうしましょう、これでは先輩と一緒にいることができません」
………ええと、どうしようか。まぁ、俺の早とちりかもしれないので、恋愛という線は消しておこう。もしかしたら妹がしかけたドッキリかもしれないからな。
じゃあ、どうやって返答するのが正解だ?
「どうやったら治りますか?」
治らないと思う。え?俺はどうやって答えるのが正解なんだ?
「えーーと、いつからその症状が発症したんだ?」
「お正月に朱美ちゃんと、先輩と一緒に神社にお参りした帰り道からです」
妹と一緒にお参りした時からって、結構前だな。
「普段は、どうやって抑えてるっていうか、我慢しているんだ?」
「えーと、根性です!!」
…………。
「あと気合です!!!」
……………。うん、そうか。
今どきに根性論か、すごいな。
「だけど最近からは、耐えることができなくなってきて」
あぁ、最近から様子が変だったからな。約6ヶ月我慢していたってすごいな。
「何か原因とかって分かるか?」
「原因ですか、えーーと、確か、一週間ほど前のテストが終わった時からだった気がします」
「やっぱりテストか?」
「多分違うと思います。……あ、確かテストが終わって本屋に寄ったんですよ」
もうそろそろで駅が見える通りに着く。
「その時に朱美ちゃんが、『恋愛マスターのになるためのテクニック〜15選〜』という本を渡してきて」
…………….。
「私は買ってないですけど、朱美ちゃんが買ったのを読ませてもらって、恋バナをした時からだった気がします」
…………………。
「その時に朱美好きな人を聞かれたんですよ、そのあとから胸の苦しみを耐えることができなくなって、、、何か分かりました?」
あぁ、妹よ、お前が原因だったか。これは、えーー、教えた方がいいのか?俺の自意識過剰という事もあり得そうだけど、どうすればいいんだ?
「うん、そうだな、俺にはワカラナカッタヨ」
「えっっ!!そうですか、先輩にも知らないことがあるんですね」
七白の中の俺のイメージってどうなっているんだ?すごい驚きようだ。
そろそろ駅に着く。
答えを濁して、良かったのか?まぁ、本人が気付くまで待つか。それでいいや。俺にはキツイ、恋愛相談とか。女子同士でやってくれ。
「妹なら何か知ってるかも知れないから、LINEして聞いてみなよ」
「分かりました、聞いてみます」
もうすぐ、七白の乗る電車がやってくる。
「それじゃ、また明日」
「また明日です。先輩」
七白は、人混みに紛れて見えなくなった。
俺は家に帰った。
A.こうしたら良い
昨日の一件から一日経った。
上手く妹は相談に乗ってあげただろうか?よく考えたら妹に相談するという選択肢は、間違えたかも知れない。
あいつ変なこと言いそうだし。
で、部活の最中、七白はいつにも増して挙動不審だった。ちょくちょく俺の事を見てくるが、目を合わさないようにしてる。
帰り道。
昨日の一件が何か七白に影響を及ぼしてる可能性しかないので、なんとかせねばなるまい。
「七白、妹に相談してどうだった?」
そう聞くと、不自然なほどに体を震わせる。
「え〜と、相談したんですが」
うんうん。
「すごい興奮した様子で、「それは恋だよ、恋」って言われて」
まぁ、そうか。やっぱり言ったか。
だとすると俺が言えばよかったな。昨日の俺はチキッたな。
「なので私は、先輩に恋をしてるようです」
「なるほど」
「それで先輩に言いたい事があって」
告白かな?俺も家に帰って、色々と考えたんだ。俺には現在彼女はいないし、後輩の気持ちを無下にするのはどうかと思う。もちろんOKをするよ。
「言いたい事というか、相談したい事なんですが、私は先輩が好きで恋をしています。
どうすればいいですか?
」
………………そうきたか。そうだな、
「うん、まぁ何をすればいいかを学んでいけば良いよ」
「そうですね、学ばないといけません。先輩、まずはじめにどうすればいいんですか?」
「そうだな、簡単そうで簡単じゃない事だ」
「それはつまり?」
「相手に思いを伝えるんだ」
「こうやって」
「七白こんな残念で普通な先輩だけどお前の事が好きだ、付き合ってくれないか」
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