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祈り  作者: 谷川陣
4/18

<参>

家に帰って僕は疲れ果てていた。

今日は新しいことがありすぎた……

僕の許容範囲をもろ越していた。

人と話しながら帰るなんて自分にはあり得なかった。

ベットに横たわると白石さんを思い出した。

「これが友達ってものなのかな……」

案外いると楽しいな。

そう思っているといつの間にか夢の中にいた。



白石さんが川で溺れている。

僕は必死に手を伸ばそうとするが届かない。

そして白石さんがどんどんと沈んで行く。

だめ……ダメ……沈まないで!



そう叫ぶとはっと目をさました。

外はもう暗くなり始めていた。

居間では母さんが料理を作っているようだ。

「……昼寝なんて久しぶりだな。しかも悪夢って……」

少し不安を抱えながら僕は部屋を出た。



夕食を食べ終わり、部屋に戻った。

宿題を終わらせ、ちょうどいすの上で背伸びをした時、

「ブー、ブー、ブー」

と携帯のバイブレーションがなった。

僕にとって携帯がなるということはとても珍しい。

あり得るのはクラスの連絡網ぐらいだ。

携帯を開くとやはり連絡網だ。

クラスの連絡網は、会社を通して一斉送信できるようになってる。

世の中便利になったよね…

メールを見ると『白石さん転校記念メール」と書かれてる。

そこにはこう書かれていた。



白石さん、ようこそ私たちのクラスに!

とは言っても白石さんはこのメール見てないんですけどね。

せっかくなので白石さんの歓迎会を内緒で企画します!

することはまだ決まってないです。

白石さんさんが好きなことをできればと思ってます。

それで、今回参加してくれるかどうかメールしてください。お願いします。

メールはとりあえず今じゃなくても大丈夫です。

みんなで歓迎会盛り上げよう!



と言われてもね。

何をするか書いてくれるとまだ決めやすいんだけど……

まぁ、どちらにしても僕は行かないだろうけど。

友達もいないからそういうことに関わったことが無い。

それで平気だったし。

携帯を閉じ、やることも無くなりどうしようか悩んでいた。

「仕方ない。あれやるか」

僕はトランプを出した。


「あれ」とはいわゆる「トランプピラミッド」だ。

小2ぐらいから始め、この年になってもまだ飽きない。

要は暇つぶしだ。

こういうことをするのは好きだ。

自分の世界に入り込める。


さて……前回やったときは9段で失敗したから今回はそのリベンジ。

トランプを2枚バランスよく立たせ、それを2個作り、間にトランプを置く。

単純な作業だがこれが案外はまってしまう。

何にはまっているのだろうかとたまに思ったりするが……

今まで完成させた8段までの写真は携帯に収まっている。

今日こそ9段完成させてみせる。

そう考えていると1段目が完成した。

ここまでは簡単。

次からは慎重に置かないと橋が崩れることもある。

それに気を配りながらバランスよく立たせる。

2つ置いたら橋をかける。

これの繰り返し。

2段目が完成した。

よし、土台がキッチリしている。


作業を続け30分。

何度か崩れたりしたが、なんとか5段目までいった。

ここでもう一組のトランプを取り出す。

1組ではとても足りない。

もちろん同じ柄のトランプ。

そこは妥協しない。

そしてまた慎重に6段目にかかる。



かかること1時間。

最後のてっぺんのトランプをたてる。

「……よし」

9段完成

携帯に手をかける。

写真を撮らなきゃ。

と思ったそのとき

「ブー、ブー、ブー」

携帯がなった。

バイブレーションにびっくりした僕は後ろにのけぞった。

そして……

カシャクシャカシャッ

「あっ……」

思わず声が出てしまった。

そこにあったはずのピラミッドが、一瞬にして崩壊した。

「……また作り直せば良いか」

とはいっても今作り直したいとは思えない。

黙ってトランプを片付けて行く。


そういえば……

携帯を見てみると『Eメール一件』とある。

開くと、ファーストフード店のクーポンのお知らせ。

うわ……負けた。

僕は最後の最後にクーポンメールに負けた……

何たる失態。

「まぁ過ぎたことだし」

少し投げやりだがもう考えないようにした。

片付け終わり時間は10時。

ちょっと早いけど寝ようか。

そう思い風呂に入って早めに寝た。


こうしていろいろとありすぎた1日は終わった。

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