表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祈り  作者: 谷川陣
14/18

<拾参>

家に帰った僕は部屋のベットに寝転んでいた。

僕の頭の中には白石さんのことしかなかった。

出会ってから今までの出来事。

主に今日の出来事。

頭の中で映像が回っていた。

まるで操り人形(マリオネット)のように決められた行動が幾度も幾度も……

僕の頭の中で回り続けている。


こんなこと考えているのはどうしてなのか、僕にはわからない。

ただいろいろなことがありすぎただけなのか、何か別な理由なのか。

もしかしたらこれが世間で言う「恋」なのかもしれない。

僕にはわからない。

わかるわけがない。


遠い過去のこと、僕に告白した人がいた。

『二宮君。ずっと前から好きでした。」

その人は掃除当番で二人でゴミを出して帰る時に僕に告げた。

ただ一言、彼女はそう言った。

僕はその人に質問した。

『好きって感情はどうしてわかるの?』

『えっ?』

彼女は驚いた表情が隠せなかった。

『それは……その、二宮君かっこいいし、それに……』

『そんな理由で人を好きになれるの? それってほんとに人が好きなの?』

今思えばそれはとても酷い一言だ。

その人は黙り込んでしまった。

『やっぱり僕にはわからない』

そう言ってその人を置いて行った。

それ以来その人とは話していない。


今も僕はわからない。

けど何か僕の心の中で訴えかけてるものがある。

聡明でなくて、不透明なもので、

だけど確かで、無視できないもの。

そんな感情が僕の胸をいっぱいにする。

この気持ちいいような気持ち悪いような感情は……なんなんだろう。

「だからなんなんだろうね……」

僕は天井に手をのばした。

その手は何も触れずまた落ちる。

ただ空を掴んだだけ。

得たものは何も無い。

「この頃おかしくなっちゃったかな」

そう呟きベットから跳ね起きた。

携帯を確認するとメールが来ていた。

「いつ来たんだろう……」

僕はメールを開いた。

白石さんからだった。


 二宮君へ

 今日はありがとう。すごく楽しかった。

 また今度も遊ぼうね。

 次はカラオケにしようかな、なんて。

 これ今日撮った写真です。

 じゃあまた学校で。


添付されていた写真を見ると、彼女の無邪気な笑顔が写っていた。

その隣に僕がいる。

こんな所に僕はいて良いのだろうか。

僕は返事をした。


 白石さんへ

 僕こそすごく楽しかったです。

 ありがとうございます。

 また遊べたら嬉しいです。

 では、また学校で。


相変わらず無愛想なメールと思いながら送信した。



少し変化していたのは薄々感づいていた。

それがどんな変化なのかはわからなかったが……

ただこれだけは言える。

僕は白石さんによって変えられた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ