シェリアリス反省
俺が牢屋から出されたその日サルモナラが詐欺容疑で牢屋へ入り、サルモナラと組んで詐欺を働こうとした騎士たちが掴まった。
それをダラアス様の執務室で聞いたダラアス様と俺は軽く聞き流していた。
何故なら王都の騎士・従士達全てを巻き込んだ大改革を計画していたからだ。
ダラアス様の執務室には侍従1名と従士が2名、メイドが3名ほどいたが計画を話し合う俺とダラアス様の邪悪な顔を見て物凄い引いていた。
従士2名は自分もその大改革の餌食になるため顔を真っ青にして固まっていた。
大改革は精神を鍛え直す事に重点を置き、さらに肉体的にも徹底的に鍛え上げる事計画になっていた。
この大改革を実施するにあたり、信頼できる監督官が必須となるためダラアス様が先行して役50名の騎士たちを鍛え上げる事になった。
俺は助けて貰ったお礼にその50名を鍛える手伝いをする事になったので、計画が完成したあとエリナさん達に伝えるために一度屋敷に戻った。
王都の屋敷に戻る途中でダラアス様から紹介された鍛冶師の所へ向かい、ダラアス様からの紹介状を見せ急遽作って貰う道具を依頼した。
費用はダラアス様持ちなので俺の懐は痛まないので安心だ。
王都の屋敷や研究施設の管理のために新しい奴隷を買ったので懐が心もとない気がしているのだ。
前世でも小庶民的な感覚は変わらない。
依頼を終えた俺は屋敷へと戻ったが、屋敷にはセキュリティがかかった状態で誰もいなかった。
王都で買った奴隷たちは拠点で訓練中なのでいないのは知っていたが、エリナさんもいなかった事に何かあったのかと焦り屋敷内を探し回るも見つけることができず、奴隷たちの力を借りるために拠点へと戻り家を出るとエリナさんがこっちへと向かってきている所だった。
「あ、シュンさん。おはようございます。シェリアリスちゃんに聞いたと思いますが、昨日は母が体調を崩したので両親の家に泊まりましたが、無事体調も戻りましたのでご安心ください。」
「そうだったのですね。昨日は朝しかシェリアリスと会っていなかったので聞いていなかったのですがお母さまがご無事でよかったです。」
「あ、そうだったんですか。もう!シェリアリスちゃんは。」
「あれ?というか、シェリアリスから私の事何も聞いていませんか?」
「えっ?シュンさんの事ですか?何かあったのですか?」
「あんのやろぉ~。今度しっかり叱っておくか。え~っと、昨日王都の屋敷に師匠の弟子を名乗る女性がやってきて詐欺師だったのですが、王都の騎士たちと組んでいたらしく牢屋に入ってたんですよ。
ダラアス様に助けられて無事戻ってきたところです。」
「そうだったのですね。お昼にシェリアリスちゃんに会ったのですが、何も言っていませんでした。」
「ふ~、なんかシェリアリスらしいっちゃ、らしいですが。。。」
「ふふっ、本当にシェリアリスちゃんらしい奔放さですね。」
俺とエリナさんは拠点の家へ戻り、王都であった事を話これからダラアス様が集めている騎士たちを鍛え上げるために暫く忙しくなると話し合った。
エリナさんは俺の手伝いをしようとしたが、お母さまの体調が戻ったとはいえ何かあった時すぐに行動が出来るように拠点をベースに行動してもらう様にした。
エリナさんの母上だけでなく拠点に住むエルフ夫婦が殆ど妊娠しているのだ。
元々エルフ達は長寿な種族の為、子供が授かりにくくなっているらしい。
しかし、この拠点にきてから安全面が増したからなのか皆が励んだのか知らないがあっさりと妊娠したらしい。
何が理由かは分からないが全員喜んでいるので良しとしている。
俺は拠点にも王都の屋敷にもあまり居られないと思うので栄養ドリンクと、妊婦に影響が少ない薬の作り方をエリナさんに教えてから王都の屋敷へと戻って行った。
ダラアス様が先行で鍛える50名を今日中に集めるので、明日は朝から王城へと登城しないといけないのだが今日は予定が入っていない。
そもそも朝は牢屋にいたからな!
出かけるにしても微妙な時間なため地球のアーカイブを見ながら暇を潰すか、錬金術の研究をするか、王都をぶらつくか悩んでいるとシェリアリスが何事か喚きながらやってきた。
「うわぁぁぁぁぁん!しゅーーーーん!ローラーンがぁ~!ローラーンがぁ~!」
ローラーンさんに何かあったのか?俺は急いでシェリアリスの声がする方へと急ぐと全身に重石を付けたシェリアリスが這っていた。
・・・?
何だあれ?
「え~っと、何の遊びだシェリアリス?そしてローラーンさんに何かあったのか?」
「しゅーん。。ごべんなざいぃぃぃ。しゅんが連れさられた時に誰にも伝えずに忘れてたらローラーンに知られておごられだぁぁぁ」
なんと、シェリアリスのおかしな格好はローラーンさんが与えた罰のようだ。
シェリアリスにしっかりと話を聞いてみるとエリナさんに会いに行ったローラーンさんが世間話的に俺のと会話を話したらしく、それでシェリアリスの行動に怒ったローラーンさんが妖精族に伝わる罰を与えたらしい。
そして俺の許しを得ないと外せない重石だそうだ。
泣きながら説明するシェリアリスが珍しく普段の奔放さがないため、優しい気持ちになり昨日の出来事を許してしまった。
ふむ。シェリアリスもこれで謙虚な心を持ってくれればよいな。
俺はシェリアリスを抱きかかえて拠点へと戻りローラーンさんにシェリアリスを許したことを伝えて重石を外してあげてとお願いしたら「今日一日はダメです。」突っ返されてしまった。
思ったよりローラーンさんの怒りが激しかったらしく色々と説得してみたがダメだった。
この状態のシェリアリスを拠点へと置いておくと動くのも辛いだろうと思い、俺の頭に乗せて今日は世話をすることにした。
シェリアリスは重石のせいであまり動けないのでご飯の準備をして食べさせたりした。
至れり尽くせりに世話をしたら女王様気分になったシェリアリスが再度調子に乗ってしまったが優しい心で世話をしてたらその光景をローラーンさんに見られていた。
何とローラーンさんは俺から許してあげてというのを突っぱねた事が心に残っていたため様子を見に来たそうだ。
それで俺に世話をされて女王様のように振る舞っているシェリアリスを見て再度怒り心頭に達したのだった。
ローラーンさんに引っ張られながらシェリアリスが連れていかれる。
シェリアリスは俺に助けを求めるが流石に甘やかしすぎた認識があったため今回は涙を呑んで送り出した。
夕飯も食べたし、丁度良い時間だったため布団に入るとすぐに睡魔にやられ夢の中へと落ちていった。
次の日、朝日と共に目覚め丁度ラジオ体操でもやろうかなと外に出た時に馬車が門前にやってきた。
門まで行くと騎士が降りてきてダラアス様の使いと名乗った。
「おはようございます。もう呼び出しの時間でしょうか?」
「おはようございます。ダラアス様が本日の訓練をとても楽しみにされており、朝日が昇る前からお待ちしております。」
「・・・それはそれは。」
俺は迎えに来た騎士様に同情してしまった。馬車に同乗して騎士様に話を聞いてみた所、俺が帰ってから即座に動き出し50名の騎士を選出し終わると王様へと報告に走ったそうだ。
その後は関係各所へと指示を出した後、夜も更けた時間に馬車の準備をさせて待機させられたらしい。
そして、早朝と共に俺への迎えと鍛冶師たちから荷物を受け取る馬車が出発したそうだ。
朝っぱらから騎士たちの愚痴でどんよりした気分にさせられてしまった。
絶対に騎士たちを相手にストレスを発散してやると心に誓ったのだった。




