ダラアス再び
王都の屋敷前で錬金術師の先輩だと思われるサルモナラから屋敷を追い出されそうになった時に騒ぎを聞きつけた騎士たちがやってきたが、何故かその騎士たちは俺の話を一切聞かずサルモナラの言い分だけ聞き俺は縛り上げられた。
俺は騎士たちによってどこかへと連れていかれそうになった時、背後から悲鳴が上がった。
後ろを振り返ってみるとサルモナラからプスプスと煙が上がっていた。どうやら勝手に屋敷へと入ろうとしてシェリアリスが起動したセキュリティに撃退された様だった。
それを見た騎士たちはアタフタするだけで騎士らしくない動きだった。
幾つかアドバイスをするも罵声を返すだけだった。
あれ?こいつら本当に王都を守る騎士なのか?どことなく鎧もくたびれて見えてきたぞ。
も・し・か・し・て。。。偽物か?
というかあまりにも都合よく現れたような気がするぞ。
うん。この騎士たちはサルモナラの仲間だな。サルモナラが家のセキュリティで倒れた事でどうすれば良いのか分からなくなったんだろう。
と言うことは、、、縄目の恥を受ける謂れはない!
俺は体全体に力を入れ、体に結び付けられた縄をぶっちぎった。
「あっ!こいつ逃げる気か!」
俺の行動に気づいた一人の騎士が声を上げると他の騎士たちも気づき立ち上がって俺の周りを囲んだ。
「おい!おまえ!逃げられないぞ!大人しくもう一度縄を受けろ!」
「ふ~、いやいや、君たち本当に王都を守る騎士なのか?人の話も聞かないし、そこの女が倒れてもアタフタするだけだ。」
「うるさい!今手当をするところだったんだ!それをお前が縄から抜け出すからできんのだ!」
「「「そうだ!そうだ!」」」
「さあ!大人しくもう一度縄を受けろ!」
「い・や・だ。と言うか君たちってその女とグルだろ?」
「ぐっ!そ、そんな訳あるか!」
「いやいや、グッ!とか言ってるじゃん。正しくグルですよって言ってるよね?」
「えぇぇぇぇい!黙れ黙れ黙れ!みんな!全員で縛り上げるぞ!」
リーダーらしき騎士が他の騎士たちに声をかけると一斉に襲い掛かってきた。
騎士とは思えない動きで迫ってくる。これが本当の騎士であるならば王都大丈夫か?って思うんだが。。。
やっぱり、こいつら偽者だな。
今俺の頭の中で地球が暴れん坊が暴れる時の音楽を鳴らしているせいで俺のテンションが爆上げ中だ。
ちゃーちゃちゃー、ちゃちゃっちゃちゃーちゃーちゃーちゃーちゃちゃー
と気持ちよく騎士たちの攻撃を回避すること30分位。偽者だと思うけど一応こちらから攻撃するのは躊躇してしまい。
ず~っと逃げていたら騎士たちは鎧の重さもあるのか「ハァハァ」言いながら動きが鈍っていく。
横目でサルモナラの様子を見ていると目元がピクピクしており、顔色も青くなっていっている様に見える。
あれ?ちょっとやばいんじゃない?
何かしら手当てをしないと死んじゃいそうだな。騎士たちは疲れ切ったようで地面に座り込み息を整えている。
暫くは動き出さないだろうと思い、サルモナラの下へと行きポーションをぶっかけた。
サルモナラの様子を見ていると徐々にだが顔に赤みがさしてきた。これで山場は抜けただろう。
ただ最近気温が高いため、このままここに放置していると熱中症で死ぬことになると思うがこの騎士たちが逃げ出すころには一緒に連れていくだろう。
「おい!お前その女に何を掛けた!まさか毒じゃないだろうな!」
「ん?ポーションだよ。君たちが何も手当をしないから顔が真っ青になってたから症状をきちんとは見てないけど、ある程度の傷などが治れば良いと思ってね。」
「ふんっ!お前のせいで症状がさらに悪化したらお前を死刑にしてやるからな!」
サルモナラの顔色見れば改善したことが分かるだろうに、絶対こいつら騎士じゃないわ。
俺はこの後どうしようかと悩んでいると見た事がある騎士が隊を率いてやってきた。
「何をしているお前たち!ん?お前はシュンか。この騒ぎは一体なんだ!」
「やあ、ルコスさん数日ぶりです。」
俺に声を掛けてきた騎士はルコス・サイゼンといい。第三騎士団に所属する魔導騎士の一人だ。
俺との訓練と言う名のイジメに参加していた騎士の一人であっさりと気絶したのだが、その髪の色のせいで記憶に残った騎士である。
なんとこの騎士の髪の毛は左半分が赤色で、右半分が緑色なのだ。
ダラアス騎士団に珍しい髪の人がいますね。と話を振ったら名前を教えてくれたので記憶している。
何でも何世代前に獣人の血が入っていて、先祖返りか何かで髪色が分かれたという話だ。
獣人の血が入っていると保持魔力が少なくなる傾向にあるらしいのだが、ルコスさんは他の人よりも強い魔力を持っているらしい。
ただ、使う魔法がお粗末なのだが。。。
ルコスさんの顔を見ながら数日前の出来事を思い出していると尻もちを付いている騎士たちに話を聞いていたようで、ルコスさんが俺の下へとやってきた。
「シュンよ。お前を逮捕する。」
「えっ?なんで?」
「住居不法侵入罪だ!大人しく縄を受けろ!」
はっ?こいつも人の話を聞かないやつなの?こいつら全員ぶっ飛ばすか?
というか、最初に来たやつらは本物の騎士だったのか。
あっれー?王都の騎士ってやばくない?
騎士と言っても人間だから良い奴もいれば悪い奴もいると思うけど、ここに居るやつら全員問題あるやつばっかだろう。
ルコスさんに詳細に話をしようとしたが、全く話を聞いて貰えず俺は縄を掛けられて連れていかれた。
俺が連れていかれたのをシェリアリスが見ていたので、エリナさんに話は伝わるだろう。
多分すぐに何かしらの手を打ってくれると思うがダラアス様から訓練を付けてくれと言われた時に引き受ければよかった。
今なら死ぬほど鍛えてやっただろう。
と言うわけで、今は王城の地下にある牢屋にいます。
何故なんだろうなぁ~。どこかの主人公の様に颯爽と解決出来ないのが俺なんだろうな。
とりあえず、シェリアリスがエリナさんに伝えるだろうから待ってるしかないか。
俺は壁に持たれて座り込み目を閉じて地球たちと会話を楽しんだ。
その頃シェリアリスは拠点に戻って王都に住んでいた妖精たちと遊びまわっていた。。。
・・・次の日。
何で誰もこねーんだよぉぉぉぉぉぉぉ!
シェリアリスは何してんだよ!
俺が掴まってるところ見てたじゃねーか!そこはエリナさん達に伝えるところじゃないのぉ!
俺がいる牢屋から騎士たちの訓練の光景が微かに見える。
おや?あそこにいるのって、ダラアス様じゃね?
「おーーーい!ダラアスさまぁぁぁぁぁ!たっけてーーーーー!」
俺は牢屋から力いっぱい叫び声を上げると、牢屋側から見張りの騎士が来て「騒ぐな!」とガンガン牢屋を叩かれるが俺は無視してダラアス様に助けを求めた。
見張りの騎士が牢屋を開けて入ってきて俺を外に繋がる小さな隙間から引き離そうとするが、身体強化を使って留まる俺は身じろぎ一つしなかった。
何度か叫んでいるとダラアス様が何かに気づいたようでこちらへと近寄ってくる。
その間、俺は何度も殴られているが驚異の身体強化を発揮してダメージ一つ負わなかった。
「何しとんじゃ?シュン。」
「ダラアス様!たすけてー!何故か師匠の家に住んでいたら住居不法侵入の容疑で使ったんですけど!」
「はぁ?なんでだ?手続きはしっかりとしてるからあの屋敷はお前のものだぞ?」
俺はダラアス様に昨日の出来事を詳細に伝えるとダラアス様は「待っとれ」と一言いいどこかへと行ってしまった。
俺を殴っていた見張りの騎士は俺とダラアス様が話始めるとコソコソと離れて行き牢屋から出て行った。
しっかりと顔を見ているので後から制裁を加えるリストに書き込んでおいた。
30分程するとダラアス様がやってきた。その後ろには顔が腫れあがったルコスさんがいた。
もう何が起こったのかが分かってしまうな。
ダラアス様は牢屋を開けて俺に出るように促す。
牢屋から出るとダラアス様はルコスさんの首根っこを掴み俺に向かって頭を下げさせた。
「さぁ、なんて言うんだルコスよ」
「・・・スマン。」
バコッ!ルコスさんが嫌々謝るとダラアス様は言い方が気に食わなかった様でルコスさんの頭を手加減なく殴った。
「そうじゃねーだろぉぉぉ!」
「ハイ!申し訳ありませんでした!」
「シュンよ。今回の事は済まなかった。まさかここまで腐ってるとは思わなかったぞ。やはり早急に引き締めを行わなければならんな。」
ダラアス様は今回の事で思った以上に騎士団だけでなく王都を守る騎士全体が腐敗し始めている事を認識した。
この事件が発端となり、王都中の騎士たちを巻き込んだ騎士道精神大改革が行わる事になるのであった。




