森への探索
拠点を作った次の日、俺は拠点の充実化を図るため拠点から北にある森へ向かう。
森への道中、牛や馬の様な動物を見かけるが寄ろうとすると逃げられるので今回は目的が違うので追うのを諦め森へ進む。
地球からの情報でジャガイモに近い芋や豆、ごまなどをゲットしながら森に到着する。
森に入ると山菜だけでなく、何故か分からないが木からキャベツが生えていた・・・とりあえず一つ取って一枚食べてみたが本当にキャベツだった。前世の常識をそのまま当てはめると頭が痛くなりそうなので考える事を辞めて折角なの何本も生えている木自体を持って帰るべく木を掴み力任せに引っ張り上げ様とした時に風切り音が聞こえた。
俺はとっさにその場から転がり飛来物を回避すると俺が掴んでいた木に矢が刺さる。辺りを見渡すと木の上にフードを被った弓を持った人が見えた。すると木の上に立つ人が「我等が森を汚しに来たか、このゴブリンモドキめ!」と声を掛けてきた。
「な、なん・・・だと・・・」俺は木に立つ人からの言葉に絶句してしまった。そう、アイツは俺の姿を見てゴブリンと勘違いしているのだ。確かに俺の格好は師匠から恵んで貰った服だがゴブリンとは明らかに違うだろうと。まぁゴブリン見たことないけどね!
「おい!さすがにゴブリンと言うのは失礼だろ!」俺は木の上の人に反論すると、木の上の人は俺が言葉を発した事にビックリして「新種のゴブリンではなく人なの・・か?」とのたまった。。。
「勘違いしたとしてもイキナリ矢を撃ってくるのはどーいうこっちゃ!」と俺が文句を言うと木の上にいた人が降りてきた。
「すまん。何でも食べる新種のゴブリンかと勘違いして撃ってしまった。」
「とっさに気づいて回避できたから良かったけど、当たってたら大怪我だったんだぞ!」
「誠に申し訳ない。私が君を見つけた時に木にしがみついて食べているように見えたのだ。」
俺は自分がやっていた姿を思い浮かべると確かに木にしがみついて齧っている様に見えたかもしれないと思ってしまった。
「あ~、確かにそう見えたのかもしれない。」
「所で君は木にしがみついて何をしていたんだい?」
「えっ?い、いやぁ~。あははは・・・えぇ~っと、この木を俺の住んでいる所へ持って帰ろうかと・・・」
「えっ?木を抜いて持っていこうとしたのかい?」
「あ、はい。。。」
木から降りてきた人はフードを下すと耳が長い男でイケメンだった。も、もしかしてエルフとかいうやつですかい?
「我々の森から勝手に木を持っていくことは感心しないな。しかし、矢を射掛けた手前ダメだとも言い難い。う~む。君が良ければ一度私たちの村まで来ないか?村長に相談しよう。」
「マジデスカイ!いく!行きます!」
「そうか!ならば私たちの村に案内しよう。その、、ゴブリンと間違えた埋め合わせもしないとな。さあ、こっちだ。ついて来てくれ。」
俺とエルフの男はエルフの村へ向かって歩き出して暫くすると、「そういえばお互い自己紹介をしていなかったな、私はカルーゼという。君は何て名前だい?」
「俺の名前はシュンです。カルーゼさんの耳は私と違いますけど種族が違うのですか?」
「ほう、シュンはエルフを見るのは初めてかね?私はエルフ族で、森を守る者の一族だ。これから向かう村はエルフだけが住んでいるのでシュンが好機の目で見られるかもな。」とカルーゼはニヤリと口角を上げた。
「ん?カルーゼの村にはヒューマンはいないの?」
「うむ。エルフは他の種族との交流は殆どない。数百年になるか。。。ヒューマンの人口増加にともない森が削られ続けたため我らエルフ族はヒューマン族と戦い続けたのだが、個人の能力では我らエルフが圧倒するが総力戦での人数差が圧倒的だった。」
「徐々にエルフの戦力が削られ敗北してしまってね。もう今は昔ほど他種族を嫌ってはいないが、やはり好んで交流を持たないのだよ。」
「ふ~ん。それ聞くと俺って村に行ってもいいのかい?」
「あぁ、大丈夫だ。私の知り合いとして連れて行くから村の皆も好機の目で見るかもしれないがね。」
「そっか、それなら案内宜しくお願いします。」
「了解した、しっかり付いてこい。」
俺とカルーゼは自分の事や種族の事を話しながら森を進むと木の柵に囲まれた村が見えた。
「さぁ、着いたぞ。ここが私の村。クトレイダ村だ。」
村を見るとエルフが疎らにおり、こちらを注視している人も何人かいた。
俺は愛想笑いをし、ペコペコと頭を下げながら村にお邪魔する。俺の想像していたエルフの村は皆スタイルが良く顔もイケメン、イケジョだったが確かにそのような人達は多い。。。しかし、ぽっちゃりエルフやちょっと残念なエルフも居た。
うん、なんか親近感湧くね!
カルーゼは村の中を進み一際大きな家の前で俺に振り向いた。
「ここが村長の家だ。村長お客さんを連れてきた。」
そう言いながらカルーゼは村長の家の扉を開け中に入っていく。俺に手招きしながら中に入るように合図する。
俺は村長宅の扉を潜り「お邪魔します。」と声を掛けて中に入った。
家の中に物凄いイケメンさんがいた。。。
「村長、こちらシュン。ちょっと森でゴブリンと間違えて矢を射かけてしまってね。話を聞いた所、木を何本か欲しがったんだけど流石に勝手に持って行って良いとは許可が出せなくてね。村長に相談がてら連れてきたんだ。」
「シュンと言います。自分の住む場所を作っているんですが、食料と家などを作るための木材を手に入れる時にカルーゼに出会ったんですが、ここがエルフの森とは知らず勝手に持っていこうとしてすみません。」
「ふふ、そう緊張せんでもいいですよ。我々エルフがこの森を守っていると言っても我々の物と言っているわけじゃない。無暗やたらと伐採されると困るがね。」
「ええ、カルーゼから過去の話も聞きましたし、何本も貰っていくつもりはありません。ただ、私の家の近くに植林をして増やしていこうとも考えています。ただ、食料となる木がなどがありましたら頂けるとありがたいです。」
「うん。シュンは正直だね。我々エルフも少し外との交流を持つ必要があると考えていたところだ。シュンに協力してもいい。」
「本当ですか!」
「ただし、一つ条件がある。」
やはりタダでと言うわけにはいかないか。とガッカリしていると村長は続けて
「この村の北と西からゴブリンの目撃情報が多くあり、村人たちが怯えておる。カルーゼがシュンと会ったのもゴブリンの偵察で行ってたからです。」
「私たちエルフ族は弓矢などの遠隔からで退治できればいいのですが、ゴブリンが多い場合接近戦を行う必要がある。しかし、エルフは接近戦ではその力を存分に発揮することができないんですよ。そこでシュンくんの出番と言うわけです。」
「ふ~む。なるほど、だからカルーゼは俺をゴブリンと見間違えたわけだな。」
「うむ、言い訳はしない。」
俺はまた面倒な事になったなぁ~と考えたが、エルフとの交流も良いものだと考えある意味ご近所さんトラブルの解決かぁと思い手伝う事を了承するのであった。




