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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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第一騎士団

俺とエリナさんは貴族様特有の人の意見を聞かない。自分の意見を押し通す。の被害に会い、現在騎士団が普段訓練をしている場所に連れてこられた。


事務仕事をしなくて良くなったからなのか終始にこやかなダラアス様が集まった第一騎士団の団長に話をしており、俺とエリナさんはその後ろで騎士団の方々の視線に耐えていた。


ここに来る途中でダラアス様に聞いたんだが、なんと第一騎士団は殆どが貴族の次男や三男で構成されているらしい。

次男や三男だと貴族席を相続する可能性は低いのだが俺たち平民からしてみたら雲の上の人には違いない。

言うなれば上級国民だな。


ぽけーと、どこを見るでもなく時間が過ぎるのを待っていたら整列していた騎士団の方々にダラアス様が訓辞を行っていた。

どの時代でも偉い人は話が長い。話が好きで自分では長時間話していないつもりでも聞く方はたかが3分でも1時間くらいに感じるもんだ。

今の時期は暑くも寒くもない丁度良い気温のため倒れる人もいないだろうが、第一騎士団の方々は嫌な顔もせずにしっかりとダラアス様の話を聞いている。

素直に感心してしまうな。


余りにも暇だったので第一騎士団の方々を眺めていたんだが、五分の一くらい女性騎士様がいた。

なんでもその昔に王族の女性たちを守った時に問題が発生したらしく女性騎士の制度ができたらしい。

あの女性騎士たちがエリナさんと訓練をする人たちなんだろう。

おぉう。女性らしい体形をしている人もいれば男性に負けないくらい筋肉が発達している女性もいる。

あの人とエリナさんが訓練したらエリナさんの骨が折れてしまうんじゃないか?


そんな事を考えているとダラアス様の訓示が終わっており、第一騎士団の方たちは体を温めるためにランニングから始まるらしい。

それをぼーっと見ているとダラアス様が近づいて来て第一騎士団の後ろについて一緒に走ってこいと激を飛ばしてくる。

貴族様に逆らうと後が面倒くさい事になると思い走り出そうとするとダラアス様が再度声をかけてきて大量の重りを背負わされた。

ダラアス様が言うには騎士たちが鎧を着て走っているなか普通の私服で走ろうとしているのはフェアじゃないと言い出した。

多分騎士の鎧より重いであろう重りを背負わされたので多少文句を行ってみたらエリナさんの分も加算したとの事だった。


その事に文句が言えなくなり俺は重りを背負ったまた騎士たちの後に続いてエリナさんと共に走りだした。

エリナさんは申し訳ないので半分持ちますと言ったが、ここは漢を見せる所だろう。

エリナさんに微笑んで全然大丈夫ですと返答した。


第一騎士団の方々は思ったより早いペースで走っており、普段の訓練がしっかりしていることを物語っていた。

30分程訓練所を走って体を温めるとランニングが終わりペアを組んで実践形式の模擬戦が始まった。

どうやら第一騎士団の方々は普段通りの訓練の流れらしく一人も余る事なく模擬戦がそこかしこで始まった。

俺もエリナさんとペアになり模擬戦を開始した。

俺とエリナさんは何時もの訓練の感じで模擬戦を始めると、その異常に早い動きに周りの騎士たちがざわめき始めた。


それを見ていたダラアス様はほくそ笑み訓練を一時中断させた。


「ミックよ、ワシが言うた通りじゃろ。納得したか?」


「はい、ダラアス様。シュン殿たちの動きは素晴らしい物でした。しかし、速さだけでは戦いは勝てません。」


「ふふふ。その通りじゃ。では、おぬし達がそれを証明してみせるのじゃ。第一騎士団の男たちはシュンと、女たちはエリナ嬢と模擬戦をしてその力をみせよ!」


「「「「「おう!」」」」」


えぇぇぇぇ。俺たちやるなんて一言もいってないよぉぉぉぉ。何故に俺たち対騎士団の構図でやる前提になってるのぉ?

っていうか、百人組手の状態になってね?

平民である俺が騎士たちの胸を借りる構図なら何とか意味がわかるんだが、何故か逆になってるんだが・・・。


キッ!とダラアス様を睨みつけると口角をくぃっ!と上げてサムズアップを返してきた。

あのジジィやはり師匠の友達なだけはあるな・・・まったく動じてねぇ。


ダラアス様からミックと呼ばれていた第一騎士団の団長様が俺たちと模擬戦をする順番を決めていた。

騎士団全員とやるの?あれ?俺たち死ぬんじゃね?


ダラアス様にこっそりと近づいていき全員とやるの?って聞くとニヤッとしか笑いやがらねぇ・・・。

くっそ。昨日初対面なんだぞ、なんでこんなにフレンドリーな感じなんだ?

やはり師匠のせいなのか?あの手紙に何が書いてあったんだ?


仕方ないので模擬戦のルールを確認したら以下の通りだった。


1.一試合10分

2.気絶などの戦闘不能状態になったら終了

3.相手を殺害した場合は反則負け(牢獄行き)


なんて簡単なルールなんだ。話を聞いてみた所、実際の戦いになった時に急所などを狙うのは正しい戦い方でどれだけ効率よく相手を倒すかを突き詰めて行くのが勝利への近道なので推奨しているらしい。

そのため、騎士団は模擬戦でも急所を狙って攻撃してくるので注意が必要なのだと・・・。


あほか!一般市民をそんな危険な模擬戦に駆り出すな!

ダラアス様にツッコミを入れようとした所でミック様が模擬戦の準備が整ったと声がかかった。

ダラアス様はニヤっとして俺の背中をバシン!と叩き「さぁ!魅せろ!」という声援を後ろで聞き俺はトボトボと模擬戦の場所まで向かって行った。

エリナさんは女性騎士から丁寧な案内を受けて女性騎士たちが集まる場所へと向かっていった。


模擬戦を行う場所まで行くと何故か騎士たちが敵意むき出しで俺を睨みつけてくる。

・・・?なじぇ?


ミック騎士団長が模擬戦のルールを宣言するとイキナリ模擬戦が始まった。

騎士道とは如何にと思いながらも刃引きした剣を振りかぶって最初に戦う騎士様が襲ってきた。


俺はちょっとムッと思いながらも手に持っている剣で受け止めると騎士様は蹴りを繰り出してきた。

そこまで本格的な模擬戦を行うと思っていなかった俺は腹に蹴りを食らうとたたらを踏み後退る。

対戦相手の騎士様はこれ幸いと再度剣を振るう。観戦していた他の騎士様たちは勝負がついたと思っているのか全員が笑みを浮かべていた。

次の瞬間「ガンッ!」という音が鳴り響くと対戦相手の騎士様の剣が吹き飛び騎士様の首元に剣が突き付けられた状態が現れた。


観戦していた騎士様と審判をしていたミック様は呆けた顔をして何が起こったのか理解出来ていなかった。

するとダラアス様が「まだ終わってないぞ!」と激を飛ばすと対戦相手の騎士様は「ハッ」として後ろへ飛んで距離を開けようとした。

しかし、その動きを読んでいた俺は首元にある剣の距離を変えないように移動して逃げようとする騎士様の後を追っていく。

逃げられないと考えた騎士様は刃引きの剣という事もあり手で払いのけようとしたので俺は剣をクルッと回して騎士様の横を通り過ぎながら一撃を入れた。


イラッと来ていた俺はミック騎士団長の方を向き手のひらを上に向けてかかってこいと言う風に指を動かした。

俺の意図を理解したミック騎士団長は頭に血が上ったのか次の対戦相手に行け!と声を荒げて指示を出した。


次にやってきた騎士様は突きの構えで向かってきており、攻撃が当たる範囲に入ると同時に突きを繰り出した。

本当にアホなのかと思う攻撃方法で、向かってきている時から突きと判り剣の向きから狙っている場所が心臓辺りだったので相手が突きを繰り出すと同時に体を半身にして回避し、相手の胴に剣を振りぬいた。


模擬戦の相手は「グボホッ!」と言いながら膝を突き顔から地面へと倒れこんだ。

それを見たミック騎士団長は次の対戦相手へと指示して次々と一撃で騎士達を倒すといったことを繰り返しミック騎士団長を入れて残り3名まで数を減らした。


「ふ~。さすがに一人一撃とは言え騎士団相手だから緊張感があってちょっと疲れたな。でも後3人か、面倒だから一気に来てくれないかな?」


俺が一息つきながら愚痴っていると、それが聞こえたダラアス様がニヤっとして「ミックよ!第一騎士団全員が平民一人に負けてしまうぞ!このまま一人ひとり立ち向かうと本当に全敗だぞ!」と声をかけた。


ミック騎士団長はキッ!とダラアス様を睨み残りの二人に作戦を伝えると3人で俺を取り囲んだ。


「そうだ!騎士団は一人で戦うものじゃない!強大な力を持ったものでも集団で立ち向かい倒す事が絶対条件だ!今お前たちは目の前の男の力を認めたのだ!さぁ、今までの訓練の成果を発揮するんだ!」


あ~、ダラアス様の目的を理解したよ。多分だけど、最近第一騎士団の風紀でも乱れていたんだろう。

第一騎士団というだけあって、何個かある騎士団でもトップに君臨しているし次男三男でも貴族としての生活をしているのでプライドが高いのだろう。

そしてモンスタービートで活躍した俺がやってきたので当て馬とすることで騎士団の引き締めを行おうと計画したというところか。


俺は怒っていいよね?


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