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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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スラムの子供たち

コッフェロ辺境伯領で土地を買った俺たちは折角なのでスラムの子供たちが住めるようにするのと働く場所を一緒に提供できるように巨大な施設として建設することにした。

施設建設で辺境伯領の経済が活性化されたようだった。


まあ、施設建設のための費用は俺とエリナさんが出しているので俺たちの懐は寒々しくなっているのだけどね!

それでも必要な資材など拠点から持ってきていたりするので建物も費用自体は結構抑えられている。

拠点の隣でトレント牧場を作っていて正解だったよ。


トレント牧場はエルフの村で拾った種を調べたらトレントが産まれる事が分かり拠点の隣にトレントが逃げ出さない様に壁で囲った領域を作り、そこにトレントの種を頬って置いたら物凄い増えたので定期的にエルフの皆様が修業を兼ねて討伐しているのだ。

討伐されたトレントは拠点で木材として使われていたのだが、需要より供給の方が多いため俺の家の近くに木材置き場を作って保存されていた。

今回はそれを放出したのだ。建設業者の方は木材がトレントと知りこの様な建設で使うものではないと言っていたが普段気軽に使えないトレント材を大量に使える事で顔がにやけていた。


建設する施設の設計図も俺が前世のアーカイブから拾ってきたので一から設計することも無く細部も詳細に書かれているため即座に建設が開始されたのだ。


建設が開始されてから3ヵ月後、お好み焼き屋をするお店部分はまだ作っている途中だが、住居部分は完成していたため発注していた家具を運び込んで設置していった。

お店を担当する奴隷たちのメンバーの修業も一段落したため住居部分へ引っ越しを開始した。


俺とエリナさんは朝早くからスラムへと来ている。スラムに住む子供たちと会いにきたのだ。


「シュンさん!やっと子供たちが住める場所が歓声しましたね!」


「ええ、建設業者の皆さんが頑張ってくれたおかげですね。まだ建設している箇所はありますが人が住む場所を優先して貰いましたから。」


「はい。あの子たちも喜んで貰えると良いんですが。」


エリナさんと雑談をしながら歩いていると前方に見覚えのある女の子が歩いていた。


「あ、ニーナちゃん!」


エリナさんはあの子の名前を知っていたらしく、ニーナちゃんと呼んで小走りで近寄って行った。


「エリナおねえさん、おはよう!朝早くからどうしたの?」


「うん。今日はね、ニーナちゃん達にお話があってきたんだ。」


「おはなし?」


「うん。他の子供たちにもお話があるので呼んでもらえるかな?」


「うん、わかった!ちょっとまっててね!」


ニーナちゃんはエリナさんに返事をしてからダッシュで走り去った。

俺とエリナさんは待っててと言われたので、その場で何をするでもなくボーっと立って待っているとドタバタと20人ばかりの子供たちが走ってやってきた。


「おねえちゃん、みんな連れてきたよー!」

「エリナお姉ちゃん、おはようございます!ニーナに呼ばれたけど何か御用ですか?」


このスラムで一番しっかり受け答えが出来るレミナちゃんが代表して声をかけてきた。


「皆さん、おはようございます。今日は皆に住む場所と仕事を紹介するために来ました。」


「住む場所?」「え?仕事くれるの?」


エリナさんが住む場所と仕事を紹介すると話始めると子供たちはザワザワと騒ぎ出す。


「エリナお姉ちゃん、お仕事紹介してくれるって本当ですか?」


「はい。本当ですよ。こちらに居るシュンさんがお店を作っていますが皆さんに住み込みで働けるようにしてくれてます。」


「ほんとう!」「兄ちゃん本当かい?」


俺は子供たちに詰め寄られてアタフタしているとエリナさんが笑顔で手助けしてくれた。

子供たちから解放された俺は施設の説明と子供たちに求める事を説明した。

子供たちには午前中は勉強をしてもらい、午後からお店の手伝いをして欲しい事を伝えた。


俺からの説明を聞いた子供たちは歓声を上げて各々お礼の言葉を発した。

エリナさんはその光景に目を潤ませながらもこれから引っ越しなど行う事を子供たちに説明すると子供たちは我先にと少ないながらも自分の荷物を取りに行った。


子供たちを待つこと10分。子供たちは笑顔満面で厳しい生活での中でも大切にしていた荷物を持って集まってきた。

全員が集まったかレミナちゃんに確認すると「集まりました!」と元気よく返事が返ってきたので施設へと向かって歩き始めた。


子供たちと共に歩いて施設へと到着すると子供たちはぽかーんと口を開けて止まってしまった。

エリナさんはそんな子供たちに満足そうに笑顔になりながらも子供たちが住む場所まで案内し始めた。


居住区エリアに到着するとお店担当の10人が待っていた。


「おはようございます。これから皆で一緒にお店を盛り立てて行きましょう。調理担当で本施設代表のハクシです。宜しくお願いします。」


ハクシさんからの挨拶に子供たちは緊張しながらも元気よく「よろしくお願いします!」と返事を返した。


「さぁさぁ、まずは子供たちは自分たちの部屋へ案内するので荷物を置いたらお風呂に入りましょう。ここは食品を扱う場所なので常に清潔にしないとね。さぁついておいで」


女将然としたキクハさんが子供たちを2階の住居フロアへと案内して行く。子供たちの部屋割りは男の子と女の子に分かれるが、一部屋に4人住めるようにしてあるため初めての場所でも寂しくない様にしておいた。

もう少し慣れたら二人部屋、個室へと変えて行こうと思っている。4人部屋にしているが20畳位の広さにしてあるので二段ベッドを2台と机・椅子・棚などが置いてあっても十分な広さなのだ。


子供たちは自分たちの部屋に驚きながらもハクシさんからの指示のもと、レミナちゃんが部屋割りを率先して行っていった。

部屋へ荷物を置いた子供たちはハクシさんの案内の一階にあるお風呂場へと行き使用方法の説明を受けた。

一応男湯と女湯に分けておいたので、親睦を兼ねてお店担当の大人たちと子供たちが男湯と女湯に分かれて入って行った。


俺とエリナさんも折角なので一緒に入って行くと子供たちは初めてのお風呂に楽しそうに笑っていた。

この施設の完成に合わせて俺は石鹸の改良と、シャンプーとリンスを開発していた。

まだまだ納得のいく品質ではなかったが材料の関係でこれ以上品質を高める事が出来ないのが判明したため今の品質のまま使って貰うべく設置したのだった。


子供たちの髪や体をシャンプーや石鹸で洗うと物凄い汚れが取れるのがわかる。

だって、泡が黒いんだもん。しっかりと汚れを落とす必要があるため2回、3回と洗うことになったのだ。

子供たちは何度も洗われる事を嫌がったが、これからここに住むためには必要と説得されて渋々現れていた。


頭や体を洗い終わると暖かいお湯に浸かりほわぁ~と顔が緩む。今世では貴族しかお風呂に入らないと聞いているため子供たちは初めての体験であまりにも気持ちよく朝早かったこともあり半数が眠ろうとしていた。


お風呂で寝るのは危険なためヨロクさんやスパウさん達が急いで風呂から上がり子供たちの体を拭いている。

子供たちには新しい服を準備しており、着替えを手伝い完了した子から食堂へと案内していく。


食堂ではブロンさん、ネルギエさん、チェシャさん、キンキスさんが料理を作って待っていた。

先に食堂に到着した子供たちは美味しそうな匂いにやられてお腹からキュ~と可愛らしい音を鳴らしていた。

女性のお風呂は長いと言うが、今世でも同じらしく男のメンバーは食堂で長い時間待たされてしまった。


小さい男の子が限界に達する寸前に女の子たちが食堂に入ってきた。

全員が揃ったので朝食が配膳され食事前の祈りをしたのち皆で腹いっぱい食べた。

こんなにもお腹いっぱい食べることが今まで無かったため子供たちの何人かは泣きながら食べていた。

その姿を見た大人たちはもらい泣きをしながら「いっぱい食べるんだぞ!」と声をかけていた。


ヨロクさんは顔は怖いが人情に厚く、子供たちに人一倍感情移入しており一緒になって泣いていた。

俺はその光景がとても眩しく感じ自然と笑顔になっていた。(らしい)


この後は各メンバーの自己紹介を行い、この施設の詳細な説明を行った。

これから子供たちはここで住みながら働いて行くため早急に慣れて行ってもらわなければいけない。

俺もエリナさんも今日一日一緒に施設を案内して楽しく過ごした。



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