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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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ルーン文字

慰労会が終わった日の夜、俺は地球と相談していた。


「どうしようか。師匠が残した魔導書読んだけど一切覚えてないんだけど。もし覚えてたとしてもディネステーナさんが知っている魔法となんら変わりはないよね?」


【そうだね。ディネステーナの方がシュンが知らない魔法まで知ってると思う。】


「そ~だよね。ディネステーナさん達が魔力操作が出来なかったのは口伝で誤って伝わったのと魔導書に書いてあるのが呪文がベースになってるからだと思うんだよ。」


【そうかも知れないけど魔力操作が出来る様になってもこの世界では魔力を現象に変換させることはイメージ力が育ってないから魔法として発動させることが出来なかったと思うよ。】


「う~ん。ディネステーナさんに魔法を教えるのはディネステーナさんが休みの日だけなので、まだ猶予があるんだけどこのままだと何も考えつかずに日だけが過ぎてしまいそうなんだよね~。なんか案でもない?」


【う~ん、そうだね。前世で異世界に行ったらと想像していた人は多いからその人達が「こんな時は~」って考えている案を覗いてみる?】


「おぉ~!それは良いね。何かしら良い案があるかもしれない!では、さっそく覗いて見るよ。(プライバシー侵害してごめんね!)」


地球と相談した結果、瞑想しながら前世の出来事を覗いてみた。

案としては銃を作って弾丸に属性の魔力を込めて撃つや、魔法名だけで発動させるのを見せるなどがあった。

しかし、銃は危険過ぎるので作る気は無い。この世界は人同士の戦争が結構頻繁に起こっているらしいからトリガーだけ引けば人を殺せる過剰兵器になるのでありえないと思っている。

魔法名だけで魔法を見せるのは今の魔法と同じく数年すると間違って伝わる事になるだろう。


う~ん。結構皆考える事は一緒で似たり寄ったりだった。

中々良い案が見つからず段々と眠気が強まってきた頃、石川県に住んでいる伊〇さんが自分が好きな漫画を描いて異世界に広めたいと考えていた。

お!これ案としてはいいな。でも、これだけだとあの恥ずかしい呪文を唱えないといけない。前世の知識があるからなんだろうけど中二病に感じてしまい赤面してしまうだろう。

他に何かないかな~。他の案を探す事2時間、何か一生懸命手で何かを書きながら叫んでいる男がいた。東京都に住む27歳の男性で藤〇さん。何だろうと思ってよく見ていると漢字を書いて「ファイアーボール!」とか言って一人芝居をしていた。

おっおう。見てはいけない物を見てしまったようだ。でも、文字を書いて現象に変換させるっていうのは良い案かもしれない。

たぶん、藤〇さんは仕事のストレスを発散させるための一つなんだろうけど、誰にも見られていないと思ってるんだろうがごめんね。

でも知って欲しい事がある(伝わらないけど)。隣に住む女性には藤〇さんの声が聞こえているよ!次の日の朝、出かける時間が一緒になった時に女性と会って女性が恥ずかしそうにしているのは君に好意があるわけではなくて、君の奇行を知ってるから赤面しているんだよ!


藤〇さんがどうなるか興味はあるけど、あまりプライバシーを侵害するのも問題だろうから未来から君の成功を祈ってる!頑張れ!



伊〇さんの案と尊い犠牲となった藤〇さんの案を使い新しく魔法として広めようと地球と相談した。


「・・・どうかな?この方法は?錬金術の魔法陣を分析した時の経験を使えば何かしら出来ると思うんだけど。地球の協力が必要だけど。」


【うん。良いと思うよ。藤〇くんはその後悲しみに暮れたけどね。】


「地球さん。それ以上は・・・」


【ごめんごめん。で、シュンが広めるのは魔法なの?】


「う~ん。魔法の一種なんだろうけど何かしら別名にした方がいいかな?」


【そうだね。シュンが見た時代よりもっと前にルーン文字という文字を使った魔法というのを考えた子がいたんだけど、それに倣ってルーン文字魔法とする?】


「ルーン文字魔法か、それでいいね。地球が分析してくれた文字と火など現象を一文字で現わせられる漢字を合わせて作ってみようか。」


俺と地球はその日から藤〇さんの真似をして何度も何度もトライ&エラーを繰り返しルーン文字を作り出した。

新しく作り出したルーン文字はこんな感じだ。


魔力の使用料を表す「大」「中」「小」


現象を表す「火」「水」「土」「風」「雷」「氷」「光」「闇」


形を表す「矢」「弾」「槍」


とりあえずこれだけを作り出せた。


このルーン文字と魔力操作の説明を絵と文字で現わす漫画として残すため羊皮紙で作成しようとしたが、地球から石板で作る方が後世に残りやすいと思うと言われたため石材を扱っているお店で石板を何枚か購入してきた。


いざ漫画を書いてみたが俺は壊滅的に絵の才能がなかった。俺の絵だと意味を理解することが出来ないと思われた。

さてどうするかな~。と思い悩んでいると地球から解決策が提示された。


【ねぇ、シュン。鰹節を作るゴーレムみたいに前世の技術を持った人の知識をゴーレムに移植して書いて貰えばいいんじゃない?】


「それだ!じゃあ、さっそくゴーレムを作ってダウンロードするよ。折角なのでダウンロードする人はこの案をくれた伊〇さんにしよう。」


拠点に戻ってゴーレムを作るが通常のゴーレムより腕を長くして漫画を描きやすくするようにした。

そして、石川県に住む伊〇さんが最も画力が高かった時を探し出してゴーレムにダウンロードした。

ゴーレムに一度漫画を描いて貰ったが素晴らしく分かりやすく受け入れやすい絵で描かれた。その漫画はアロン君が気に入ったので何時も樽作りで死にそうになってるのでプレゼントしておいた。

続きを読みたそうにしていたが、まずはルーン文字の石板を作る必要があったためアロン君には我慢してもらった。

漫画ゴーレムに石板の上に魔力操作とルーン文字の漫画を描いて貰い、納得がいく物が出来たので刃物で石板を削っていきディネステーナさんに教える教材を作り上げた。


準備が終わった2日後、ディネステーナさんが仕事が休みのため魔法を習いにやってきた。

俺はしっかりと準備した石板を持って庭に出るとババーーンと効果音が出る感じでディネステーナさんに公開すると頭の上に「???」が浮かんでいるのが見えた。


さすがにイキナリ漫画は難易度が高かったのかよく分かっていないようだが、ひとつひとつ説明をしていくと絵と文字で物凄く分かりやすかったらしく内容をある程度理解したら一番重要な魔力操作の練習に入った。

俺はディネステーナさんが体内の魔力を操作しているのを見ているとまだまだ魔力を操るのがぎこちない。

魔力操作は日々訓練をしていくしかないが、ハッキリ言うと俺よりエリナさんの方が魔力操作がうまい。

実は俺は魔力が多すぎるせいで体内にある魔力を操作しようとすると粘度の高い水の中にピンボールをグポグポ通している感じになってしまうのだ。

それでもエリナさん以外には負けないし、長年の錬金術で鍛えた繊細な魔力操作を伝授すべくビシビシと鍛えて行くとディネステーナさんは物凄くセンスが良かった。

初日だけで移動スピードが遅いながらも魔力を全身に回すことが出来る様になった。


ディネステーナさんの魔法訓練の様子をみたうちの戦闘メンバーたちも魔法を覚えたいと直訴してきたため許可を出した。

折角なので皆が見る事が出来る様に庭に土壁を作り出してせっせと石板を設置した。


設置が完了すると戦闘メンバーだけでなく、ブロンさんや、ネルギエさん、チェシャさん、キンキスさんなど鍛えるだけ鍛えて戦闘とは無縁のメンバーも習いたいと頭を下げられた。

俺は快く許可し力作の漫画の感想を求めた所、各自言葉を濁しながらも褒めてくれた。解せぬ・・・。


そんな日々が続く中、ギルドから伝言がきた。伝言を持ってきたのはアリテシアさんで伝言を聞きたければパンケーキをと揺すってきた。

俺はネルギエさんにパンケーキをお願いしてアリテシアさんを談話室に案内し、ギルドからの伝言を聞くと辺境伯様からの呼び出しだった。

どうやら状況が落ち着いたらしいので褒賞などの相談に訪れて欲しいとの事だった。

ギルドから同行するのはルシティベルザさんで二日後の午後に訪問することになった。

あ~。ちょっと面倒くさいが何時かはやらないといけないので諦めるしかないか、目の前で仕事中なのに幸せそうにパンケーキを頬張ってるアリテシアさんを眺めながらそんな事を考えていたのであった。

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