報酬
スタンビードを鎮圧してから10日後、ギルドに行くと今回の報酬について報告があるとの事で別室へと案内された。
別室で待っていると副ギルドマスターのルシティベルザさんと受付嬢のスレインさんが入ってきた。
「お待たせしました。シュンさん達が達成されている依頼の報酬と今回のスタンビードに対する報酬について報告致します。」
「はい。お願いします。」
「シュンさんのパーティは、キュリテ村の新種の討伐、ジャインビーの蜂蜜採取、スタンビード発生時の緊急ポーション作成依頼、スタンビードの魔物討伐が対象です。
キュリテ村の新種を調査した結果、新種ではありませんでした。あの魔物はワンダーベア、ストーンオオトカゲ、土蜘蛛の3体が混ぜ合わさったもので、体のそれぞれがくっ付いた生物だったようです。ただ、どのようにして生まれたのか。何故あの状態で生きていたのかは不明となっております。キメラの一種と考えられているようです。
そのキメラの討伐として銀貨30枚が報酬として支払われます。
次にジャインビーの蜂蜜は、王家と辺境伯様にそれぞれ買い取って頂きましたが、王家からは金貨1000枚が褒賞として支払われております。辺境伯様はこの度のスタンビードで財政を圧迫しており、会う約束をしているのでその時に相談させて欲しいと伝えられております。我々ギルドとしてもギルド員のシュンさんが適正な報酬を受け取れるようにその場に参加させて頂くことで合意させて頂きました。
辺境伯様との会合はギルド経由となりますのでご了承ください。
緊急ポーション作成依頼は、申し訳ございませんが品質確認を行えるほど余裕がありませんでしたので全てを通常品質して買い取りさせて頂く計算としました。納品されたのが通常ポーション529本です。一本30銅貨として、金貨1枚、銀貨58枚、銅貨70枚ですが、ギルドがお渡しした材料を差し引いて金貨1枚、銀貨21枚、銅貨39枚が支払われます。
最後に、魔物討伐ですが緊急依頼に参加した兵士・ギルド員達での按分のため、一人銀貨50枚となります。
シュンさん達パーティはミノタウロスやデスバードなど高ランクの魔物を討伐頂いたのにこの様な低い金額となり申し訳ございません。
全ての金額を合わせまして。金貨1005枚、銀貨21枚、銅貨39枚となります。」
スレインさんはスラスラっと依頼の報酬について一度も噛まずに報告を終えた事でやり切った表情をしていた。
う~ん。今回の報酬の殆どがジャインビーの蜂蜜じゃんと思いながらも金貨が1000枚を超えている事にビックリしていた。
しかも辺境伯様からのジャインビーの蜂蜜の支払いが無い状態でだ。
ちょ~金持ちじゃん?エリナさんと話してからになるが、ポーション作成の報酬はシュテーナちゃんとルールチェちゃんにそれぞれ金貨1枚ずつ渡すことにして、魔物討伐に参加したギルデイさん達にも金貨1枚ずつ渡すようにするか。
あと館を守って貰ってたブロンさん達にも何かしら理由を付けて報酬を渡すようにしよう。ストレスを貯めているかもしれないしね!
スレインさんの報告を聞き終わってそんな事を考えていると副ギルドマスターのルシティベルザさんが話しかけてきた。
「シュンさん、報酬の報告は以上ですが何かありますか?」
「いえいえ。何も問題ありません。蜂蜜の件ではお手数をお掛けした様で恐縮してます。」
「いえ、王家の方も大変喜んでいたそうでギルドに特別報酬が出ておりまして、こちらこそシュンさんに頭が上がりません。またスレインから報告があった通り、辺境伯様と会われるときにギルド職員が同席させて頂きます。辺境伯様はこの度のスタンビードの後始末と発生原因となった北西のダンジョンに調査隊を出すために忙しくされてます。落ち着きましたらギルドに連絡が入ります。ギルドからシュンさん宅へ連絡致しますのでご承知ください。」
「了解しました。ギルドで依頼を受けていなければ家にいると思います。」
「分かりました。では、今お話しした依頼報酬金をお支払いいたしますので少々お待ち下さい。」
ルシティベルザさんがそう言うとスレインさんが部屋から出て行った。
ルシティベルザさんは「ふ~」と一息つくとこちらに顔を向けて話始めた。
「いや~、すみません。今回の様に報酬金額が多かったことが無かったためとても緊張致しました。しかし、皆さま方のご活躍で我が領のギルドも評判が良く有難い事です。」
「いえいえ、何となく流れに任せて依頼を受けてただけですので運が良かっただけですよ。」
ルシティベルザさんはすっかり気が抜けたようで他愛も無い雑談を始めた。俺とエリナさんもルシティベルザさんと雑談しながら待っていると台座を持ったスレインさんとユミレさんが入ってきた。
「大変お待たせしました。報酬金、金貨1005枚、銀貨21枚、銅貨39枚です。ご確認下さい。」
おおぅ。なんて神々しいんだろう。金貨が1000枚超えるとおっそろしく光り輝いているな。
貨幣は10枚単位で積み上げられているため数えるのもあっさりと完了したので、じゃらじゃらと子袋に詰めて持ってみたんだが重くてちょっとフラフラしてしまった。
ルシティベルザさん達がいるためアイテムボックスに仕舞う事も出来ないため肩掛けカバンの中に入れた。
ギルドでやることが終わったのでお暇しようとした所、スレインさんとユミレさんから待ったの声が掛かった。
何だろうと思っているとスレインさんとユミレさんはルシティベルザさんを仕事に戻す様に言った後、今回の慰労会を何時やるかスケジュールを合わせましょうという話だった。
俺たちは何時でも良かったので合わせますよと言うとユミレさんが部屋からでて走り出した。
どうやらアリテシアさんの予定を聞きに行ったようだ。スレインさんとエリナさんが話をしているとフッと思い出したかのようにエリナさんが俺の方を向いてこの間の城壁上での戦いで仲良くなった人を呼んで良いか聞いてきたので「はい。問題ありませんよ。」と答えたら素敵な笑顔で「ありがとうございます。」と言いスレインさんと再度話始めた。
少ししたらユミレさんが戻ってきたので、全員の予定が合うのが3日後との事だったので3日後に慰労会が開催されることになった。
俺たちはギルドを出るとエリナさんが仲良くなった魔術師の人に予定を確認してきますと言い、城壁の方へと向かっていった。
俺はそのまま館に戻るにも微妙な時間だったため屋台がやっている広場へと向かった。
屋台でフラフラと色々な料理をみていると肉を焼いたものや野菜を使ったスープなどが殆どでレパートリーが少ないんだなと串焼きを食べながら考えていた。
屋台の光景をみていると前世での夜店を思い出し、粉物がないんだなと気づいたら物凄くお好み焼きまたはタコヤキが食べたくなってしまった。
今から直ぐに帰って作ろうと思ったが、ソースが存在しない事に気づいてしまい愕然と膝をついてしまった。
粉物を思い出した事で食べたい気持ちが物凄い勢いで膨れ上がっており居ても立ってもいられず食料品店へと駆け出した。
2件3件と食料品店へ行くが調味料のソース自体が存在しなかった。
たぶん、この世界ではまだソースが出来ていないんだと考え即座に地球へとリンクを繋げた。
ソースの歴史へとダイブしたのだ。
ソースの歴史を確認した後、ソースを作るための素材を集めようとするが同じ素材が存在しなかった。
そのため似たような素材を色々と集めて行き独自のソースを作るべく急いで館に戻りネルギエさんと共に研究を開始した。
出来るならば3日後の慰労会で絶品のお好み焼きを披露すべく錬金術も駆使してソース作りに没頭した。
ネルギエさんは何をしているのか分かっていない様だったが何種類かソースらしきものが出来るとその味に深い感銘を受けていた。
ソースの味を理解するとネルギエオリジナルのソースを作ろうと二人して色々と話し合いながら工夫していった。
何とソース作りの為に嵌った二人は慰労会の準備を他のメンバーに任せて徹夜しながらソースを完成させるべく頑張り2徹したころ納得がいくソースが完成した。
何とか慰労会にはソースが間に合ったのであった。




