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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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スタンピード 3

魔物が領都に到着したとの報告があり、今ギルドから届いた分のポーションを急いで作るため全員で頑張って作っているがまだ余っている素材が多いため現場に行くのはもう少し後になりそうだった。

俺も一個一個丁寧に作っていたがさらに素材が届いたため少し品質が落ちる可能性があるが10個を並列で作ることにした。

一個一個作るより多少時間が伸びるが全体的に3倍近いスピードで作る事ができる。


「シュンさん、10個同時に作られているんですか?」


エリナさんが少し驚いた顔をして聞いてきた。


「ええ。少しだけ品質が下がる可能性がありますが、魔物が領都に着いたとの事なので少しスピードアップをと思いまして。私たちがここでポーションを作っているとギルデイさん達が私たちの護衛任務になるため領都を守る手が減ってしまいますから。」


「そうですね。空を飛ぶ魔物もいるって聞きましたから私も戦力になれそうですのでポーション作り頑張って終わらせますね。」


エリナさんはフンス!とカワイイ気合を入れてポーション作りを再開した。

それを見ていたシュテーナちゃんとルールチェちゃんもフンス!と気合を入れていた。少し微笑ましい光景にホンワカしながらポーションを作り続けた。


お昼を過ぎて暫くたったころラムさんが急いで戻ってきて前線の状況が報告された。

前線が膠着状態になりながらもしっかりと戦線が維持されていたが魔物の後続部隊が現れたらしい。

後続部隊にはデスバードとミノタウロスがおり、疲れ切った兵たちでは後続部隊が戦線に合流すると敗北の可能性が高いようだ。

そのため戦線を下げて城壁での防衛線に切り替える様に動いている所で報告に戻ってきたらしい。


城壁上からであれば上空の魔物に暫くは集中できるため戦線の維持はできるだろう。

辺境伯様も他の城門には魔物が来ていない事が確認され次第、北門の方へ戦力を集める様に動くという話が聞こえてきたとの噂も拾ったらしい。


上空の魔物には遠隔攻撃でしか攻撃出来ないので弓兵と魔導士たちが多めの増援になるだろうが、デスバードは移動速度が早いので増援が間に合うのか微妙な所らしい。


俺たちも急いで合流した方が良いのだろうが、前線も傷ついた兵士たちが多いらしくポーションも結構な勢いで消費されているらしくギルドからポーションを受け取りに来るようになっている。


増援の報告があってから2時間程経った頃、最後のポーションが作り終わったのでエリナさんとギルデイさん達戦闘メンバーと共にギルドへと持って行く事にした。

館を守って貰うブロンさん、ネルギエさん、チェシャさん、キンキスさんに緊急の場合は周りの人たちに声をかけて拠点の方へと避難するように指示してからギルドに向かいギルドに入ると受付にアリテシアさんがおりポーションを納品すると共に話をすると前線が厳しい状況になっていると教えてくれた。


アリテシアさんに俺たちも前線に行くことを伝えるとランクが低い俺たちが前線に行くことは推奨されていないが、蟲の谷で蜂蜜を採取してきた実力を買われて副ギルドマスターが許可してくれた。


俺たちは北門に向かって走っていると門の方から火の玉や氷の矢なのかな?が空に向かって飛んでいるのが見えてきた。

う~ん?あれって魔法なのか?そう言えば、俺って人が使う魔法って初めて見た気がする。

あの魔法はギルド員たちが放っているのかな?まさか領都の魔導士部隊ではないよね?そう思って話ながら門から放たれている魔法の事を戦闘メンバーに聞いてみた所あれは魔導士部隊が放っている魔法です。と回答が返ってきた。

おおぅ。領都の兵としては練習不足ではないのかな?


そんな事を考えながら走っていると前線を偵察していたレイソンさんが合流してきた。それと同時に城門の方からドゴンッ!ドゴンッ!と大きな音が聞こえてきた。

数度音が響き渡るとドゴォォォォォンと轟音が聞こえてきた。城門を見ると扉が開いているように見え大きな体をした者が入ってきている様に見える。

あれがミノタウロスか?近くにいる兵士たちの倍位の大きさがあるな。あの体格に合う巨大な斧を持っているんだがあいつ等の武器って皆同じ様なの持ってるんだが何かしら規格でもあるのか?

人間の様に街みたいなのがあってミノタウロスの武器屋とかあるのかな?


ミノタウロスは城門に入り巨大な斧を振り回して兵士たちを攻撃していた。兵士たちはあの斧を恐れて槍などを突き刺しているように見えるが腰が引けてて全然刺さっているようにも見えない。

たぶん、ミノタウロス自身の防御力も高いのだろう。

城壁の上もデスバードに翻弄されているようだし、城門もミノタウロスにいい様にやられている危険な状況だな。

城門からゴブリン達も顔を覗かせているから突撃されると被害が大きくなるな。


俺は状況を確認すると一緒に走っている皆に指示をだす。


「城門の状況が大分悪そうですね。エリナさんとウィルシアさん、メフィアさん、ラムさんはこのまま城壁へと上がってデスバードを優先的に倒して下さい。ギルデイさん、バルザックさん、レイソンさんは俺と共に城門へ行きミノタウロスを翻弄しながらゴブリン達が城門に入らない様に食い止めます。」


「「「はい!」」」


走るスピードを上げながらアイテムボックスから槍を取り出し、ミノタウロスへ向けて槍投げの要領で投げつけた。


□■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ 


「ぐうぅぅぅぅぅぅぅ。城門を死守するんだ!魔物が入ってきたら食い止められないぞ!」


私は叫びながら城門を守る兵士たちと共に扉を押さえつけていた。

門の外ではミノタウロスが突進をしているのだろう。物凄い衝撃が定期的に伝わってくる。

兵士全員で門を押さえているが伝わってくる衝撃が強くなってきている。このままでは城門が破られてしまう。


定期的に伝わってきた衝撃が止まり皆が疑問に思って気を抜いていたわけではないが次の瞬間これまで以上の衝撃が伝わってきた。

門を抑えていた兵数名が吹き飛ばされてしまった。城門が開きミノタウロスが体を割り込ませてきた。


私たちはミノタウロスの巨大さに恐れを抱くが城内に入れるわけにはいかないため残っている全員で扉を押し込むが力負けしているのが分かってしまった。

絶望的な状況に兵士たちが震えているのが伝わってくるようだ。力負けしているのが分かるように徐々に城門の開きが大きくなり始めている。私も力いっぱい抑えているがとうとうミノタウロスが入ってきてしまった。


私は入ってきたミノタウロスを見上げていた私たちの倍以上大きく、その巨体にあう大きな斧を持っていた。

ミノタウロスは入ってきて私たちが目障りなのだろう。巨大な斧を大きく振り回した。


「「「ぎゃああああ」」」


ミノタウロスの近くにいた兵士たちが斧に当たって吹き飛ばされていた。


「慌てるな!全員槍を持って構えるんだ!あの斧が振られた後の隙をつき槍で攻撃するんだ!」


私の指示のもと何名かの兵士が槍を構えて隙を伺うとミノタウロスは再度斧を振り回した。

斧が振り着られるのを見た私は「いまだ!」と声を上げて私も槍を力いっぱい突き刺した。


ガキン!


ぐっ、何て硬さだ・・・。槍の先がほんの少し刺さったぐらいだろうか?これ以上突き刺さらないのだ。


私はこの状況に希望を見いだせずに背筋に冷たい汗が流れるのを感じていた。そのほんの少し数秒にも満たない僅かな時間意識が逸れた事に気づいた時、自分の目の前に腰を抜かした兵士目掛けてミノタウロスが斧を振り下ろそうとしているのに気づいた。


「う、、、うわあああああぁっぁぁぁっぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁあ!」


腰を抜かした兵士は自分に攻撃が向けられているのに気づいており叫び声を上げた。

私はその兵士を助けようと、その男の腕を掴み引っ張ろうとするがミノタウロスが斧を振り下ろす方が早いと理解してしまった。

あぁ。私はこの男と共にあの斧に潰されて死ぬのだなと考え、走馬灯の様に今までの出来事が思い浮かぶ。


ドゴォォォォォン!


そういえば小さいころ目の前に岩が落ちてきて、こんな音を聞いたな~。あの時はギリギリ当たらなくて運が良かったな。。。


・・・ん?まだ斧が来ないぞ?俺が掴んでいる男がアワアワしている。

私は男が見ている所を見ようと頭を上げてみると斧を振り上げたミノタウロスが徐々に後ろに倒れて行っているところだった。

な、なにが起こったんだ?


ドオオオオオン!


私は立ち上がって倒れたミノタウロスを見ると胸のあたりから血が流れ落ちるのが見えた。

私はフラフラとミノタウロスの上に登り血が流れている所をみたらポッカリと穴が開いていたのだった。

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