表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
63/116

蜂蜜採取

カルーゼ達がジャインビーと戦った次の日、3人がジャインビーの巣から少し離れた場所で俺の採取の様子を見学している。

俺は蜂蜜採取で体が途中で固まってしまわないように入念に準備運動をしていた。


蜂は煙を吸うと気絶するのだが、ジャインビーは動きが速いし煙態勢があるのか気絶しない。

その為、約1万匹のジャインビーを何とかしないと蜂蜜採取ができないのだ。


準備が整うとゆっくりとジャインビーの巣へ近づいていく。俺を発見したジャインビーが威嚇する様に羽音と歯をガチガチ鳴らしながらやってきた。

やってきたのは5匹で俺からある程度離れた位置を滞空している。俺が隙を見せるのを待っているのだろう。

俺は気にせずに巣へと近づいていくと後ろに回ったジャインビーが針で刺そうと急降下してきた。俺は体を捻り最小限の動きで躱すとジャインビーの首のあたりを裏拳で殴りつけた。

殴られたジャインビーは吹き飛んで行き壁にぶつかり動かなくなる。多分死んでいないと思うけど死んでたらごめんなさい。

大体3割位は殺すことになると思うので先に運が悪いジャインビーに心の中で謝っておいた。


ジャインビーが一体倒されると残り4匹のジャインビーが4方から襲い掛かってきた。前方から来たジャインビーに向かってジャンプキックをし、それを踏み台として左後ろ右の順にキックしていく。

俺に蹴られたジャインビーがそれぞれの方向に飛んでいき壁にぶつかっていった。その音を聞いたジャインビーが巣から何千匹と飛び出してきた。

俺はさっきの要領で飛び蹴りをしながらジャインビーを踏み台とする空中戦を繰り返す。この空中戦ではジャインビーの配置などを即座に判断して次の獲物に向かって飛ぶ方向を謝ると落下してしまう危険があるのだ。


この空中戦法はジャインビーに対して有効な攻撃手段なんだけど如何せん物凄く集中する必要があるため精神的に疲れてくる。ジャインビーを出来る限り一発で倒すように蹴りを食らわせているが、たまに一発で倒せなかった奴がいるので羽音を響かせて戻ってくるのが鬱陶しい。


ただこいつら知力が低いのか学習することがない。そのため攻撃手段が噛みつきか針で刺す以外無いので気を付けるポイントが絞れるのが良いのだ。

5年位通えばカルーゼ達でも出来ると思う。ただ途中で死ぬ可能性が高いからやらせないけど。


あ、考え事をしながらやってたら少し失敗した。蹴りを躱されたため一度地面に落ちてしまった。その時に俺の蹴りで地面に落ちていたジャインビーを踏んづけてしまったのはご愛敬だ。


空中にいるジャインビーが警戒して攻撃してこない間に死んでしまったジャインビーをアイテムボックスに仕舞っていく。

気絶しているだけだとアイテムボックスに入らないので判別が不要なのが楽である。


俺はアイテムボックスから棍棒を取り出してクルクルと振り回して構える。

俺の動きが止まったのでジャインビーは急降下して攻撃を開始した。何匹も何匹も上空から針を向けて降りてくる様は初めての時は恐ろしい光景だったが一直線に落ちてくるだけなので棍棒でガンガン弾くだけの簡単なお仕事になってしまうのだ。

棍棒は円の動きで振り回すことで隙を極限まで減らすことが出来るためこういった場合に有効な武器である。

剣の場合は切るという行動になるので直線的な攻撃になる。こういう多数の攻撃を捌くのには向いていない。

状況に応じで武器を変えれるのが俺の強みであるんだな。


ドンドン倒しているはずなんだが空を見上げると数が減っている雰囲気がない。まあ一万匹以上はいる予定なので頑張って倒すしかないんだけどね・・・。


そんな事を繰り返しながら5時間程経過するとやっとジャインビーが疎らになってきた。俺は剣を取り出して崖を蹴りながら巣に近づき駆け上がる。

ジャインビーたちは巣が危険に晒されていることを感じ取っているのか俺に向かって突撃してくるが俺は躱しながら巣の上まで駆け上がりジャインビーの巣を三分の一位残すつもりで切り裂いて行く。俺が地面に降り立つと切り取られた巣がゆっくりと落ちて来るのでアイテムボックスに仕舞い込んだ。


俺は剣を仕舞うと速攻でその場を離れて逃げ出す。カルーゼ達とは違う方向へ走っていくとジャインビーたちは俺を追ってくる。しかし逃げ道は確認しているので崖の裂け目に入って行き追撃をかわしていった。

カルーゼ達は俺が巣を仕舞うのを見ると洞窟に向かって戻り始めた。


俺は遠回りをして走り回った後で洞窟に戻るとカルーゼ達は戻っており、何故あんな事ができるんだと呆れた口調で問い詰められてしまった。

俺は5年位頑張れば出来る様になるよ。と言うと本当に呆れられてしまった。俺は正直に答えたのに・・・解せぬ。


とりあえず目的の物は手に入れたのでカルーゼ達にどうしようかと相談するともう少し修業がしたいとの事だったのでそれから10日間ほど修業に付き合った。

3人とも気を抜くと死ぬ可能性がある戦闘を毎日経験しているため日に日に動きが洗練され、蟲の谷初日にであったダニであれば一人で殲滅出来るくらいに成長していた。


カルーゼやテイルさんがそれ位出来る様になったのは元々村で守護をやっていたので戦闘経験があるから理解できるが、エリナさんはそこまでの戦闘経験は無かったはずだ。

しかし、今現在エリナさんはカルーゼやテイルさんと同じ位の強さを保持している。

ハイエルフに進化したとは言え、この成長速度は異常ではないだろうか?もともと天分の才があったのだと思う。ハイエルフになり村が襲われた時などの戦闘で開花したのだと思われる。


もしかしたらエルフの村で一番強くなるのはエリナさんなのかもしれないな。


10日間の修業を終えると蟲の谷の洞窟に設置してある移動ドアを使って拠点まで戻った。一応この蟲の谷への移動ドアは拠点に設置したが安易に使って事故が発生すると困るのでゴーレムを設置して許可がない人は通さないように指示しておいた。


拠点に戻るとカルーゼ達は自分の家に戻って行った。俺とエリナさんは何日もお風呂に入っていないのですぐに入浴準備をして、それぞれ男風呂と女風呂に入ったのだった。


「あ゛~。生き返る~。」


やはり元日本人としてはお風呂に入るとテンションが上がってしまうな。約一月ぶり位の風呂だったので更にテンションが上がってしまった。

普段でも30分程は入っているのだが今日は1時間以上入っていたため、体がふやけてしまった。ちょっと長風呂しすぎたようだ。


さっぱりした俺は辺境伯領の館へ行き拠点に戻った事を伝えると拠点に戻るとエリナさんが夕飯の準備をしてくれていた。

久しぶりに二人だけの食事だと思ったらシェリアリアスがご相伴にあずかりにきた。

3人でゆっくりと夕飯を取ってから蟲の谷での出来事を話していると大量の蜂蜜がある事を思い出した。

シェリアリアスにジャインビーの蜂蜜が沢山あるがローラーンさんに必要か聞いておいてとお願いしたら速攻でローラーンさんがやってきた。


「シュンさん!またジャインビーの蜂蜜を手に入れられたのですか!そして妖精酒の材料としてご提供頂けると聞きました!本当でしょうか?!」


いつも冷静沈着なローラーンさんが超ハイテンションで話しかけてきて俺は少し引いてしまった。


「え、ええ。予定より多めに入手したので必要であれば「ええ。ええ。必要ですとも!」と思って。」


お、おう。俺の言葉に被せてくるほど素早い回答だった。

もう夜も遅いので明日にでもエルフの皆が必要な分を取ってからローラーンさん達に渡すと話をつけた。


話が一段落すると各自部屋に戻っていった。久しぶりの布団での睡眠だったからか布団に入ると一瞬で眠りに落ちたのだった。

寝て数秒立ったくらいの感覚だろうか?朝日と共にローラーンさんが突撃してきて起こされてしまった。

朝日が昇っている所を見ると5時間位は寝ていたのだろう。自分の感覚では数秒しか寝ていない感じだ。

本音を言えばもう少し寝させて欲しい所だがローラーンさんは妖精酒作りに命を懸けている素振りがあるからな。文句を言えないぜ。


「ふぁぁ。ローラーンさんおはようございます。」


「おはようございます。シュンさん。朝早くから申し訳ございません。ジャインビーの蜂蜜を思うと居ても立っても居られなくて押しかけてしまいました。」


「いえいえ、問題ありませんよ。ただ、まだエルフの皆さんは起きてないと思いますのでもう少ししてからお分けしますね。」


皆が集まってからジャインビーの巣を取り出すと歓声が上がり、エルフの皆さんに必要な分を分けても巣穴1個分で足りてしまった。

ギルドには巣穴3個分を渡すことにして、それ以外を全てローラーンさん達に渡すようにした所妖精たちのテンションが爆上げされた。


そんな中で樽を作る量が増えた事を理解したアロンくんだけテンションが爆下がりしていたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ