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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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蟲との初戦闘

拠点で数日過ごした時に蟲の谷へ行くことをカルーゼ達に話すと一緒に行くと言い出したので俺、エリナさん、カルーゼ、テイルの4人でゴーレム馬で蟲の谷に向かっている。


ゴーレム馬の速度だと5日後の昼過ぎには着く予定だが、よく考えれば俺だけで向かって蟲の谷に着いてから3人を移動ドアで連れていければ良かったのではないだろうか?

まあ、偶にはこんな旅も良いのかもしれない。あの時に見かけなかった動物たちを結構見かけるようになったんだが時期的な物でもあるんだろうか?

カルーゼとテイルが見かける動物たちに驚きの声を上げているので珍しいのだろう。俺たちを見つけた動物たちが追いかけてくるがゴーレム馬の方が早いので逃げ切れるんだが、カルーゼとテイルが追いかけられると慌てて速度を上げるので危険な魔物なのかもしれないな。

おおっと、焦りすぎて落ちそうになってるぞ。気を付けないと。


夜には移動ドアで拠点に帰ってゆっくり休み翌朝また移動を繰り返して蟲の谷に到着した。

蟲の谷は変わらない風景をしており、谷を覗き込むとブンブン蟲が飛んでいた。何故かはわからないが蟲達は攻撃されない限り谷の上には上がってこないと師匠から聞いているためそれを伝えた3人も谷の上から覗き込んでいた。


「いや、凄い数の蟲たちだな。こんなのが谷から上がってきたらひとたまりもないな。」


「幾ら錬金術の研究の為とはいえ、よくこんな所に住んでたもんだな。シュンの師匠は。」


まあ、そのおかげでこの世界の事を多少は知ることができたんだから俺としては有難かったんだけどね。

師匠も昔は数人の護衛と弟子がいたらしいんだが過酷な環境の為3ヵ月もしないうちに全員居なくなったと言っていたからな。それから俺と会うまで一人で採取と研究をしていたらしいから錬金術の鬼と呼ばれていたのも納得できる。


師匠との思い出を少し思い出して感傷に耽るもすぐに気を取り直して谷へと降りる場所に移動する。

一応師匠と過ごした場所まで蟲はそんなに居ないんだが全く居ないと言うわけではないと注意をして慎重に谷へと降りる。


エリナさん達3人は緊張した様子で歩いている。俺は先頭を歩きながら前方で微かに動き物体を発見した。

俺は手で3人に合図をして様子を見るとサッカーボール位の蟲が空高く飛び出した。


「おっ。よく見かけたダニだな。」


そう巨大なダニでこの通路でよく出る蟲だ。飛び出したダニに対してカルーゼとテイルが弓を構えて射掛けると2本の矢がダニに突き刺さった。


「ふ~。もっと何か起こるかと心配したがこいつは大したことなかったな。」


「う~ん。安心するのはまだ早いと思うよ?」


「なに?」


テイルが疑問を口にした時に周りからビュンビュンビュンと何十匹ものダニが飛び出した。


「おおおっ!」


カルーゼとテイルが驚きながらも弓を射掛け倒すも数匹俺たちの近くに飛び降りた。ダニはすぐに飛び出しカルーゼにぶつかると態勢を崩し倒れる。

身近に降り立った蟲に矢を射掛ける事も出来ずにナイフを手にして切り付けるも思った以上に速いために攻撃がかわされている。

俺以外の3人は焦りながらも蟲達の攻撃を躱してはナイフで攻撃を繰り出すを繰り返すもまた周りからダニたちが飛び出してくる。


「くっ!多すぎだ。やばいぞ。こいつら思ったより早いし連携しているわけでないだろうけど動きが連動しているようだ。」


3人は厳しい状況ながらも普段の訓練が実を結んでいるようで何とか切り抜けているが、攻撃を繰り出す回数が明らかに少なくなっている。

俺もダニたちの攻撃を躱しながら3人の様子をみていたがそろそろ限界だろう。蟲の谷の洗礼はこれまでと判断して俺も攻撃を開始した。


俺はダニをサッカーボールに見立てて蹴って遠くへ吹っ飛ばす。途中オーバーヘッドキックや小〇サッカーの様なアクロバティックな蹴りをして数を減らし、あと数匹になった時には調子に乗って「雷〇シュート!」や「カ〇ソ〇シュート!」など叫びながら蹴りまくっていた。


ダニを一掃すると息を弾ませた3人が座り込んだ。


「はぁはぁはぁ。数が多すぎだろ。これが蟲の谷か。。。」


「こんなのがいっぱいいるのか。さすが危険地帯だ。」


「シュンさん本当にこんな所に住んでいたのですか?」


「ここはまだ序の口ですよ。今回ジャインビーの蜂蜜を取りに行く場所はもっと危険で蟲も多いから。」


「「「え?」」」


俺の回答を聞いた3人はフリーズしてしまった。

エリナさんは少し行きたくなさそうな雰囲気をだしたが観念して着いてきた。

後に聞いたら蟲の形状に嫌悪感を感じたらしい。谷の上から見た時は蟲の背中部分しか見えなかったので何も感じなかったがダニが上空から突撃してきた時に見えた光景にぞわっとしたらしい。


戦闘するのが面倒くさかったので蟲が近くに寄ってくるのがわかると実を屈めて息を潜めながら蟲が過ぎるのを待ってから移動した。

その甲斐あり戦闘なく無事に師匠と過ごした洞窟に到着した。この洞窟の近くには蟲が嫌う花を植えてありさらに見つからないように誤認する魔法が掛けられている。


俺は洞窟に入ると師匠の墓の前に行き手を合わせて此処を出てからの事を報告する。


「こちらがシュンさんが過ごされた場所なのですね。そしてこちらがお師匠様のお墓ですか。」


俺の後に入ってきたエリナさんがそう言って師匠の墓にお祈りを始めた。それをみたカルーゼとテイルも墓の前で手を組みお祈りを捧げてくれた。

俺は3人に感謝して皆が休めるように住居として使っていた場所を整理した。

皆に移動ドアで戻って休むか確認したらこれも修業と言い出したため此処で休むことになった。

一応エリナさんは女性の為、移動ドアを設置して生理現象などは向こうで出来る様にしておいた。


保存食で昼食を取り一休み後、蟲との戦闘を経験するために近くの広場へと移動してガイオームとの戦闘をしてもらう。

ガイオームはダンゴムシの様な蟲で1メートルを超える大きさで外装が鉄よりも固い蟲である。

弓を主体とするエリナさん達には天敵となるかもしれない蟲だがスピードは谷では遅い部類に入るため蟲との戦闘に慣れるには良い相手だろう。


俺は3人に注意事項を伝えると3人は気を引き締めてガイオームに向かって行った。

3人はガイオームを囲むようにして矢を射掛けるもカンッカンッカンッと3矢とも弾かれた。俺から情報を聞いていたため3人は焦ることなく再度矢を構えてガイオームの隙間を狙う様に矢を射掛ける。

ガイオームは危機を感じたのか丸まりゴロゴロと転がりだした。段々と勢いがついて行きテイルに向かって突進を始めた。

テイルは慌てずにガイオームを出来るだけ引き付けてから躱した。

壁にぶつかりガイオームは体の向きを変えようと体を少し開いた隙に矢が2本突き刺さる。ガイオームの表面は鉄以上の硬度を持つが腹の部分は通常の蟲と同じ位の硬さしかないためエリナさんたちの矢も突き刺さる。

流石に2本の矢だけでは倒すことが出来ないが矢自体が刺さっているため丸まる事も出来ずに体を伸ばそうとするも矢が邪魔をして上手に地面に立つことができずにいた。

3人は止めを刺すため矢を撃ち各々3本目でガイオームは動かなくなった。


3人の連携が上手く嵌った感じであっさりと倒せた。ただ3人は驕ることなく暫くガイオームで蟲に慣れるように狩りを続けるらしい。

今日は蟲に慣れるために夕方までガイオームと戦闘をしていたが何度か危険な場面があった。

ガイオームが3体絡んだ時に俺も参戦するか悩んだがカルーゼと目が合うと顔を振り自分たちで切り抜けると覇気を見せた。

その後すぐに3匹全員がカルーゼに突撃して滅茶苦茶焦りながら逃げるカルーゼに締まらなさを感じてしまったのは内緒だ。


洞窟に戻り夕飯を作り皆で囲みながら食べている時に蟲との戦闘の感想を聞いたところ思った以上に必死だったという事だった。

カルーゼに至っては3匹の突撃が来た時に、「あ、これ死ぬかも?」と感じ、俺の参戦を断った報いがすぐに来たと思ったらしい。


初日から無理をしすぎたと反省していたので、明日からはもう少しゆっくりと慣れて行くようにすると言っていた。

ただ明日はジャインビーの巣を探しに行くため戦闘するならジャインビーと戦闘になることを伝えると「ちょっと早すぎない?」と突っ込まれてしまった。


ジャインビーはガイオーム程頑丈じゃないので当たれば何となると説得しておいたが明日は大丈夫だろうか?

俺も久しぶりなので少しだけ心配になりながら体を休めるのだった。

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