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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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宴会

シェリアリアスが焦った様子で拠点へと来るように促され、俺たちは大至急拠点へと行くとそこには平和な日常があった。

頭にクエスチョンマークが浮かんでいるとローラーンさんににこやかな笑顔で出迎えられた。

ローラーンさんの挨拶を受けるとどうやら妖精酒が完成したらしくその報告のために呼び出されたようだ。


俺としては出来たのなら妖精たちで飲んでも良いと思ったのだが、ローラーンさんは妖精酒は俺の物だと頑なに引かないのでどうしたものかと悩んでいた。


現世では何歳から飲酒して良いのか分からないが、今の俺は大体18から19歳前後の肉体らしいので前世の記憶がある俺が飲むのが躊躇われる。

しかし、俺が飲めないからと言って妖精たちにも後1、2年我慢してと言うのも酷だろう。

なのでローラーンさんに好きにして良いよと言ったんだけど納得していないらしくダメだという。どうしたものか・・・。


エリナさんに何歳から飲酒して良いのか聞いたところ、エルフ達には特に制約がないらしく飲もうと思えば好きな時に飲めるのだそうだ。

そこでブロンさんに話を聞いてみたところ、王国では15歳から成人として扱われるため15歳以上であれば飲酒しても良いらしい。前世との違いに驚きながらも今の俺でも飲酒は問題ないことが分かった。


しかし、前世の俺ははっきり言って下戸だった。まったく飲めないというわけではなくコップ一杯程度のお酒は飲めた。なので実はあまりお酒が得意ではない。

だと言って、俺が飲めないかもしれないから他のみんなもダメというのは絶対に避けないといけない。お酒が好きで楽しみにしてる人もいるだろうしね。


うん。せっかくだから今世でどれだけ飲めるのか確認するのもいいな。妖精酒完成祝いで宴会でも開くか。


「わかりました、ローラーンさん。妖精酒完成を祝って、ここで宴会を開きましょう。さすがに妖精酒だけでは足らないと思うので辺境伯量で幾つかお酒を買ってきて全員で騒ぎましょう。」


「「「「ワーーイ!宴会だぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」


妖精たちは宴会が何かわかっているのか知らないが一斉に騒ぎ出した。

妖精たちに今夜色々な料理とお酒で妖精酒完成の祝いをすることを拠点に住む者たちに伝えに行ってもらい、ブロンさん達には辺境伯量でお酒を買い集めて貰うように手配した。

ネルギエさんとエルフの女性たちには宴会を行うための料理の準備をお願いし、エルフの男性には食材の調達をお願いした。


俺は買ってきたお酒がぬるいままだったら美味しくないだろうと思い、お酒を冷やす蔵を作り蔵の上部と下部に氷を作り出して全体的に冷えるように準備した。

妖精酒が冷えた方が美味しいのか分からないがローラーンさんに聞いたところ冷えた方が美味しいと思いますとの事だったので皆で幾つか運んでおいた。


肉や野菜などの下ごしらえをしていると、ブロンさん達がエールやワインを持って戻ってきた。エールは冷やすとして、ワインってどうなんだろ?前世でワインは殆ど飲んだことがないから常温が良いのかある程度冷えた方が良いのかわからん。

とりあえず、冷えすぎない位のところに置いておこう。

しっかし、結構な量を買ってきたな。まあ、飲みきれなかったら保冷蔵に入れておけばいいしな。


皆でワイワイガヤガヤと宴会の準備を行っていると海に釣りに行っていたエルフ達が数名慌てた様子で戻ってきた。

慌ててる人が多いな今日。。。と思いながら話を聞いてみたところ、今日は食材取りの人数が多かったので新しい釣り場を求めていつもの釣り場から少し離れたところを歩いていたら、水中に石ではない何かがあるらしく触って良いものなのか分からなかったから急いで確認して貰いたくて戻ってきたとの事。


料理が苦手なギルデイさん、バルザックさん、レイソンさんを連れてその場所へ向かうと確かに水中に石ではない何かがあった。

俺は前世の記憶から何かわかったが、ギルデイさん達は何かわからない様子だった。

そもそもギルデイさん達は海に来たことがないため海の生き物もあまり知らないのは当たり前だ。

俺は上着を脱いで海に入り、それを掴むと力任せに取り上げた。岩場に上がりそれを開いてみたところ。うん。岩ガキだな、これ。


これは貝の一種で、食べることが可能で生のまま食べることもできるが食あたりを起こす可能性もあるから加熱する方が良いよ。と伝えるとエルフ達が歓声をあげた。


バルザックさんは、生で食べてみたいと言ったので殻の剥き方を教えるとさっそく海に潜って岩ガキを取ってきた。

ナイフを器用に使い殻を剥くとぷっくりとした牡蠣が出てきた。海水でサッと洗いバルザックさんは躊躇なくパクッと口に含み咀嚼して飲み込んだ。バルザックさんの顔が緩み笑顔になると「これ、凄く美味しいです!」と声をあげた。


それを見ていたエルフの皆とギルデイさん、レイソンさんは海に潜り各自取ってきた岩ガキを食べた。反応は各自様々で美味しい!という反応をする人と、う~ん?という顔をする人に分かれた。


どうやら味は良いが食感が苦手だという人がいるらしい。俺もどちらかというと食感が苦手な方だ。

こっちで食中毒があるのか分からないが、一応何かあったら言って下さいと言い。今日の宴会でも焼いて出すように幾つか取ってもらった。俺の感覚だと牡蠣は女性の方が好きなイメージがあるからだ。


久しぶりに海に来たついでに他の食料も探してみようと素潜りで泳いでいたら、異常にでかいウニを見つけた。しかもゴロゴロといる。ここには天敵となる生物が少ないのだろうか?まあ、一番の天敵は人間だろうけどね。


バスケットボール程あるウニを捕まえて岩場へ上げてを繰り返すこと数十回。結構な量のウニが取れた。もう少ししたら拠点へもっていって、ネルギエさんに調理してもらおっと。ネルギエさんはさすが料理人だけあって初めての食材でも美味しく調理してくれる素晴らしい力量を持った人だ。

このでかいウニも美味しく調理してくれるだろう。生が一番おいしいのかもしれないけどね。


思ったより良いものが取れたので後はエルフの釣り人達に任せて拠点に戻り、調理を行っているネルギエさんやエルフの女性たちに岩ガキとウニを渡し、注意点を伝えると各自が味見をしたところ女性達は海の幸を殊の外気に入り、もっと取ってくるように催促された。

俺たちは大急ぎで再度岩ガキとウニを追加で取ってきて、女性たちのOKがでるまで2往復したのであった。


お昼ご飯を食べてなかったが、食べるにも微妙な時間だし海の幸を多少食べたのでそこまでお腹が空いていなかったので、調理を手伝い今ある調味料でできる前世の料理を再現すべく試行錯誤を繰り返した。

「あさりバターらしきもの」「牡蠣のカルパッチョっぽいもの」「ニシンっぽい魚の酢漬け」が完成した。やはり調味料不足が祟って前世ほど洗練された味では無いながらも、こちらの世界では目新しい料理のため女性たちの評価は高かった。


ネルギエさんは俺が作った料理に何かしらインスピレーションが湧いたのかさらに新しい料理を作り始めた。

そうこうしていると、日も落ち宴会を始めるのに良い時間となったため拠点と館にいる全員を集めて妖精酒完成祝いを開始した。


「今日はローラーンさん達が頑張って作り上げた伝説の妖精酒の完成を祝して皆でお祝いをしたいと思います。皆さん今注いでいるのが伝説の妖精酒です。では、完成を祝して、、、、かんぱーーーい!」


「「「「かんぱーーーい!」」」」


乾杯の挨拶の後、コップに注がれた妖精酒を飲み始めた。

サンダーバード達鳥類たちには深皿にお酒を注いであり皆で飲んでいた。


「ほ~、これが妖精酒か。甘い匂いがして酒精も強いね、これ。」


「はい。昔飲んだミードに似ておりますが、香りと酒精が段違いに良いですね。」


俺の呟きに答えたのは酒が大好きそうなレイソンさんだ。

この世界にも蜂蜜から作られたミードと呼ばれるお酒があるらしく、それに似ているようだが美味しさが段違いらしい。

今世の俺は前世よりはお酒に耐性があるらしくコップ一杯分ではフラフラにならなかった。


妖精たちは自分たちが頑張って作った妖精酒に舌鼓を打ちテンション高くワイワイと騒いでいた。

皆の評価は上々といった所だろうか。ローラーンさんは真剣な顔で妖精酒を嗜みもっと改良の余地があるとひとり唸っていた。ただ、妖精酒を飲んでいる時の顔はとても良い笑顔だった。


出来上がった妖精酒は全員にコップ一杯分程度だったので、辺境伯領から買ってきたエールやワインを蔵から出して各自飲み始めるとふわ~っと美味しそうな匂いが漂ってきた。

匂いのする方を見ると肉や魚介、野菜などが焼かれており、ネルギエさんや女性たちが準備した料理が所狭しと並べられていた。


皆がお酒を片手に料理を食べ始めると各所で美味しい!なんじゃこりゃ~!といった絶賛の声が響き渡った。

ブロンさん達もお世話はしなくて良いので楽しみなさいと指示してあるので楽しく食事をしていた。


みんなが楽しそうに食事をしている光景を微笑みながら見ているとエリナさんが料理を手に持ってやってきた。


「シュンさん、これ私が作った料理ですが食べてみてくれませんか?」


「わ~、美味しそうですね。ありがたく頂きます!」


エリナさんが手渡してきた料理は、野菜にくるまれた肉にフルーツソースっぽいものがかけてある料理でフランス料理で出てきそうな雰囲気がある料理だった。

さっそくとばかりにホークで救い上げて口に含むとさわやかな酸味のあるソースが肉の脂っこさを和らげながらも調和した味わいに感動した。


「ど、どうですか?」


エリナさんは自分が作った料理が俺に合うのか不安らしく困惑顔をしていた。


「エリナさん、これすんごく美味しいですよ。お肉とソースの調和が素晴らしいです!」


俺が美味しいと答えるとエリナさんは安心した顔をして微笑んでくれた。うん、やっぱりエリナさんは世界一かわいいと思う。


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