ある日の出来事2
俺はギルドランク3のガノト。ある依頼を行うべくパーティメンバーと共に森に入り討伐対象を探していた所、巨大な蛇の魔物アナガンガと遭遇した。
アナガンガは力が強く毒を持っており、俺らのパーティでは太刀打ちできないため撤退を行ったがアナガンガの執拗な攻撃を躱し続ける事が難しいながらも何とか危機を脱した。
しかし、パーティメンバーのガムとギギが傷を負ってしまった。街には到着したが二人は毒を受けており門を潜った時に倒れてしまった。
近くにいた衛兵にギルドまで運んでもらいギルドで毒消しを買って飲ませたが効果が無かった。
俺はギルド員に色々と話を聞いたが毒消しで治せないならば他に効果がありそうな薬はないとの事だった。
二人をギルドに置いておくわけにもいかず、近くにいた顔見知りに二人を宿まで一緒に運んでもらった。
俺は何とかしないとと思い、再度ギルドに行き色々な人に話を聞くとハイエルフ様なら何とか出来るかもしれないという話を聞いた。
その話を聞いた時に丁度ハイエルフの付き人がギルドにやってきたため声をかけると厳しく説教を受けてしまった。
焦っていた俺の言い方にも問題があったと反省し、何とか話を聞いて貰いハイエルフに紹介して貰おうとしたが付き人曰く、ハイエルフでも対応できないだろうとの事だった。
それでも何とかしてもらおうと色々と話をしたら付き人が二人の状態を見てくれることになった。何かの知識があるかもしれないと思い宿に連れて行くと即座に病名を突き止め、治すのに必要な物を教わったので急いでギルドに行き素材を集めた。
素材を持って戻ると付き人は何かわからない事をして薬を作ってくれた。
その薬を二人に飲ませると息も絶え絶えだった状態から落ち着きを取り戻した。それを見た俺は安心していると付き人から明日の朝にでももう一度薬を飲ませるようにと言われ薬を渡された。そして付き人は部屋から出て行ってしまった。
俺は付き人との約束を守るために奴隷になる必要があるが、二人がきちんと治るまではと考えていたらギルドに森にアナガンガがいる事を伝えていなかったのを思い出した。
俺は急いでギルドに行き森にアナガンガがいる事を伝えるとギルドは即座に動きだした。やはりここのギルドは優秀だな。これで安心して二人の看病を行う事が出来る。
宿に食べやすい食事を作って部屋に持ってきてもらうように依頼して部屋に戻ると二人が上体を起こしてベッドに座っていた。
「大丈夫なのか?無理せずに寝ておくんだ。」
「ああ、しかしあの苦しさはもう大分収まったんだ。薄っすらとした記憶の中で何か飲んだようだがお前が手配してくれたのか?」
「これだ。ハイエルフの付き人が作ってくれたんだ。明日の朝にもう一度飲む必要があるらしい。ここに置いておくからきちんと飲むんだぞ。」
「分かった。しかし運が良いのか悪いのか。アナガンガに襲われて運が悪かったんだが、この街にハイエルフ様がいらっしゃったため俺らは助かったんだな。」
「そうだな。しかし、俺は奴隷になる必要がある。あの付き人に俺が奴隷になった金を支払うと約束をしたんだ。」
「「なんだと!」」
「落ち着いてくれ。お前たち二人を治す薬はギルドにも無い薬で、あの付き人が作ってくれた物なんだ。俺は最初ハイエルフに無料で何とかしてもらおうとしていた。それをあの付き人に諭され覚悟を決めて奴隷になる金を依頼料として払うと約束して作ってもらった物だ。そしてお前たちは回復しているから俺も約束を守らないといけないんだ。」
「お前の言いたいことは分かった。しかし奴隷になるのは待つんだ。俺たちも治してもらったお礼を言いたいのとお前が奴隷にならずに済むように交渉したい。」
「しかし!、「いや、それは俺も同じ意見だ。」」
「俺たち3人は今まで一緒に話し合って決めてきただろ。今回の事をお前だけに背負わせて俺らだけおめおめ生きていられるかってんだ!」
暗くなる雰囲気を少しでも明るくしようとギギが少しお茶らけて話した。俺ら3人の中のムードメーカーらしい一言だった。
病み上がりと言う事もあり、宿の人が持ってきた食事を取り早めに就寝した。
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今日は面倒な事に絡まれた日だったが、一応あっさり片付いたから良かったけど何でもかんでもになると身動き取れなくなるからな。
まあ、たま~になら良いかもしれないけどね。
エリナさんと今日の出来事を話ながら夕飯を食べて拠点の露天風呂に入りに行くとブロンさん達も一緒のタイミングで入ってきた。
皆が遠慮して後で入ろうとしたが、一緒に入って訓練の様子を聞くと中々にハードは訓練だったがカルーゼ曰く俺の訓練の方が100倍厳しいらしい。
だって、あの訓練に皆ついて来てたじゃん!余裕だと思うじゃん!確かにみんな訓練が終わったらバタンキューで寝てたけどさ。
このお風呂と食事が一番の癒しになっているらしく日々頑張れているらしい。
元々戦闘要員だったギルデイさんたちでも異常な訓練らしくついて行くのがやっととの事。
戦闘要員でやっとって、メイドのチェシャさん達は大丈夫なのか?任せっきりだから心配になってきた。
まあ、今から変えてもね~って気持ちになったので頑張って貰おうと思います。
風呂上がりに冷やした果物を差し入れて機嫌を取っておこうと言うのは罪悪感を薄めるためではないと言っておこう。
うん、違うよ。ほんとうに。
皆とゆっくり過ごしてから館に戻って布団に入った。前世では日が落ちたからといっても電気を付けて起きていたけど、今世では起きていてもやることが無いため早寝早起きになってしまう。本当に健康的な生活である。
夜が明けて朝日が昇るのと共に起きだし、天気が良かったので布団を干してからエリナさんと一緒に朝食を取り休憩していると館の入り口から大声が聞こえてきた。
玄関を出て外に出ると門の所で昨日見た金髪ロン毛が叫んでいた。近所迷惑だな~と思いながら門の所に向かうと男3人が一斉に頭を下げた。
「昨日は助けて頂きありがとうございました。お礼と共にお願いがあって参りました。」
ギギと呼ばれていた男が口上を述べて再度頭を下げた。
「え~っと。おはようございます。元気になって良かったですね。で、お願いとはなんでしょか?」
そう言うと男たちは言い辛そうに上目使いでチラチラと気持ち悪くみられているのを我慢していたら意を決したらしく、ガムと呼ばれていた男が願い事を伝えてきた。
「その、助けて貰ったことは有難く感じてるが、ガノトを奴隷に落とすのは勘弁してもらえないか?その代わりにガノトが奴隷になった時に支払われる金を稼いで必ず支払うから。。。頼む!」
「「頼みます!」」
そう言って男たちは頭を下げて俺からの言葉を待った。俺はあ~そういえばそんな約束したんだっけかな~と。ぼ~っと考えていると俺からの返事がないため男たちは俺が怒っていると思っているのか体が震えていた。
さて、昨日から続くこの面倒くさい件をどうやって片付けるか・・・。安直に「もういいよ」って言って終わらせると後で何かしらの噂になったりすると面倒だしな~。少し悩んでから3人に声をかけた。
「そうですね。私は普段ランク3のパーティが奴隷になる金額を稼ぐのにどれ位かかるかわかりません。ですので、奴隷になって支払って貰うのも心苦しいので今後私が困ったときに一度だけで結構ですので何も言わずに手伝ってくれることを約束して下さい。それでどうでしょうか?」
「えっ!?そ、そんな事でいいのか?それでは余りにもこちらが有利すぎるが・・・」
「そうですね。でも、先ほども言いましたが私も人を奴隷に落とすのが心苦しいですし、あなたに言ったのは覚悟の話です。そしてあなた方を助けた素材もガノトさんが買ってきたものです。私はそれで作っただけ大した労力はありません。技術料をだけですので、それ位で妥当と思いますが。」
ガノト達は顔を見合わせて頷きあうと俺の方を向いた。
「分かりました。その条件で誓約書を作成してきます。それをお納めください。」と言って一礼してからダッシュで走って行った。
俺はその行動に茫然としながら見送っているとエリナさんが近づいて来た。
「朝からお疲れ様です。あの方達が昨日お助けした方たちですか?」
「ええ、快癒のお礼とお願い事に来たらしく妥協点を提案した所です。わざわざ誓約書を作って持ってくるそうなので庭掃除でもしておきます。エリナさんはどこか出かけますか?」
「そうですね。最近運動をしてませんので拠点で皆さんと一緒に訓練してこようかと思ってます。」
「いいですね。私も誓約書が届いて庭掃除が終わったら訓練を見に行きます。ブロンさん達に頑張って下さいと伝えて貰っていいですか?」
「はい。分かりました。」
そう言うとエリナさんは館に戻っていったので、俺は庭の雑草などを抜いて掃除をしていたら朝の3人組が再度ダッシュでやってきた。
「付き人さん、誓約書を作ってきました。これをお納め下さい。」
おおう。おれ付き人さんって呼ばれているのか。・・・まあええけど。
「はい。確かに受け取りました。皆さんも無理せずにお仕事頑張って下さい。」
その後少し話をして3人と別れてから館の戸締りをして拠点に向かい訓練を見学するなどゆっくりした日を過ごした。




