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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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奴隷3

「ど、ドア?・・・何故ドアが・・・?」


ブロンさん達に館を案内して最後の部屋には俺の拠点へと繋がっているドアだけがポツンと置いてある。ブロンさん達は異様な雰囲気の部屋に足を踏み入れないでいた。


「大丈夫ですよ、どうぞ皆さん入って下さい。」


エリナさんがブロンさん達を入室する様に促すと恐る恐ると入ってくる。俺は苦笑しながらも部屋に置いてあるドアを潜る。俺の姿が消えた事でブロンさん達が「あっ!」と言い、ドアの反対側に俺の姿が無い事を確かめた。


「さあ、皆さんシュンさんと同じようにドアを潜って下さい。もっとビックリすることが起きますから。」


エリナさんは悪戯をする子供の様な笑みを浮かべて言うと、ブロンさん達は部屋に入るよりも恐ろし気に先が見えないドアを潜って行く。最後にエリナさんが潜ると、顎を外しそうな勢いで口を開けて放心していた。


俺は拠点へ戻ってくると妖精たちがワーっと寄ってきてお酒が良い感じで出来てきたよ~!との報告が入る。全員が一斉に話しかけるので聴き取りづらいが言っていることは異口同音でお酒が出来たら一番に飲ませてという事だった。妖精達とそんな話をしているとブロンさん達がドアを潜り拠点へとやってきた。ブロンさん達はドアを潜ると見た事も無い場所に出て、さらに沢山の妖精たちに囲まれる俺を見て何が起こっているのか脳が追い付いていないようだ。


エリナさんが俺の隣にやってきて妖精達にブロンさん達を紹介しますと言うと妖精たちはワイワイとブロンさん達の周りを飛び始める。ブロンさん達は妖精たちが周りを飛んでいるのも夢と思っている様でピクリともしない。ルールチェさんは手のひらを上向きに出すと妖精が乗って挨拶をしたためルールチェさんは妖精に向かって自己紹介をしている。


暫くは戻ってこないかなと思い空を見るとサンダーバードが飛んでやってきた。ギルデイさんたちがサンダーバードに気づくと「うわあああああ!」と叫び出した。俺は何か起こったのかと周りを見渡しても何もサンダーバードが向かってきている事以外変わったことがない。そうこうしているとサンダーバードが俺の前に降りてきた。


「何かあったかい?」


「いえ、特に問題は発生しておりませんが、バザン達の子供が孵化しました。その為バザンが挨拶にこれないのを謝っておりました。」


「お~!良い報告ですね。食料は足りてますか?足りない様なら調達してきますが。」


「食料はエルフの皆さんからも沢山頂いていますので十分足りています。ところで、あそこにいる人間は新しくこちらに住む方たちですか?」


「いや、あの人たちは辺境伯領の館を管理してもらう人たちだけど、この拠点には良く来ると思うので仲良くしてあげてね。」


「はい、シュン様が迎えられた方たちです。こちらで争いごとは起こしませんとも。」


俺とサンダーバードが話し終わるとギルデイさん達が恐々と話しかけてきた。


「あのシュン様、そこにいるのはもしかして伝説のサンダーバードではないですか?」


「伝説?伝説かどうかは分からないけど、サンダーバードですよ。見ての通り話をすことが出来るので仲良くして下さいね。」


「な、仲良くですか・・・あ、あの本当に大丈夫なのですか?出会ったら確実に死ぬと言われているサンダーバードですが・・・」


どうやらサンダーバードは出会ったら死ぬという異名を持っているらしい。おっそろしい異名を持っているらしいが、ここに住んでいるサンダーバードは全然怖くないんだけどな。


「ここにはエルフ、妖精、サンダーバード、バザン、ラセツチョウなど様々な種族がいますが、みんなとても仲良いですよ。」


拠点の説明をブロンさん達に行っていると村長とカルーゼ、テイルがやってきた。村長たちにブロンさん達を紹介し、ブロンさん達を鍛えてくれる教官としてテイルさんを紹介した。


「初めまして、テイルです。シュンさんからの依頼であなた方の訓練をお手伝いします。皆さんはこれから一か月間この拠点で過ごして貰い、私達と一緒に体を鍛えて貰います。」


「「「よろしくお願い致します。」」」


ブロンさん達はまさかハイエルフ達と一緒に訓練を行うとは思っていなかったのか、緊張しながら返答をしていた。ある意味ハイエルフの弟子になるわけで、この世界でハイエルフから何かを教わるのはとても珍しい事のようだ。ハイエルフ自体が少ない事も理由の一つだが、人前に滅多に現れないし殆どのハイエルフは人嫌いらしい。そのため、ハイエルフの弟子となると物凄いことなのだそうだ。

俺はこの世界の一般常識が殆ど無いためイマイチしっくりこないのだが・・・。


拠点での生活は俺の家に住んで貰い、食事などはゴーレム達が仕留めている魔物や、エルフ達が作っている野菜や、釣りあげてくる魚などが差し入れされるので心配はいらない。また、ベッドなども手作り品だが羊毛を使っているためフカフカで寝やすいだろう。


ブロンさん達に住む場所の説明を行い、拠点内を案内するとあまりの広さに驚愕していた。今日だけで何回驚いているのだろうか・・・。まあ前世を考えても異常な事をやっている自覚はあるので俺がブロンさんの立場としても一緒の様に驚いただろう。


拠点の案内を終えて、家に戻ってくるとシュテーナちゃんが来ていた。シュテーナちゃんにルールチェさんを紹介して錬金術を教えてあげてね。って伝えるとシュテーナちゃんは「わ、私が教えるのですか?」と驚いていたが、人に教える事で分かる事もあることを話すと両手を前に出して拳を握り「頑張ります!」と気合を入れてた。


シュテーナちゃんは早速ルールチェさんに魔力操作はできますか?と聞いていたらルールチェさんは俯きながら魔力操作が出来ない事を謝っていた。

ブロンさん達に聞いてみると魔力を使える人は余りいないらしく、そもそも魔力を感じる感覚が分からないらしい。

エリナさん達は種族特性なのか感覚的に使い方を理解しているので魔力操作を教えようとしてもどう教えれば良いか分からないらしい。


魔力を感じる方法なんて感覚的な物だから分からないのは確かなんだけど何とかしてあげたいと思い、う~ん、う~んと唸っているとエルリーンさんがやってきた。


「シュンさん、ちょっと宜しいでしょうか?」


「はい、大丈夫ですよ~。」


「お願いがあるのですが、外に出ていた私たちもエリナと同じように儀式をして頂けないでしょうか?」


「儀式・・・?あー、魔力を流すやつですか。了解で・・・魔力を流す?あ、エルリーンさん儀式は了解しました。明日以降であれば何時でも大丈夫ですので声をかけて下さい。」


「ありがとうございます。皆の予定を確認して明日にでもお願いすると思いますので、その時はよろしくお願いします。」


「はい、分かりました。そしてエリナさん、魔力を流した時って体に何か流れる感覚はありましたか?」


「え?あ、はい。シュンさんの魔力が体を流れる感覚があります。」


「それだ!俺が魔力を流して皆に感覚を掴んでもらおう。何が起こるか分からないから全力では流さないけど。」


「そうですね。あの感覚なら体に魔力が流れるのが分かると思います!」


「よし!ではやってみますか。」


そう言って俺たちは一旦外に出てから手を繋いで円陣を組んだ。魔力が流れるのを感じやすいように目を瞑ってもらう。準備が出来たのを確認して俺は魔力を流し始めると、ルールチェさんが何かが流れ込んでくるのが分かると言い、すぐにその隣のブロンさん達も魔力が流れるのを感じるらしい。時間的に5分位して魔力を流すのを止めると皆が目を開けた。どうやら魔力が流れる感覚を理解したらしい。


「どうですか?自分の体に魔力が流れるのが分かりましたか?」


「はい、右手から暖かい何かが体を通って左手から流れていくのを感じました。」


「ええ、それが魔力が体を流れた感覚です。師匠曰く、魔力の量が多い少ないはあれど誰でも持っているものだそうです。皆さんは今魔力の存在を認識しました。今感じた魔力が体にある事を感じて見て下さい。寝ながらでも良いですし、座ってでもいい。目を瞑ってでも良いです。まずは自分の中にある魔力を認識しましょう。」


この後、ルールチェさん達が1時間程う~んう~ん唸りながら色々とやっているとウィルシアさんが「あっ!」と言って何か掴んだみたいで声を上げた。


「シュン様、少しですが魔力を感じました。え~っとヘソ辺りにシュン様から流れてきた魔力に似たものがあるみたいです。」


「お~!良い感じですね。その感じた魔力を動かす感じをイメージしてみて下さい。そこに手を添えてグルグルしたりするとやりやすいかもしれません。少しずつ少しずつ動かす感じです。慣れてくると体全体に動かせれる様になります。それが魔力操作になります。動かす速さや量などによってその後に使える魔法の威力が変わります。体全体に動かせれるようになれば魔法が使える様になるので頑張って下さいね。」


俺の言葉を聞いてウィルシアさん以外もさらに集中して自分の中にある魔力を感じようと頑張りだすとウィルシアさんがヘソ辺りと言ったのが良かったのか皆が感じ始めた。

夕方になる頃には皆が魔力をお腹の中でグルグル回せる程になっていた。うん、皆優秀なんじゃね?

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