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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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辺境伯領

異世界のお約束である盗賊に襲われる商人や貴族などに会う事も無く、辺境伯領へ到着した俺たちは道案内をして頂いたハチャーエさんと別れて街へ入るために受付行列に並んだ。


エリナさんは騒動が起こるのを嫌ってフードを被りハイエルフである事がばれない様にしていた。

到着したの早朝のはずなんだが、行列は結構な長さがあり並び始めて1時間経っても受付の場所までたどり着けていない。

前世で行列の出来るラーメン屋を思い出しながらエリナさんと他愛も無い話をして時間を潰した。


漸くと俺たちの受付になり、ストラリク村長の紹介状を出し名前を告げるた。


「ストラリク村の紹介状があるのか。ならば身分保証はされているな。しかし、身分証が無いので入城には銀貨5枚必要だ。」


「銀貨5枚ですか。二人で10枚か。。。」


師匠の遺品にお金があったので、銀貨10枚くらいはあるのだが思ったより金が掛かることにビックリしてしまった。


「あ~、入城の費用は身分証を作れば返還されるから安心しろ。」


「あ、そうなんですね。」


そう言いながら俺はカバンに手を入れてアイテムボックスから銀貨10枚を出して手に握り込み受付の警備兵に渡す。


「うむ。確かに銀貨10枚を預かった。これが仮入城証となる3日以内に身分証を発行せずにコッフェロ領に留まると不法滞在扱いになるため注意しろよ。」


「分かりました。ちなみに身分証の発行はどこでできますか?」


「そうだな。この領に住むのであれば役所に届けると審査が行われて身分証が発行される。その他だとバルッサ王国として運営されているギルドに登録だな。」


「ギルド?」


「うむ。街や村など各所からの依頼が集まる場所で、街の清掃から魔物の討伐など多種多様な依頼があるので自分に合った仕事が受けられるぞ。そのギルドに登録した時に発光される物が身分証となるぞ。」


「なるほど。情報ありがとうございます。」


警備兵から身分証の話を聞いて門を通ろうとすると、エリナさんが警備兵に声を掛けた。


「あ、あの素材などを売れる場所はどこになりますか?」


「ん?素材か、雑貨屋などでも売れるがギルドには薬草から魔物素材など色々と買い取ってくれるぞ。魔物の解体などもやってくれるぞ、解体費用は掛かるがな。」


「ありがとうございます。ギルドに行ってみます。」


「ああ、ギルドはここを通って大通り沿いに真っすぐ進んで行くと剣と盾の看板が見えてくるからそこがギルドだ。」


俺たちは警備兵に頭を下げてから辺境伯領へと入って行った。門を通ると大通りになっており、多くの人が忙し気にしていた。

前世の都会の様な光景を思い出し、その景色に圧倒されているとエリナさんから声を掛けられた。


「シュンさんすみません。入城にお金が必要と知らず・・・素材を売ってお返ししますので。」


エリナさんは気落ちしながら俺に頭を下げた。


「いえいえ、エリナさんも初めてですから知らなくて当然ですよ。入城費用も気にしないで下さい。身分証を手に入れれば返ってきますから。」


そう言って俺はニッコリとほほ笑んだ。エリナさんは頬を染めて頷き返してくれた。


「エリナさん。さすがにここで移動ドアは使えないのでまずは宿を探しませんか?その後ギルドで登録しましょう。」


「そうですね。来てすぐに帰るのは勿体ないですし。」


エリナさんはそう言ってペロッと舌を出した。お茶目なエリナさんを見て顔が赤くなるのを感じつつ、宿を探すため大通りを歩きながら聞き込みを行った。大通りから少し入った所にある「安らぎの宿」という宿が値段の割に美味しい食事が出てお勧めだと何人かに言われた。


「エリナさん、安らぎの宿に行ってみませんか?名前からしてゆっくり休めそうですし。」


「はい。久しぶりにベッドで眠りたいですね。」


「そうですね、拠点に戻れなかったからね~。ぐっすり眠りたい。」


「ふふ、さあ宿が取れるか分かりませんので行ってみましょう。」


エリナさんと俺は安らぎの宿へ向かって歩いて行くとあっさりと宿が見つかった。宿に入ると恰幅の良い女将さんらしき人がおり声をかけてきた。


「いらっしゃい!食事かい?泊りかい?」


「泊りですが、二部屋開いていますか?」


「ああ、空いてるよ。素泊まりで一人銀貨2枚で朝昼晩飯付きで銀貨3枚だよ。」


「では、とりあえず食事付き一泊でお願いします。」


「あいよ。二人で銀貨6枚だよ。そしてこれが部屋の鍵だよ。そうそう、もうお昼だが昼食は今日にするかい?」


「そうですね。丁度良い時間ですしお願いできますか?」


「はーい!昼食2セット~!」


女将さんは厨房へ向かって大声で注文を通した。昼食が出てくるまで食堂で座って待っているとドンドンと人が昼食を食べにやってきた。お勧めの店らしく人気店だったようだ。


少し待っていると女将さんがパンとスープ、サラダとブロック肉を焼いたものが出された。何の肉か分からないが香草と一緒に焼いてあり、この香草と肉がマッチしていて普通に美味しい料理だった。エリナさんと感想を言いあいながら食事をして久々にまったりとした時間を過ごした。


昼食を終えて部屋で少し休んだ後、女将さんにギルドに行くことを告げて宿をでた。

ギルドに向かうと大きな作りの建物で中に入ると中央に受付の人がおり、護衛、討伐、販売、傭兵など用途に合わせたブロックに分かれており、自分が受けたい依頼を探すようだ。それを受付に持っていくことで受注することができるらしい。


俺たち二人はまずギルド登録をして身分証とするために受付に向かった。

受付は美人のお姉さんで金髪のお団子ヘアをしており、笑顔で俺たちを迎えてくれた。


「いらっしゃいませ。こちらでご用件を伺います。」


「え~っと、ギルドへの登録に来たのですが、こちらでよかったでしょうか?」


「はい、こちらで受け付けております。ご登録はお二人ですか?」


「はい、二人とも登録をお願いします。」


「承知しました。それではこちらの用紙に記入できる範囲で結構ですので記入して下さい。文字が書けない場合は代筆致しますので仰ってください。」


俺とエレナさんは用紙に記入できる内容を記入して受付のお姉さんに提出をしようとすると肩を掴まれ声を掛けられた。


「おいおい、こんな小僧がギルドに登録するのかよ。何の役にもたたねーだろーが!」


「ぶはははは!そうだそうだ!こんな小僧どもがギルドに登録するからギルドの評価が下がっていくんだ!」


俺の肩を掴んだ男が俺を振り向かせると3人組の男たちが酒臭い息を吐きながらニヤニヤと絡んできた。

俺はポーカーフェイスをしながら心中でこれがお約束かぁぁぁ!と一人テンションを上げていると受付嬢が声を荒げた。


「バッテスさん、ギルド登録もされていない方や新人さんに絡むのはやめて下さい!あなた達の態度の方がギルドの評価を下げているのですよ!」


「あぁぁん!アリテシアちゃんは受付業務やめて俺たちと一緒に飲もうぜ!こんな小僧の相手何てしないでさぁ、げへへ」


アリテシアと呼ばれた受付嬢は物凄い嫌な物を見るような顔をして次の言葉を次ごうとした時、バッテスと呼ばれた男の隣にいた男がエリナさんのフードを引っ張り下ろした。


アリテシアさんはエリナさんの顔を見た瞬間ハイエルフと理解したのか驚愕した顔になった。

エリナさんのフードが下ろされた瞬間、俺は自分に注目を集めるためフードを下した男を殴り飛ばした。男は壁に激突して気を失ったようだ。現場にいた人は吹っ飛んだ男を見ていたので即座にエリナさんのフードを被せた。

アリテシアさんに向かって人差し指を口に持っていき黙ってて下さいの意味を込めて「シー!」というポーズをした。


仲間がやられたバッテスは激高して俺を切ろうと剣を抜き振り上げた時に「沈まれ!」と声が響き渡った。

バッテスは剣を振り上げた体勢で固まりガクガクと体を震わせ始めた。アリテシアさんはホッとした表情をして声を発した人物に顔を向けた。


「アリテシア、この騒ぎの説明を!」


「はい、ギリアムドさん。こちらの方たちがギルド登録に来られた時にバッテスさん達が難癖を付けて絡み、こちらのエリナさんに手を出したためシュンさんがジンドイさんに手を上げました。シュンさんには正当防衛が認められます。そして激高したバッテスさんが剣を振り上げた時にギリアムドさんが来られました。」


「アリテシア!てめぇ~!」


バッテスは振り上げた剣をアリテシアさんに向けるのだった。


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