いざ!バルッサ王国へ
移動を楽にするためのゴーレム馬作りを行っていたが思ったより強度の問題が深刻で、人が乗って走る事までは出来たが1時間程走るだけで足に罅が入るため走っている途中で足が壊れる可能性が高かった。
足を構成する土を超圧縮してみたり、石を成形して足を作ってみたが罅割れ問題は解決しなかった。
カルーゼやテイルさんに相談してみたが良い案がでず、他の住人にも相談してみたが問題解決には至らなかった。
地球の知識を見ていた時にある方法を取ればゴーレム馬を完成させることが出来そうだと分かり俺は倉庫に走り出した。
拠点に水を引いている河から定期的に魔物がやってきており、防衛ゴーレム達が殲滅して住人の食材として提供されているが魔物の骨は使い道が無く倉庫に保管されていた。
ゴーレムを作成するときに軸となる魔物の骨を入れて、その外装を付ける事によって強度を上げる。そして関節の可動域を上げるための方法をプラモデルの作成方法から採用してゴーレム馬を作り出す。
作成されたゴーレム馬は今まで作成した無骨なゴーレム馬とは異なり、正しく馬!と言えるようなスタイルで立っており何時間か拠点を走らせたが足には罅一つ無く全体を確認しても修復が必要ない状態であった。
エリナさん達に作成をお願いした鞍を取り付けゴーレム馬に跨って走ってみると通常の馬より上下運動が少なく、長時間乗っても疲れ無さそうであった。
ゴーレム馬が完成したこともあり、カルーゼ達も使いたいと要請があったため骨がある分だけゴーレム馬を作成した。ゴーレム馬は首に上下に魔石があり、下にある魔石は魔力を注入する所でその魔石から胴体部分にある大量の魔石に魔力が貯まりエネルギーとしている車でいう給油口みたいなものだね。
上にある魔石は車で例えるとエンジン始動スイッチ(イグニッションキー)みたいな役割になっている。
上の魔石に魔力を流した人の言う事を聞くようにしており、カルーゼ達も乗りこなす事が出来た。
ゴーレム馬の完成と共に、エルフの村長やローラーンに聖水を手に入れるためにバルッサ王国へ行くことを告げる。
「村長、ローラーンさん、ゴーレム馬も完成したのでバルッサ王国へ行き聖水を手に入れてきます。」
「シュンさん、それはいけません。聖水が必要なのは私たちです。私たちが街に行いかなければいけません。」
「村長、そんなに気にしないで下さい。もともと色々な場所を見てみたいと思っていたのもありますし、師匠から王都へのお使いを頼まれているのです。そして、私は移動ドアがありますので帰ってくるのも簡単ですし。」
「・・・・・・シュンさん誠に申し訳ありません。そしてありがとうございます。」
そういうと村長は頭を下げた。
「私が不在の間、村長とローラーンさんに此処をお任せしたいのですが宜しかったでしょうか?防衛とかはゴーレム達がしてくれると思いますし、訪ねてくるのはガルルスだけだと思います。サンダーバード達にも伝えておきますが要件を聞いておいて欲しいのです。一応移動ドアで夜には戻ってくる予定ですので。」
「分かりました。こちらの事はお任せください。シュンさんが戻られた時に日々出来事を報告をします。」
「申し訳ありませんがよろしくお願いします。」
「シュンさん、私たちもシュンさんのお役に立てる様に頑張ります!」
「はい。ローラーンさんもお願いします。妖精酒の材料が足らなくなったら言ってください。蜂蜜はまだまだありますので。」
「はい!沢山作ってシュンさんにもいっぱい飲んで貰いますね!」
「楽しみにしてます。でも無理はしないで下さいね。」
その後、サンダーバード達にも街へ向かう事を伝えてエリナさんとエルフの村から出発しようとした時にシェリアリアスが飛んできた。
「シュン!私を残して行くってどういうことよ!」
「シェリアリアス、これから人間の街に行くんだよ?」
「知ってるわよ!でも、シュンと一緒なら楽しそうじゃない。」
「わかった。一緒に行こう。ゴーレム馬で移動する時は結構早いから俺かエリナさんに掴まってね。」
「うん。エリナの胸の谷間に入ってるわ!」
「えぇぇぇ!」
エリナさんは驚いている一瞬の隙をついてシェリアリアスがエリナさんの胸へ潜り込んだ。
それを凝視していたら、エリナさん気づき赤面しながら「シュンさんのエッチ!」と言い背を向けた。
俺はすかさず「ごめんなさい。」と頭を下げ謝罪した。
俺が顔を上げるとシェリアリアスがエリナさんの胸の谷間から顔を出し、「シュンは助平ね!」と声をかけてきた。
納得いかなかったが言い訳をすると泥沼に嵌る気がして言葉を飲み込んだ。
「ゴッホン!準備はいいかな?」
「「はい。」」
「ではエリナさん、こちらのゴーレム馬に乗って下さい。」
エリナさんは俺が指示したゴーレム馬にまたがり手綱を握った。俺はもう一頭のゴーレム馬に乗り手綱を握り、魔力を流してゴーレム馬を起動させる。
「エリナさん、前に行かれたことがある村まで案内をお願いします。」
「はい。私の後に付いて来て下さぁぁぁぁぁぁっぁぁぁきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
エリナさんはゴーレム馬の操作に失敗して全速力で走る様に指示したらしく急加速して走り出した。
俺は唖然として見送ったがハッと気づいてゴーレム馬を走らせてエリナさんを追いかけた。
エリナさんはゴーレム馬が急発進したことでパニックに陥ってしまい何をすれば良いのか分からなくなってしまっていた。
シェリアリアスがエリナさんの胸をペチペチ叩き「手綱を引いてぇ~!」と叫んでいるとエリナさんは正気に戻り手綱を引き絞る。
急激に手綱を引いたため、ゴーレム馬は4本足全てでブレーキをかけエリナさんは前転してゴーレム馬から転がり落ちている所だった。
俺も全速力で走らせたゴーレム馬から飛び出してエリナさんの下に入り込む事に成功した。
俺の上にエリナさんが落ちてきて、「ぐへぇ」という声を出しながら潰された。
エリナさんはお尻の下に俺が居る事に気づかず、ケガも無く落ちたことに一安心しているとシェリアリアスがエリナさんに声をかけた。
「エリナ、ゴーレム馬の操作は落ち着いてやってね。」
エリナさんは赤面しながら、「・・・はい。」と答えた。
続けて「そして、シュンがあなたの下敷きになっているから早めにどいてあげてね。」とエリナさんに言うと、エリナさんはさらに赤面して「キャッ!ごめんなさい!」と慌ててどいてくれた。
俺はエリナさんのお尻の感触がなくなった事を残念に思いながら立ち上がると、赤面しているエリナさんが頭を下げてきた。
「怪我はないですか?追いついた時にエリナさんが落下してる最中だったので下に入り込むだけになっちゃいましたが。」
「は、はい。ご迷惑をおかけしました。。。」
エリナさんはそう答えるとシュンとしてしまった。
俺はエリナさんを元気づけようと、「怪我なくてよかったです。私もエリナさんのお尻に潰されてある意味ラッキーでした。」と明るく声を掛けた。
エリナさんは、さらに赤面して「シュンさんのエッチ!」と小声で呟かれた。
シェリアリアスは俺の思惑に気づき、「シュンは本当に助平ね!」と言うと3人とも笑いあった。
エリナさんと俺はゴーレム馬に乗り、今度はゆっくりと走り始めてバルッサ王国への旅を再開するのであった。




