妖精酒
妖精、ガルルスの眷族が移住してきて数日すると生活が落ち着いてきた時、妖精たちが花を育ててその蜜で妖精のお酒を造りたいと相談された。
妖精酒と呼ばれるお酒で、作られる量が少なく要請が滅多にいないことから希少価値が高いとの話をカルーゼから教わった。
ローラーンから話を聞くと、花から蜜を集めて何日にも渡って魔力を込め続けると妖精酒が完成するらしい。
花から蜜を集めれる量が少ないため作れる量も少ないのだとか。
昔は人間と組んで蜂の巣から蜜を貰って妖精酒を作ってたらしいのだが、人間にとって妖精酒は甘露の様に酩酊でき貴族の間で高値で取引され妖精たちが奴隷の様に作らせるだけ作らせて飲めなくなったため共同で作らなくなったのだとか。
そして、人間の前から妖精たちが居なくなったらしい。
シェリアリアスの紹介とは言え、人間である俺は信用できるのか?と聞いたところハイエルフ達も信用しているお人好しと聞き、安全な場所で生活できると聞きまず見てから判断との事で来てみた所、住む場所を一緒に作ってくれたり、貴重な食糧を分けてくれる珍しい人間で信用してくれたらしい。
そして冒頭の妖精酒を作る相談だそうで、妖精たちが住んでいる場所辺りに花を植えて育てるのだが、妖精酒を入れる入れ物とそれを保存する建物が欲しいとの事。
入れ物はどんなのが良いか聞くと木で作った樽が一番良いらしく、保存する建物は日が当たらずになるべく涼しい所が良いとの事。
ワインを作っている蔵があるため、そこを紹介するととても良い環境だとお褒めの言葉を頂いた。
妖精酒も同じ場所で作りたいと言われたので了承し、樽作りはアロン君が上手に作れるためにアロン君を紹介してエルフの何名かが一緒に樽作りを手伝ってくれた。
花の種も妖精たちが持っており、エルフ達の手伝いもあり花を育てて蜜を採取していた。
妖精達は妖精酒を作るのが楽しいらしくエリナさんから教わった歌を歌いながら蜜の採取に精を出していた。
俺はエリナさんとローラーン、シェリアリアスと話をしていると俺は何をしていた人間なのか聞かれたので、蟲の谷で師匠に錬金術を教わった過去を話をした。
蟲の谷では錬金術で使う素材を手に入れる時の話をした時にローラーンが目の色を変えて話かけてきた。
「シュンさん!そ、そのジャインビーと呼ばれている蜂はシュンさん程の大きさの蜂の事でしょうか?」
「ええ、よくご存じですね。私くらいの大きさでジャインビーの巣はここの城壁以上に高いですよ。」
「前の族長に聞いたことがあります。その昔とても大きい蜂の巣から採取した蜜から作った妖精酒を飲んだ妖精が居たそうですが、その味が普通の妖精酒の何倍もの美味しさだったと伝わっています。」
「えぇぇぇぇぇ!そんな妖精酒があるんですかぁぁぁ!飲んでみたーい!!!」
「私も死ぬまでに一度は飲んでみたいと思っております。しかしジャインビーの蜜を手に入れるのは奇跡が起こらないと無理だと言われています。ジャインビーが住む場所が蟲の谷で危険度が高く、蜜を手に入れるためにジャインビーの巣まで行く必要がありますから・・・ハァ・・・。」
「うぅぅぅぅ。そんな妖精酒の話を聞いたらもう普通の妖精酒で満足できなくなりますよぉ~。。。」
「仕方ありません。伝説の話です。私も前の族長から話を聞いた時にはシェリアリアスと同じ感想でした。」
「シュン~、ジャインビーの蜜取ってきてよぉぉぉぉ」
「シェリアリアス!無理を言うものではありません!いくらシュンさんが昔蟲の谷に住んでいたとしてもジャインビーの巣から蜜を採取するのは自殺行為です。」
「だってぇぇぇ・・・・」
「え~っと、ジャインビーの蜜ありますよ?」
「「「えっ!?」」」
「師匠と一緒に住んでいた時に、巣の欠片が錬金術の素材として必要だったため一緒に採取してあるけど・・・」
そう言うと俺はアイテムボックスからジャインビーの巣の"ブロック"を取り出す。
ジャインビーの巣の"ブロック"はカプセルホテルの様な感じで3部屋分あり、蜜が大量に詰まっていた。
それを見たエリナさんやローラーン、シェリアリアスは顎が外れるのではないかと思われる程ポカーンと口を開けて目を点にしながら巣を見ていた。
「ほわわわわわわ・・・、伝説のジャインビーの巣だぁぁぁぁぁぁぁ!」
「わ、わ、わわ、ど、どぉ~しましょ!っどぉ~しましょぉぉぉぉ!」
「シュ、シュンさん、こ、これって話にあったジャインビーの蜜なのですか?」
「はい。そうですよ。錬金術では、この巣の壁を使うのですが面倒だったので巣ごと取ってきたんですよ。」
「「「えっ!?め、面倒って・・・」」」
「で、これ使って作りますか?」
「い、いいんですか?」
「どうぞ!どうぞ!忘れていた物ですしアイテムボックスに入ってたやつなので取ってきた時と同じ鮮度ですよ。味見して見て下さい。」
エリナさんとローラーンは、ゆっくりと巣に指を入れ舐めてみると顔を蕩けさせ幸せそうにしている。
二人の姿を見たシェリアリアスは拳をツッコミ手に着いた蜜をペロペロと舐めて「おーいーしーいーぞぉぉぉぉ!」とどこかの味王の様に叫んでいた。
ローラーンさんはシェリアリアスの頭を叩き、どれほど貴重な物かとコンコンと説教をしていた。
エリナさんとローラーンはそのまま食べる用と妖精酒にする様に分けると蜂蜜を住民で分けて残りをアロン君達が作った樽に収めて妖精酒作りが始まった。
妖精達のテンションが上がりすぎていて、夜中でも歌を歌いながら妖精酒作りに精をだしていた。
エルフ達が住んでいる所からは多少離れているため聞こえていないと思うが、酒蔵は俺の住んでいる所の近くに作ってあるし、精霊達と一緒にテンションが上がった妖精が歌いながら俺の家の辺りを飛びまくっている為寝不足に陥ってしまった。。。
そんな生活が数日続き頭がぼ~っとしながらも俺は俺で聖水を手に入れるために街へ移動するための手段を講じていた。
「なあ、地球さん。楽に街まで行ける方法って無いかな?」
【そうだね。私の知識を使えば車でもバイクでも作れるのかもしれないけど、シュンだけでは無理でしょうね。】
「そうだよね~。素材も無ければ動力とかどうするかって問題もあるしね。」
【ガソリンとかを使ったエンジンは作らない方がよいでしょうね。でもそうすると新しい技術がなければどうしようもないもんね。】
「う~む。どうしたものか。。。やっぱり、馬とかいればいいんだけど見た事ないからなぁ~。」
【居ないものは仕方ないよね。お得意のゴーレムで作ってみれば?ゴーレム馬なら食事とかいらないし、言う事聞くだろうから制御が簡単だと思うよ。】
「おぉ~!それ良い案だ!でもゴーレム作る時のイメージ固めが難しそうだな。なんか参考になるのないかなぁ~。」
【そうだね。実物の馬をイメージすると失敗するだろうね。特撮かアニメとかで出た馬を参考にすれば良いかも。】
地球からアドバイスを受けて俺は特撮で出てきた馬をイメージしながら馬のゴーレム作成を行う。
ある程度のイメージは固まるのだが作ってみると足がうまく動かなかったり胴体が重すぎて足への負荷が掛かりすぎて折れてしまったりして失敗しまくっていた。
「シュンさん新しいゴーレムを作られているのですか?」
「エリナさん、そうなんです。皆さんの生活が落ち着いてきているので、ここを留守にしても大丈夫かなと思って、街に行って聖水を手に入れてこようかなと。」
「お一人で行かれるのですか?」
「その予定ですけど「ダメです!」」
俺の言葉にかぶせる様にエリナさんからダメ出しを食らった。
「聖水が必要なのも私たちの村の問題です。シュンさんだけにご迷惑をおかけするわけにはいきません!わ、私も一緒に行きます!!」
エリナさんは顔を真っ赤にしながら同行することを伝えてきた。
俺は微笑みながら「ええ、一緒に行きましょう。道案内をお願いしますね。」と返答をすると、さらに顔を赤くして「うん!」と頷くと手で顔を覆って家の方へ走っていった。
可愛らしいなと思いながらゴーレム馬を完成させるために頑張るのであった。




