移住
エルフ村の魔物の群れ襲撃事件が落ち着きを取り戻し、村長とエルフの村の戦士達数人が集まり戦後処理について話し合っている。
ゾンビの残骸はとりあえず被害が大きくならない様に土の棺に埋めたのだが、ゴブリンとハウンドの遺骸がいたるところに転がっているのだ。
「皆の衆、まずはご苦労様でした。疲れている所申し訳ありませんが、ゴブリンとハウンドの素材を集めてから話し合いをしたいと思います。」
「「「「「了解しました、村長。」」」」」
村人たちはゴブリンとハウンドを集めてから取れる素材を取った後、使えない亡骸を穴を掘って埋めた。
その作業が終わってから再度村長の元に集まってきた。
「村長、片付けが完了しました。」
「片付けご苦労様でした。避難した皆を迎えに行く必要がありますが、シュンくんから話があるそうです。」
「はい、私が石の棺で埋めたゾンビの残骸ですが、多分外に漏れないと思いますが危険である事には変わりありません。資料で読んだ所、聖水で清めないとあれは毒素を出すそうです。その為、聖水が手に入るまでは此処に住むのは控えた方が良いと思います。」
村長は腕を組み暫く考えながらポツリと呟く。
「ふむ、我々は森の民。この森と共に生きてきたが危険が分かっているのならば一時避難をすべきか・・・」
「ええ、移動ドアがあるのですぐにこちらに来ることは出来ますし、長時間いなければ危険は少ないと思います。ですので、寝泊まりは私の拠点で行い移動ドアでこちの様子を見に来るようにすれば良いと思います。」
村長は一つ頷くと、「分かりました。シュン君のご好意に甘えさせて頂きましょう。」
「では、まず皆さん私の拠点に移動しましょう。全員が集まれる家は作りましたが、一時避難とはいえ各自住む場所を決めて頂ければ家を作成します。その後、こちらの家で使われていた物を持っていくようにしましょう。」
「「「「?家を作る?」」」」
俺の言葉に村長たちの頭にクエスチョンマークが現れるのが見えた。
カルーゼがため息をつきながら俺の異常性を村長たちに説明しているが失礼な奴らだ。
一通り説明が終わって、とりあえず拠点に移動することになり村長宅に置いてある移動ドアから拠点に移動した。
「なんだ、ここは・・・」
村長の第一声は呆れている様な声だった。
「シュン君、ここは君が一人で作ったのかね?」
「城壁と、ここの家とあそこに見える家は作りました。この植林地はエリナさん達に頑張って頂きました。」
「この木々はエリナ達が育てたのか、あのハイエルフの様な姿の理由がこれなのか?」
「村長、疑問に思われることが多いと思いますが、まずは村人たちに説明を行いましょう。」
カルーゼはまず村人への説明が先だと言って避難している家に皆を導いていった。
「「村長、どうなりましたか?」」
村人たちは異口同音に状況を知りたいと村長に詰め寄った。村長は俺から聞いた情報を整理して村人たちに説明した。
説明が終わると村長が俺に近づき頭を下げ、拠点への移住に対してお礼を言った。
「シュン君、君の拠点へ我々一同お世話になります。何なりと手伝うのでよろしくお願いします。」
「何もない所ですけど、安全面では折り紙付きですのでゆっくりとお過ごし下さい。土づくりになりますけど各家庭に一軒家を作りますので村長と家を建てる場所を相談して下さい。」
村人たちは家の建てる位置の話だけではなく、エリナさん達がハイエルフの様になっている事の追及があったらしくチラチラとこちらを見ながら話を続けていた。
その頃俺はシェリアリアスからの相談を受けていた。
「ねぇねぇ、シュン。お願いがあるいんだけど。」
「ん?どうした?お願いって何?」
「え~っとね。私たち妖精って他の種族よりも小さくて弱いから安全に住める場所が少ないのよ。」
「そんな中シェリアリアスは、此処まで飛んできたのかい?」
「えっへん!見直した?私は危険な場所を回避するのが得意なのよ!」
「おぉ~!(パチパチパチ)」
「って、ちがぁぁぁぁぁう!!!そうじゃないの!確かに私はすごいけど、お願いは私たち妖精も此処に住まわせて欲しいのよ。」
「うん。いいよ。」
「確かに無理行ってるんだけ、え?いいの?」
「うん。別に空いてる場所好きに使ってくれていいよ?」
シェリアリアスはぱぁっと満面の笑顔になり俺ほっぺたにキスしてきた。その瞬間をエリナさんが見てたようでジト目になっていたのは秘密だ。
何故かはわからないが、後で誤解を解いておくとするか・・・。
シェリアリアスは妖精の皆に伝えに行くと言って飛んで行ってしまった。
その後少しして村長たちの相談が終わり俺は各自の意見を貰いながらどんどんと家を作って行き、家が出来た人はエルフ村の自分の家から荷物を運び始めた。
家を一通り作り終わると俺も荷物運びを手伝うがアイテムボックスを持つ俺が手伝うと荷物運びは速攻で終わってしまった。
俺の家は魔法で水を生成していたため井戸などが無くても問題が無かったが、エルフの人たちは水魔法が使えないため井戸が必要らしいので、土魔法を使って井戸を何個作成してみた。
その時に地球からの知識を貰い土魔法で作った物だが、手押しポンプを作成して試運転したところ正常に動いたため、それぞれの井戸に設置していき村人たちに使い方を説明した。
エルフ達は手押しポンプの良さに感動した様で水をドンドンと溢れさせて村長に怒られていた。
移住が完了して一週間ほどした時に村長が相談があると俺の家を訪ねてきた。
やはりカルーゼ達がハイエルフになったのが羨ましいらしく、俺にやってもらえないか相談に来たそうだ。
「ええ、エリナさん達にやった様にすることは何時でもできますが、育てる木々はどうしましょうか?城壁内に植えると全て森林地帯になりますよね?」
「そうですね。木材として使える木々を城壁の外で育てませんか?」
「それはよいですね、色々な木々を植えて近くに動物がやってこれるようにしましょうか。あとテイルさんから依頼があった訓練するための場所を作りましょうか。」
「ほう、その様な話があったのですか。」
「はい、どうやらカルーゼ達と魔物の群れとの戦いを見たテイルさんがカルーゼ達に何をしたのか聞いたらしく一緒に鍛えて欲しいと言われまして。」
「ふふふ、あのテイルくんがそんな事を。」
「そんなに意外ですか?」
「いえ、テイルくんの小さいころを思い出して、小さい頃は花が好きな心優しい子だったのです。」
そう言って村長は昔を思い出して笑顔になっていた。
村長からの相談の詳細を詰めて海側の城壁側に訓練場を作成して、城壁の外に木々を植えて何日かに分けて魔力を注ぎまくった。
うん、おれめっちゃ頑張ったよ。。。
村人全員ハイエルフになったし、城壁の外側に森林地帯できたもん。
そして、戦士たちの武器を頑張って作ったよ。。。練習用の矢も沢山作ったし。。。
村人たちは働き者達ばっかりでギュウル達の世話をしてくれる人や、植物を育ててくれる人たち、海で漁をしてくれる人たちと皆さん頑張ってくれるので食生活は充実してきている。
そして希望者達に訓練を実施するため、的ゴーレムを作成して訓練場を動き回るようにした。訓練当初全く矢を当てる事が出来なく体力の限界まで動き待ったエルフ達が城壁内で倒れている光景が良く見受けられた。
俺の家の近くにある露天風呂より大きいサイズをエルフの家が立ち並ぶ場所に作り、共同風呂として使える様にした。うん。施設が充実してくね!
俺はちょこちょこ隙を見ながら食事の質を上げるために前に捕ったカツオモドキを鰹節にすべく施設を作成して何個か作ってみたが全然上手く作れなかった。
その為、地球と相談して禁断の技術を生み出す事に成功したのだった。。。
何と!ゴーレムに地球で作っていた方の知識をダウンロードして代わりに作ってもらうという方法だ!
最初の一個が出来るまではドキドキワクワクしながら待っていたが、完成した鰹節をゴーレムが渡してきた時は手が震えてしまった。
削る道具が無い事に気づいたからだ・・・
鰹節を削る道具が作れるか、買えるかするまで封印するか・・・はぁ。




