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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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妖精

南西の方で精霊が活性化していると噂を聞き、真偽を確かめるために私は一人で南へ旅立った。

途中で魔物の群れを見かけたけど、私には何も出来ないので近寄らずに行くわ。


南西へ向かて飛んでいると確かに精霊達が多くなっている様に感じる。私たち妖精は人間たちに比べると精霊に会う事が多いけど、ここは異常だわ。

昔ここを飛んだ時には何も無かった。私が見逃したというの?でも、やっぱり結構飛んできたけど何もないわね。

精霊達も確かに多いけど、特に面白い物もないし何なんだろう?


原因を探して何日か飛んでいた私は原因探求にも飽きて、ふわふわと風の流れに任せて空を飛んでいた。日が落ちて辺りが暗くなったため、どこか休めるところが無いか探していると微かに声が聞こえる。


これは何だろう?誰かがお話しているのかな?どこから聞こえてくるんだろう?


そう疑問に思っていると向こうの方で精霊達が集まっているのを感じる。私は声が聞こえ精霊達が集まる場所へ向かって飛んでいくと目の前に巨大な壁が見えた。


「う、嘘。前にこの辺りを飛んだ時、こんなの無かったのに。。。」


私は目の前の壁が信じられずに見ていると、また声が聞こえてきた。声が聞こえると同時に精霊達が活性化していく。


「な、何が起こっているの?」


私は上空高く舞い上がり、こっそりと声のする方へ飛んでいくと人間の男とエルフの女が声を出していた。その周りを精霊達が嬉しそうな感じでフワフワと漂っているのが見えた。


私はゆっくりと近づいて行くと、人間の男がこちらを向いた・・・



□□□ □□□ □□□ □□□ □□□ □□□


エリナさん達がハイエルフになって数日たち、今日は錬金術の授業を辞めて歌を教えるために外に出ていた。


「エリナさん、シュテーナちゃん今日は「そばかす」って歌と、「明日も」って歌を教えるね。」


俺は脳内で演奏を鳴らし、「そばかす」と「明日も」を歌い二人に教えて一緒に歌う。

いつも歌を歌っていると近くに寄ってくる精霊達が今日も沢山集まってきており、今日教えた歌だけではなく色々と歌っていると上空に見慣れない物体がフヨフヨ浮いていた。

最初は目の錯覚かと思ったが、ゆっくりとこっちに近づいて来ている。俺はその物体に見ていると向こうと目が合った。

飛んでいる物体は俺と目が合うとピタッと止まった。俺が上空を見ているのに気づいたエリナさんが上を見ると妖精を見つけた。


「あ、妖精さんだ。珍しい。」


「え?妖精?あれが妖精なの?」


「ええ、私も一度だけ会った事があるんですが、背中に羽の生えた小さな可愛らしい方でした。」


「友好的な種族なのですか?」


「はい。とても友好的で好奇心旺盛な種族なんですよ。初めまして。よかったらこちらにおいで下さい。」


エリナさんが妖精に声をかけると、妖精が声を掛けられた事に気づきエリナさんの近くに降りてきた。

妖精は身長20㎝で銀髪が肩くらいまであり、背中に綺麗な虹色に輝く羽が生えてた前世のフィギュアを思わせる姿をしていた。

エリナさんは手を出すと、そこに妖精は降り立ちエリナさんに向かって挨拶を始めた。


「ご機嫌麗しゅう、ハイエルフ様。初めまして、私は妖精族のシェリアリアスと言います。お見知りおきを。」


そう言ってペコリとお辞儀した。


「ご丁寧な挨拶ありがとうございます。私はエルフのエリナと申します。」


エリナさんがそう挨拶すると、シェリアリアスは驚いた顔をした。


「エルフ?ハイエルフではないのですか?」


「ええ、私はエルフです。最近ちょっとした出来事があり魔力量が上がりました。」


「そちらにいらっしゃる方もハイエルフでは無いのでしょうか?」


「ええ、シュテーナちゃんもエルフですよ。」


「えええええええ!何が起こってるのよ、ここはぁぁぁぁぁぁ!」


妖精のシェリアリアスがいきなり壊れた。


「あなたは何!普通の人間よね!?」


シェリアリアスは俺に向かって詰問してきた。


「は、はい。人間で間違いないです。」


【ハイヒューマンって教えたじゃん!】


「(いいの、なんかあの妖精さん急に激高してきたから落ち着かせるために、こう言うしかないじゃん。)」


息切れしたシェリアリアスはハッ!として姿勢を正すと


「申し訳ありません。取り乱しました。」


「いえいえ、落ち着いたようで良かったです。」


もう少しシェリアリアスが落ち着くのを待ってから、エリナさんが質問をした。


「シェリアリアスさんは何かあってこちらにいらしたのでしょうか?」


「あ、はい。最近、精霊達が南西の方で活性化していると噂を聞き、原因を調査しにきたのです。そうしたら声が聞こえてきたので見てみると精霊達が活性化していたのでお伺いしました。」


「そうだったのですか?原因は判明しましたか?」


「えっ!?それは本当に言っていますか?まさか本人気づいてない!」


「???私が原因なのですか???」


「ま、まさか本人が本当に気づいてないなんて・・・は、はい。エリナさんが先ほど話をされていた時に精霊達が活性化していました。」


「話?今も活性化しているのでしょうか?」


「いえ、先ほど大声で話をされていた時です。」


「大声?歌を歌っている時の事でしょうか?」


そう言って、エリナさんは歌を歌いだす。


「そう、これ!これが原因です!歌というのですか?精霊達の歓喜が溢れています。」


シェリアリアスのテンションも高まっていき、精霊達と一緒にエリナさんの周りをグルグル飛び回っている。

エリナさんは一曲歌い終わると綺麗に一礼した。


「あぁ、本当に凄い。エリナさんの歌を聞くと心が晴れやかになります!もう一回歌って下さい!」


シェリアリアスがエリナさんにアンコールをお願いして、エリナさんが笑顔でもう一曲歌った。


「さっきと違う歌なんですね、これもとても良いです!エリナさんは素晴らしい人です!」


「ふふ、ありがとうございます。でも、この歌はシュンさんが私たちに教えてくれたのですよ。」


「え゛え゛え゛!?この人間に教わったぁぁぁぁ!」


うん。失礼な妖精だな、こいつ。俺は少し機嫌が悪くなったが、エリナさんがこっちを向いて少し苦笑して頭を下げた。俺は苦笑しながら頷いた。


「そうだよ。俺がエリナさんとシュテーナちゃんに教えているのさ。尊敬した?」


「あ、ありえないわ。人間にこんな素晴らしい物を作ることができるなんて。。。」


シェリアリアスは認めたくないのか、一人でブツブツ言いながら一人の世界に入っているようだ。少し待ってみたが中々戻ってこないので二人を見てみるとシュテーナちゃんが欠伸をしていた。


「シェリアリアスさん、もうそろそろお休みの時間なので俺たちは家に戻るけど、君はどうする?夜も遅いし、ここは安全だけど野宿するより良ければ家で寝ないかい?」


シェリアリアスが一人の世界から戻ってきて、「妖精である私が泊まってあげるわ!感謝しなさい人間!」と言い出したので、「あ、野宿でどーぞー」と言って家に向かって歩き出した。


「あーん。ごめんなさい!調子にのりました!」


そう言って俺の前に飛んできて頭を下げた。


「わかればよろしい。でも一部屋あてがう事ができるけど、扉開けれないよね?どーしようか?」


俺がそういうとシュテーナちゃんが「はい!」って挙手しながら「私の部屋で一緒に寝ませんか?」と相部屋を提案した。


シェリアリアスは笑顔になり、「よろしくお願いします!」とシュテーナちゃんの肩に降り立ちほっぺたをくっ付けていた。


俺たちは家に戻り、お休みの挨拶をして各々部屋に入って行った。その日シュテーナちゃんは、シェリアリアスと夜遅くまでお話をしていたそうだ。


次の日の朝、俺は朝日と共に起きだし顔を洗ってから朝食の準備を始める。暫くするとエリナさんが起きてきて朝の仕度を終わると挨拶を交わし朝食の手伝いを始めた。


「昨日はビックリしたね、妖精って初めて見ましたよ。」


「そうですね。私も二度目ですが妖精さんは滅多に人の前に現れないそうですから。」


「そうなんですか、シェリアリアスは変わった妖精なのかもしれないね。」


そう他愛もない会話をしながら朝食を作っているとあっという間に完成した。俺はカルーゼとアロン君を起こしに行き、エリナさんはシュテーナちゃんを起こしに行った。

カルーゼとアロン君は毎日能力が上がった事による感覚の違いを合わせるために全力で修業していた。


カルーゼとアロン君は寝ぼけ眼で朝の仕度をしに行き、俺は配膳をしているとエリナさんとシュテーナちゃん、シェリアリアスが下りてきた。

シュテーナちゃんとシェリアリアスは朝の仕度をしに行くと、エリナさんが苦笑しながら夜遅くまでお話していたことを教えられた。


食卓でシェリアリアスをカルーゼとアロン君に紹介して朝食を食べ始めると、シュテーナちゃんとシェリアリアスの会話の続きが始まった。


「私が噂に聞いた精霊の活性化の原因を探るために危険を顧みず事件を解決しながら旅をしたわ!」


「どんな事件があったの?」


「そうね、それは壮絶な事件よ!あ、そういえば話は変わるけど、ここに来る時に魔物の群れを見たわ。あの辺りにいるエルフがいるって聞いたことあるけど大丈夫かな?」


シェリアリアスがそう呟くと、カルーゼが立ち上がった。


「シェリアリアス!その話をもっと詳しく教えてくれ!」


事件発生・・・?

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