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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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ガラス

エリナさんとシュテーナちゃんの錬金術の勉強が始まった。

今は低級ポーションの作成なので大き目なコップに入れているが、ポーションを作成できるようになったらちゃんとした入れ物に入れてあげたい。


やはりポーションと言ったら、ガラス瓶の様な入れ物に入っているのを想像してしまう。これも前世の記憶のせいだろう。

しかし、ガラス瓶を作るのが相当難しい。ガラスの原材料は「珪砂」「ソーダ灰」「石灰石」の3つで、これを1500度の高温で溶かして引き延ばすとガラスが作れるらしい。


材料は実は結構な量がアイテムボックスに入っている。これは師匠との生活中に集まったのだが、溶かす用の釜が作れなかった。

そこで錬金術の融合を使ってガラスを作ってみた所、普通に成功してしまった。

しかし、俺が望んでいるのはポーションを入れる様な瓶、しかし出来たのはデコボコのガラスの塊だった。


このガラスの塊をガラス瓶の形にするのにどうするか悩むが、思いつくのは高温の釜を準備して溶かすしかない。

もし、高温の釜を作ったとしても高温を作る炭がない。炭を作る窯を作っても炭にする木が無い。


無い無い尽くしなのである。。。はぁ・・・もう手が無い。


ウーウー唸りながら色々と考えていると師匠との会話を思い出す。


「師匠、この魔法陣は誰が考えだしたんですか?これ凄いものですよね。」


「ふふふ、恐れ戦け!そりゃ、ワシが作り出したものじゃ。」


「えっ?師匠がこの魔法陣作り出したのですか?」


「そうじゃ、ワシが若い頃に天啓を受けて作り出したのじゃ。まぁ、偶然の産物じゃがな。ワハハハ!

錬金術はこの魔法陣が出来て急速に発展したのじゃよ。」


「魔法陣はどういう仕組みなのですか?」


「・・・しらん。」


そういうと師匠はプイッとそっぽを向いた。

俺は師匠を宥めて詳細な話を聞くと本当に錬金術をやっている時に疲れて倒れてた時にふと頭に浮かんだのだそうだ。

それが何を意味しているのか分からないまま頭に浮かんだ魔法陣を洋紙皮に書き込み使ってみた所、正常に動作したのだそうだ。

なので師匠が作り出したとはいえ、その魔法陣自体の仕組みは分からないらしい。

この魔法陣を分析にかけたりもしたそうだがダメだったらしい。


今現在も魔法陣を分析・研究している人もいるらしいが成果が上がってないと聞いている。


しかし、前世の記憶と地球という知識の塊を持つ俺なら何かしら導き出せるのではないだろうかと地球と相談した結果、2種類の新しい魔法陣の作成に成功してしまった。


一つは望んでいた「成形」の魔法陣。もう一つが「腐敗・発酵」の魔法陣。

地球の知識はさすがに凄いもので、この新しい魔法陣の9割は地球の力によるものだった。


ただ、この魔法陣物凄く扱いが難しい。

「成形」の魔法陣は自分がイメージしたものがハッキリしていないとバッタ物みたいになってしまい、さらに成形する物体の硬度によって使用する魔力が増大してしまうのだ。


「腐敗・発酵」の魔法陣は魔力の注入に失敗するとほぼ全て腐敗してしまうのだ。

発酵して作るものがギュウルから取れるギュウル乳から作れるヨーグルトとチーズしか試せなかったから検証が足らないのだが。

ちなみに成功したのはヨーグルトで、シュテーナちゃんが喜んで食べていた。


「成形」の魔法陣でガラス瓶を作って強度を確認した所、前世のガラスのコップよりちょっと硬い位だった。

とりあえず、入れ物にある程度のカッコよさを求めてしまうのは仕方ない事だろう。ただし、持ち運び安さを考慮した入れ物にしなくてはいけない。

試験管の様な円柱型と六角形型を作り、その他には某ゲームのジュースが発売された時の入れ物を作った。

そしてゴーレム達が倒したワニ型の魔物の皮を使い腰に付けれるカバンを作り、二人にプレゼントしたら物凄く喜ばれた。


ガラスの成形が出来る様になった為、カルーゼとアロン君をこき使って家の窓を全てガラス窓に変えた。


このガラスの窓を思いのほかカルーゼが気に入ってエルフ村の窓もガラス窓に変える事を約束してしまった。


そして、やはりガラスと言えばコップ。これには全員のテンションが上がり各自5個位作らされた。

一番こだわりを持ったのがエリナさんだったのが意外だったが。



エリナさんが拘ったガラスのグラスを作った事でガルルスから貰ったブドウを思い出た。ワインを作る素材があったんだった。


まずはガルルスの所で貰ったブドウを植えてエリナさんに根付くように魔法を使ってもらった。

ワインに合うブドウとの事で樽を作る必要があったので、トレントの木を加工して樽を作ってみたが、上手い事作れなかった。

知識があっても作れないの典型だな。樽づくりに四苦八苦していると海から帰ってきたアロン君が樽作りが得意らしく手伝ってくれた。


誰にでも特異な物があるのだと認識した瞬間だった。あの遊ぶことしか能がないようなアロン君が作る樽が物凄くキチンと出来ていた。

穴が無いか水を入れて試してみたが全く漏れなかった。色々な時に使えそうだったからアロン君には申し訳なかったが50樽程作ってもらった。アロン君はもう働きたくないとブツブツ言って目が死んでいた。


エリナさんとシュテーナちゃんに手伝ってもらい、ブドウを潰して樽に詰めるだけなんだがそのブドウが大量にある。

潰す詰めるを繰り返すこと樽30個分。全ての作業が完了するのに3日かかった。


ワインを保管する倉庫を別に作る必要が出来た為、家の近くに日光が入らない建物を作り樽を収めていく。

毎年収めて行く予定なので年ごとに分かる様に棚を分けて数字を刻印した。今回は1年目なので1を刻印。


意味があるのかないのか分からないけど、美味しくなりますようにと祈りを込めて魔力を放出してみた。

地球から意味ないと思うよ。との言葉を頂いたが。


ただ作ってから思ったが、俺前世ではお酒の美味しさが分からない男だったんだよなぁ~。今世は美味しいと感じる事が出来るのだろうか?

ビールとかウィスキーとか日本酒とか機会があったら挑戦してみたいものだ。この世界に同じようなお酒があれば飲んでみたいな。

あと2年後と決めているけど。


そういえば、エルフの村ではお酒が無かったんだったな。エルフは飲まないのか高価だから少量しか買わないのかどっちなんだろうか。


とりあえず、ワインは仕込んだけど他のお酒って材料なんなんだろうか?

日本酒は米、ウィスキーは麦およびトウモロコシ、ブランデーはワインを蒸留したもの。

焼酎はコメまたは芋など、ウォッカ入らない大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモ。テキーラはサボテン。


う~ん。作る材料がないな。

前世では全く興味無かったけど、こうして地球の知識を見てみると面白い物だな~。

前世で知ってもお酒は自分で作ったらダメなので作れなかったんだけど。


確かアルコール度数1度以上がお酒として定義されるんだったか?


今回仕込んだワインのアルコール度数は何度くらいになるんだろうな?ってか、測り方ってどうやるんだろ?

そこまでキッチリする気はないんだけど。


そんな一日を過ごした俺は夜中一人でこっそりと「成形」の錬金術を行っていた。

そうガラスが作れたことにより前世で好きだったゲームの武器を作りたくなったのだ。その名も「ガラスのつるぎ」某ゲームで最強武器の一角として有名で一度使うとぶっ壊れるものだ。


そりゃ、ガラスだもん。そんな物で殴れば壊れるのが当たり前だ。それでも浪漫武器として作ってみたいではないか。


残念ながら「ガラスのつるぎ」のイメージは探せなかったので、オーソドックスなブロードソードの形で作ってみた。


「おぉ~!これがガラスのつるぎか・・・何か感動だなぁ~」


夜中に一人ブツブツ言いながら月光に煌めくつるぎをみてニヤニヤしている気持ち悪い男の影があったとか・・・

そんな姿を精霊だけが見ていたのであった。

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