精霊×ゴーレム×錬金術2
錬金術に初めて触れた二人は興奮しており、夜遅くまで色々な物の分析を行っていた。
流石に魔力が少なくなり疲れが現れてきたので本日の錬金術の授業を終わり就寝した。
夜も更けり皆が寝静まった頃、外でガンガン殴り合う音が聞こえた。様子を見に外に出てみると沢山の精霊達がいたが、朝に作ったゴーレム達が戦っていた。
「ん?なんだ?俺の指示にない行動を取っている?」
戦っているゴーレムに近寄り、動きを止める様に指示を出すも無視され暴れていた。俺は何が起こったのか分からず眺めていると一体のゴーレムが壊れて倒れた。
倒れたゴーレムを見てみようと近寄ると魔石が設置してある箇所から精霊がフワフワっと出てきた。
「えっ?精霊が何でゴーレムから出てくるんだ?俺が作った時には入ってなかったはずだが・・・」
暴れているゴーレムを捕まえ、魔石の部分に魔力を流してみると魔石の場所から精霊がフワフワと出てくる。
「ゴーレムに精霊が宿った?いや、精霊達が自分で動かせる物だったから操っている?」
俺は精霊が集まるように歌を歌う。ゴーレムに宿っている精霊達もゴーレムのまま集まってくる。
「俺の言葉はわかるかな?分かったら俺の左手に集まってくれる?」
そういうと、精霊達は左手に集まってきた。どうやら俺の言葉は理解できるようだ。
「ゴーレムに宿ったのは何か理由があるのかな?必要だった場合は左手に、遊びの場合は右手に集まってくれる?」
精霊達は右手に集まってくる。うん。俺が作ったゴーレムに精霊達が宿れたから遊んだみたいだな。
「え~っと、動かせる体が欲しかったのかな?「はい」の場合は・・・」
そう言いかけていると、すぐに俺の周りに精霊達がフヨフヨと纏わりついてきた。
なるほど、普段できない事が出来るから楽しいんだろうな。でも、ここを守るゴーレムを操られるのは困るな。
「精霊さん、そのゴーレムはここを守るために作ったゴーレムなので遊びで使わないでほしいな。もし、精霊さん達が宿るゴーレムが欲しいのなら明日にでも何体か作るからさ。ダメかな?」
ゴーレムに宿っていた精霊達は魔石から出てくる。どうやらこちらのお願いを聞いてくれるようだ。
【シュン、精霊達が作ってくれるゴーレムの大きさを言ってきてるよ。う~んとね、シュンに分かりやすく言うとガンプラサイズが良いらしいよ。】
「地球は精霊の言葉が分かるの?」
【ま~ね、伊達に惑星をやってないよ。】
「意味わからん・・・ま、とりあえず大きさが分かったから明日作るよ。とりあえず壊れてるゴーレムを修理して指示し直すか。」
ゴーレム達の修理を行い、再度指示を出して家に戻ろうとするとエリナさんが玄関からこちらを見ていた。
「すいません。起こしてしまいましたか?今朝作ったゴーレム達が精霊達の玩具にされたみたいで」
苦笑しながら説明すると、
「いえ、歌が聞こえたので・・・」
「はは、拙い歌で申し訳ないです。ここに居る精霊達が歌を気に入ってくれてて、下手糞でも歌うと集まってくれるんです。」
「とっても素敵な歌でした。もしよろしければもう一度歌って頂けませんか?」
俺は顔が赤くなるのを感じながらも頷き、家から少し離れて上を見上げると月が見えた。この世界にも月があるんだなと考えながら「月光花」を思い出したので歌いだす。
俺が歌っている間、エリナさんは目を閉じながら静かに聞いていた。
歌い終わり静寂な時が流れるとパチパチと聞こえ拍手をしているエリナさんを見て会釈をする。
「拙い歌ですが、ご清聴ありがとうございました。」
「とても素晴らしい歌でした。その歌はシュンさんの故郷の歌ですか?」
「そうですね。遠い遠い場所にある故郷の歌です。」
「あ、ごめんなさい。不躾な質問をしてしまいました。」
「いえ、こちらこそ申し訳ないです。そういう意味で言ったわけではないんです。故郷に戻りたいわけでもありませんから気になさらないで下さい。」
「もしよろしければ、シュンさんが知っている歌を教えて貰って良いですか?」
「ええ、私が知っている歌が何曲かありますからお教えしますね。」
「はい!」
エリナさんが良い笑顔で返事をして少しの間精霊たちの話をしてから部屋に戻り眠りについた。
翌朝、皆が起き朝食を済ませるとカルーゼ達は植物の成長を促す作業に取り掛かり、俺は昨夜約束した精霊用のゴーレムを作り折角なので、家のそばに棚を作りゴーレム達を飾る。棚から出撃出来る様にスライダーと戻るために階段を設置した。
昼はカルーゼがアロン君とシュテーナちゃんに弓の指導を行い、俺はエリナさんに歌を教えていた。
弓の練習が終わるとアロン君は海に遊びに行きたいらしく、カルーゼと一緒に海へ遊びに行った。
シュテーナちゃんは歌に興味があるらしく、エリナさんと一緒に歌を覚えていた。
そんな時間を過ごしていると、ゴーレム達が魔物を持ってやってきた。どうやら城壁に攻撃を加えようとした魔物らしくゴーレム達が魔物を退治したようだ。
ゴーレムに倒された魔物はワニに似た魔物だった。
全てを解体するのも時間が掛かるので1体だけ解体して他はアイテムボックスに仕舞っておいた。
前世で食べたワニの様に鶏肉に近い肉質だったため唐揚げを作りたかったが材料が無いため諦めた。
それでも折角よさげな食材なので野菜と一緒に串に刺し焼き鳥っぽく仕上げた。
しかし、ゴーレム達ってこんなに強いのか?ワニ達10匹位いたぞ。師匠が使ってたゴーレムって蟲にあっさり壊されてたけど蟲が異常に強いって事なのか?
そんな事を考えながら夕食の準備をしていたらカルーゼとアロン君が帰ってきた。
二人は手にカニを持っており、夕飯に出してくれと手渡してきた。
折角なので、カニ鍋(鍋無いけど)を作るべく外に干してある昆布っぽいので出汁を取りエルフの村で分けて貰った野菜を切って準備を整えた。
夕食でワニ串を食べたが、本当に鶏肉に近い食感で何串でも食べられそうな気がする美味しさだった。
前世でもそうだったがカニ鍋のカニは何となく食べずらいんだが、エルフ達はバクバクと美味しそうに食べていた。
夕食が終わり少しの休憩の後、錬金術の授業を開始される。
「では、昨日の続きですが、錬金術には先人たちが作られたレシピがあります。そのレシピは作り安いLv1から難しいLv10の10段階に分けられています。Lv3が安定して作れる様になると錬金術師を名乗っても良いらしいです。Lv5を安定して作れる様になると中級錬金術師、Lv7で上級錬金術師と呼ぶそうです。」
「シュン先生、Lv10を安定して作れる人は何と呼ばれるのですか?」
「Lv10で、神仙錬金術師と呼ばれるそうです。私の師匠がLv8を安定して作れてたそうです。師匠でも失敗するのがLv9、Lv10のレシピとなります。安定して作れる様になるよう頑張りましょう。」
「「はい、頑張ります!」」
「まずはLv1のレシピですが、雑草を使って低級ポーションを作ります。錬金術になれる為に生み出されたレシピで素材もそこら辺に生えている雑草を使う事から無料で作ることが出来ます。」
「雑草でポーションを作るんですか?!」
「ええ、低級ポーションと呼ばれています。小さい切り傷の血止めに使える程度ですが畑に撒く栄養剤としても使えると聞いています。ですので安心して魔力枯渇するまで作ってみて下さいね。」
俺は満面の笑みで二人に大量の雑草と低級ポーションを入れるコップを渡し、お手本として低級ポーションの作成を実践した。
「初めてシュンさんが錬金術をしている所を見ましたが、とても滑らかに作られるのですね。」
エリナさんが感心したように俺の手裁きをほめてくれる。
「さて、お二人とも魔力枯渇寸前まで頑張りましょう!何度も何度も作ってみる事でコツが掴めてきますので。」
二人が作り始めて1時間位経った頃、エリナさんが低級ポーションの作成に成功した。
「やった!ポーション作成できました!」
良い笑顔で俺に報告してくる。俺も笑顔でなり「よくできました!」と返事をした。
それから30分ほどした頃、シュテーナちゃんも低級ポーションの作成に成功した。
「やっとできましたぁ~。よかったよぉ~。」
シュテーナちゃんの目に涙が貯まっていた。俺はシュテーナちゃんの頭を撫でて「よく頑張りました!」と声をかける。
「はい!ありがとうございます!この感覚を忘れない様にもっと練習します!」
成功したことでやる気が増したのかシュテーナちゃんがさらに低級ポーションの作成に気合をいれた。
その後、2時間程すると二人とも2~3割の割合で成功するようになるが、魔力が枯渇寸前になり今日の錬金術の授業を終了した。




