錬金術
午前中にカルーゼ達が植物を育てて貰っている時にゴーレムを作り拠点の防衛力を強化した。
その後、昼食を取り一休みした後移動ドアを通って海へと出た。
「うわあああああ!すごいすごいすごい!」
シュテーナちゃんは初めての海に大興奮していた。
その頃、アロン君とカルーゼが海に突撃している所だった。
「はぁぁぁ。海って凄いんですね。辺り一面海ですよ。」
「ええ、これが海で皆さんが食べた魚や貝がいます。あとあの水を舐めてみると分かりますが塩辛いですよ。」
「え?塩の味がするんですか?」
「ええ、海に行ってみましょうか。さあ。」
そう言って俺はエリナさんとシュテーナちゃんに手を差し出して海水近くまで移動する。
「冷たいッ!」
アロン君とカルーゼが泳げないながらも海に潜って大はしゃぎをしているのを横目に見ているとエリナさんとシュテーナちゃんが海の水を触り指についた水滴を舐めていた。
「あ、本当に塩の味がします。」
「本当だ、塩辛いです。」
「実際に海水から塩が取れますよ。錬金術の練習にも使えます。」
二人は不思議に感じながらも初めての海に感動しまくりだった。
「シュン!今朝食べた貝がいるぞ!」
「シュンさん、魚がいっぱい泳いでるよ!」
「うん。海にはまだまだ知らない生き物がいっぱいいるよ。もしかしたら魔物もいるのかもしれないね!」
「シュテーナ、エリナさん。二人も海に入って見てよ。見たことも無いものがいっぱいいるよ!」
カロン君がそう言って二人を海に引っ張っていった。
エルフの4人が海ではしゃいでいる時に食材となる海草や甲殻類、貝、などを取り4人が落ち着くのを待つ。
「はぁはぁはぁ。シュン、海はすごいな。」
そう言いながら息を切らせたカルーゼが海から上がってきた。
エリナさんとシュテーナちゃんも海から上がってきた。海水に濡れて服がピッタリとくっ付いていて少し目のやり場に困る。
「色々初めての物を見ました。知らない物っていっぱいあるんですね。」
「ええ、たぶんこの世界は未知の物に満ち溢れていると思っています。色々と見ていきたいですね。」
そんな話をしているとアロン君が海から上がってきて砂浜に倒れこんだ。
そんなアロン君を見つけたシュテーナちゃんは焦って駆け寄り抱き上げると満面の笑みで気絶していた。
「エリナさん、アロン君が気絶してます。ど、どうしましょう。」
「思いっきり遊んだから体力を使い切ったんだね。風を引かない様に服を脱がせて少し寝かせて置いたら大丈夫だよ。」
そう言ってカロン君に近づき、担いで岩場に運び服を脱がせて寝っ転がす。
カルーゼも疲れたのか岩場で横になっていた。
「色々と捕ったんですね。初めて見ますがこれも食べられるのですか?」
「ええ、こっちはエビでこれはカニです。茹でても美味しいし焼いても美味しいですよ。夕飯で調理しますので楽しみにしてくださいね。」
「はい!楽しみです!シュンさんが作って頂いた料理は全て初めてですのでとっても楽しみです!」
エリナさんが返事をする前にシュテーナちゃんが元気に返事をした。
「ふふ、ありがとう。頑張って料理するからいっぱい食べてね。」
「はい!」
暫く休憩しているとアロン君が目覚めた。
「シュンさん、海って凄いですね!とっても面白いです。もう一回行ってきていいですか!」
「うん、いいけど今度は気絶するまではダメだよ。」
「はい!気を付けます!」
そう言ってアロン君は海へ走っていった。
エリナさんとシュテーナちゃんと共に食材の取る場所などを教えながら過ごし日が沈み始めるころ、拠点に戻ろうと話しているとアロン君が海から上がってきて砂浜に倒れこんだ。
シュテーナちゃんが急いで走りかけよると満面の笑みで気絶していた。。。シュテーナちゃんはアロン君の頭を叩いてこちらに戻ってきた。
「アロン君また気絶してました・・・」
「「はぁ~。」」
カルーゼとエリナさんがため息を吐き俺は苦笑しながらアロン君の元へ向かい担ぎ上げた。
食材をカルーゼ達に持ってもらい移動ドアで拠点に戻る。
海水のベタベタを取るために露天風呂に入り、上がってから夕飯の準備を行う。
やはりお風呂に入ると石鹸とか欲しいなと感じるのは前世での記憶があるからだろうか。カルーゼ達は風呂に入るだけで満足げだが、俺は折角のお風呂だから綺麗にしたい気持ちが強い。
錬金術にも石鹸を作るレシピは無かったな。地球の記憶を見て作り方を今度調べてみるか。
夕飯は海で話をした通り、エビとカニを使った料理で茹でたのと焼いたのを作り、昆布っぽい海草で作った出し汁でカニしゃぶを準備した。
「カニおいしぃぃぃぃぃぃぃ!」
海からテンションの高かったアロン君が叫んでいた。
「本当に美味しいですね。茹でたのと焼いたので味わいが違いますし、このカニしゃぶですか?この味もまた違った味わいです。」
「ね、言った通り美味しいでしょ。甲殻類と呼ばれる種類ですけど苦手な人もいるらしいので気に入って良かったです。」
カルーゼとシュテーナちゃんは黙々とカニを食べていた。やはりどの世界でもカニを食べると無口になるものなのだろうか・・・。
夕食後、少しゆっくりしてから錬金術の授業をはじめた。
「では最初に錬金術の基礎をお教えします。たぶん、錬金術の歴史から入ると寝てしまいそうなので文字が読めるのならあそこにある歴史本を読んでみて下さい。」
「「はい。わかりました」」
「錬金術は各魔法陣を使って、「分析」「分離」「結合」「抽出」「融合」を行い自分が望むものを作り出します。」
「魔法陣ですか?」
「はい。これが基本となる5つの魔法陣です。」
そう言って、俺は布に掛かれた魔法陣を取り出す。
「これが、「分析」の魔法陣で素材の分析、作った物の分析を行います。この「分析」の魔法陣が錬金術の要です。」
「シュン先生、質問があります。」
「はい。シュテーナちゃんどうぞ。」
エリナさんとシュテーナちゃんは錬金術の授業の時は俺を先生と呼ぶ事を決めたそうだ。
「シュン先生が私たちの村に来られた時に薬を作って頂けましたが、その時先生は空中で薬を作れていましたが今教わっている錬金術とは異なるものなのでしょうか?
「良い質問ですね、シュテーナちゃん。」
シュテーナちゃんは褒められて少し嬉しそうに俯いた。
「今見せている布に掛かれた魔法陣は、どこに書いても良いのです。土の上でも空中でも。私は魔法陣を魔力を使って空中に書いていたのです。この魔法陣の布が無くてもどこでも錬金術を行えるように基本となる魔法陣を覚える事が大切です。」
「この5つの魔法陣をどこでも書けるようになる事が大切なのですね。」
「そうです。常にこの魔法陣を持っているとは限りません。錬金術のレシピを覚えていても魔法陣を持っていなければ使う事は出来ないですからね。」
「「はい。わかりました。」」
「では、次に、これが「分離」の魔法陣です。これは複数種類の成分を分ける時に使います。
次に、これが「結合」の魔法陣です。これは分離とは逆で複数種類の成分を結合させる時に使います。
そして、これが「抽出」の魔法陣です。この抽出の魔法陣は成分を取り出す時に使います。取り出した成分が空気に触れるとすぐに性能が変わるものがあります。抽出の魔法陣は取り出した時に魔力を纏わせて成分が変わらない様にしています。
最後に「融合」の魔法陣がこれです。融合は異なる成分を混ぜ合わせて全く異なる成分を作り出す時に使います。
「結合」との違いは、結合で結び付けた素材は「分離」で元に戻すことが出来ますが、「融合」した素材は「分離」すると全く違うものが分離されます。」
「これが錬金術の基本ですか。」
「ええ、この魔法陣と素材の組み合わせで自分が望む物を生み出します。あそこに錬金術のレシピの本がありますので、時間が出来たら読んでみて下さい。」
「「はい。わかりました。」」
「では、今日は海で取ってきた海水を使って錬金術の練習を行ってみましょう。このコップに海水を入れて「分析」の魔法陣にかけてみて下さい。」
俺は二人分の魔法陣の布を渡し海水を分析するように指示をだす。
「まず魔法陣の真ん中に分析する物を置いて下さい。そして魔法陣に手を当て魔力を流してみて下さい。」
二人は魔法陣にコップを置き魔力を流す。
「あ、何か頭に浮かんできます。ケイ素?アルミニウム?鉄、カルシウム?カリウム?ナトリウム?何か色々な物が浮かんできます。」
「それはコップに使われている成分ですね。魔法陣に魔力を流す時に分析したい箇所だけをイメージしてみて下さい。」
「頭に浮かぶ内容が変わりました。水、塩化ナトリウム?塩化マグネシウム?何か分からないですけど。」
「そうです。今頭に浮かんだ物が分析した結果です。成分だけしか頭に浮かばないのは効力がない物の場合です。ポーションなどを分析した場合は、効能も頭に浮かびます。何故その様になっているのかは解明されていません。錬金術の7不思議の一つです。」
この後二人は色々な物を分析にかけて錬金術の基礎を楽しんだのだった。




