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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
19/116

帰宅

エルフ村を旅立って10日。

初日以外特に問題も起こらず順調に旅をこなした。

アロンくんとシュテーナちゃんも旅に慣れたようで元気に歩いていた。


暫く歩いていると前方に城壁が見えてきた。カルーゼ達4人に拠点が見えてきたことを伝える。


「あそこに見えるのが俺の拠点だよ。」


そういって、みんなに振り向くとポカーーーンとした顔で城壁を見えていた。


「えっ?あんな所に城が作られてるのか?シュンって王様なのか?」


「は?何言ってるの?」


「い、いや、あんな城壁があるんだったら城が作られている所だろ?」


「ん?あそこには俺の家しかないよ?」


「は?」


「えっ?」


俺とカルーゼは二人で見つめあってしまった。


「うん。とりあえず行こうか。ここに居ても仕方ないし。」


「あ、ああ。そうだな。」


カルーゼは何か納得しない表情をしながらも俺の提案にのって移動を開始する。

久しぶりの拠点に戻ってきたことで少し安心感が湧いてきていた。土の家なんだけどね。


城壁に到着すると4人はまた城壁を見上げてボヘーとした。


4人の心が此処にあらず状態でいると少し離れた場所で城壁に向かって突撃している生き物が見えた。

牛の様な生物らしく城壁に角を突き付けていたが、城壁は俺の魔力で強化しているため傷一つ付いていなさそうだった。


「あれ何?」


「ん?お、珍しいなあれはギュウルといって、肉も美味しいがミルクが取れる動物だ。立派な角を持っているが魔物じゃないぞ。」


カルーゼの言葉に俺はニンマリして、今いる城壁に手を当てギュウルが突撃している辺りの壁を通れるように穴をあけた。

するとギュウル達は我先にと突撃していく。すべてのギュウルが入ったのを確認すると俺は魔力を流し城壁を元の通りに戻した。


「うし!楽してギュウル獲得!」


ギュウルが入って行ったのをボーっと見ていた3人がハッと心が戻ってきた。

4人を俺が入り口で使っている場所へと案内する。城壁が巨大な癖に入り口が普通の家の扉位の大きさしかない事でカルーゼがツッコミを入れてきたが軽く無視してあげた。


「ま~、俺しか住んでいる人いないし、誰も来ないと思うからね。今度暇ができたらカルーゼが納得する大きな城門を作っておくよ。」


扉を潜ると俺の家があり、ギュウルが通った辺りを見ると何十頭と草が生えた辺りにのんびりとしているのが見えた。

今日中に牧場の様にあいつ等が走り回っても良い範囲を区切っておかないと危ないな。と思いながら4人を家へ案内する。


「ようこそ、土で作られているだけだけど俺の家です。」


何となくだが、日本の家の様に玄関で靴を脱ぎ、道中羊毛で作ってたスリッパモドキを取り出して履き。4人にも土足厳禁という事を教えた。


家に入るとフローリングに床板をセットし、机と椅子を取り出して休んでもらう。

そして、炊事場に向かい魔法で沸かしたお湯でお茶を入れる。


「ごめんね。ほんとに何もない場所で雨風だけ凌げる場所を作っただけなんだ。」


「ほんとうに驚かされてばっかりです。シュンさんが一人で作られたのですか?」

とエリナさんが聞いてくる。


「ええ。師匠が亡くなって独り立ちする時に人のいる場所へ向かって行こうと思ったんですけど、村や町がどっちにあるか分からなかったんです。

 結構歩き回ったんだけど、何も見つけられなくて。。。このままでは死ぬな。って考え拠点を作って徐々に行動範囲を広げようと考えたんですよ。」


「それで、この拠点を作ったと?」


「ははは。その時テンションが高かったんだと思います。ちょっと頑張りすぎたみたいですね・・・」


「しかしシュン。これだけの拠点を作るのに数年は掛かっただろう。こんなにも大きな城壁を作る必要はなかったのではないか?」


「い、いや。これ数時間で作ってるよ・・・」


「「はああああああ?」」

「「えぇぇぇぇぇぇ?」」


「ほら、魔力でちょちょっとね・・・」


「シュン。自重って事を覚え様な。」


「はい。。。」


「ふ~。しかし、これだけ広いとシュンが望むだけ植えられるな。これは結構な仕事になるな。」


「申し訳ないけど宜しくお願いします。皆さんが滞在中は快適に過ごせるように頑張りますので。」


皆が一息ついている間に俺は4人が止まるための部屋にベットと机椅子をセットしていく。

ベットには羊毛を入れ、毛皮を乗せて敷布団代わりを作った。掛け布団の代わりに毛皮を何枚か置いておく。


ある程度過ごし易い環境を整えると家の外に出て、ギュウルが過ごす範囲を決めて牧場の様に魔法で柵を作る。


これで一息付けれるなと家の方を向くとエリナさんが外に出てきていた。俺を見つけると少し駆け足で寄ってきた。


「シュンさん。何かお手伝い出来ることはありませんか?」


「エリナさん。今日は皆さん到着されたばかりですしゆっくりして下さい。私もここを作っただけで何も考えていないのが正直な所なんです。」


「ふふ、シュンさんは正直なのですね。一緒にどうするか考えませんか?」


と提案してくれた。

俺とエリナさんは辺りを散歩しながら色々な構想を話し合う。

俺はこの姿になってから水浴びをする時はある。しかし、やはり日本人の感覚を持っているせいかお風呂に入りたい衝動が日々大きくなってきていた。


「エリナさん、お風呂の作り方はご存知ですか?」


「お風呂ですか?王城や高級な宿にはあると聞いたことはありますが、見たこともないのでごめんなさい、作り方は分からないです。」


「いえ、私も聞いた事があるだけなので知っていればと思っただけです。そうすると露天風呂を作るように考えてみるか・・・」


この拠点に引いたを水を露天風呂に引いて、魔石から熱を出すように魔法陣を組み込めば作れるかもしれない。と考えつき、家の横に幅広の穴をあけた。土が水を吸って泥にならない様に薄い膜を張るように魔力を流す。


熱を生む魔石をセットする場所を作り準備が完了した。露天風呂に水が入るように通り道を作る。

水が貯まるまで時間が掛かるので洗い場を作るため、ちょこちょこ貯めていた石を綺麗に切断して表面をツルツルにしてから二人で埋めて行く。


そんな事をしているとカルーゼ達3人が外に出てきた。


「シュン、エリナ何をしているんだ?」


「ああ、露天風呂を作ってるんだ。」


「露天風呂?なんだそれは?」


「お風呂って知ってる?それが外にあるのを露天風呂って呼ぶんだよ。」


「ほ~、それはすごいな。これがそうなのか?」


「ああ、でもまだ水が溜まってないから入れないけどね。」


「わぁ~。何かすごいですね~。私も入ってみたい。」


「うん、出来たら入って見て。とっても気持ち良いはずだから。」


そう言いながら俺は混浴になっちゃうじゃん!とドキドキワクワクしていたら。。。


【シュン。エルフ達はあまりそういった事に無頓着の様だけど、ちゃんと区切りは作りなさい。】


・・・地球に怒られた。


俺は木材を取り出し、区分けを作り始める。カルーゼが俺の意図を組んで区分けを作るのを手伝ってくれた。

とりあえずは簡易版になってしまうが区分けを風呂に設置し、男風呂と女風呂に分け洗い場や風呂の入り方を説明した。


日も落ちてきたため夕飯の準備にかかる。エリナさんとシュテーナちゃんが手伝ってくれたためあっさり準備が整う。

5人でテーブルに着き食事をしながら明日からの予定を話し合う。

エリナさんと相談した内容を3人に伝え、それぞれ出来る事を話し合い内容を詰めていった。


話が一段落すると、露天風呂の準備ができたのか確認しに行くと丁度良い湯加減で湧いていたので家に戻る。


「露天風呂が良い湯加減で準備できたよ~。各々着替えと体を拭く布を持って入ってね~。」


「わ~い!お風呂って初めて入る~!すごい楽しみ!エリナさん一緒に入ろう~!早く!早く!」


「ええ。楽しみね。準備しに行きましょう。」


「お~、私たちも入ろうか。アロンもシュンも準備をして一緒に入ろうじゃないか。」


「はい。僕も楽しみです!」


準備を整えると露天風呂の近くに作った更衣室へ行き男女分かれてお風呂へ入っていく。


「「「あぁ~!」」」

「「はぁ~!」」


エリナさんたちも露天風呂に入ったのだろう。みんな思わず声を出していた。


「こ~れは気持ちいいな、シュン。これは旅の疲れも吹き飛ぶなぁ~。」


「ああ、噂には聞いてたけど、これは気持ちいいな~!」


カルーゼの言葉に合わせたけど、前世の記憶を持つので気持ちいいのは知っていた。

しかし、この体でお風呂に入るのは初めてだったからか、その気持ちよさは想像以上だった。


とりあえず、拠点充実の一歩になる事を噛みしめながら心行くまでお風呂を楽しむのであった。


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