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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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宴会

朝食後、カルーゼが森を案内するために迎えに来たので一緒に出かけようとした所、エリナさんも一緒に案内してくれるとの事で3人で森に向かった。


森にはエルフ達が見向きもしない食材が多々あり、俺はカルーゼとエリナさんの許可を貰い採取を行いながらエルフのお勧め植物と木を聞きながら俺の家の近くに植える方法を聞くと、エルフ族には植物の成長を促す魔法があり今回のお礼のために何人かが俺の住いへ一緒に行きその力を使ってくれると教えてくれた。


俺は申し訳ない気持ちになりながらも、とても有難いと二人に「ありがとうございます。」と頭を下げた。二人はハニカミながらも頭を振り「私たちエルフ族が受けた恩はまだまだ返せていない。気にしないでくれ。」とカルーゼが言い、エリナも「シュンさんのお蔭でゴブリンの脅威と病の脅威が去ったのです。ありがとうと言うのは私たちの方です。」とお互いにお礼を言いあう事に笑いあうのだった。


建材に向く木や食べられる食材などを沢山手に入れ、村に戻る途中に大きい猪を見つけカルーゼが弓矢で狙いを付けて矢を放つと一撃必殺で猪の眉間に矢が突き刺さる。俺は拍手をしてその腕前を称賛した。エリナさんはナイフを出し猪の首筋に切り込みを入れ血抜きを始める。俺はその手際の良さに感心し処置の手伝いの為に蔓を猪の後ろ足に結び付け木にぶら下げる。


「シュンさん、そのシュンさんが取っていた植物は何に使われるのですか?」


「ん?どれの事?」


「その赤い色の植物です。」


「あ~、これ?これは唐辛子と言って辛みを持つ食材です。そのまま食べる事もできますが、乾燥させて粉末にするとスープとかの味付けを一味違った感じにできますよ。」


「それ食べれるのですか?」


「ええ、今回採取させて頂いた食材で何か一品お作りします。食べてみればどんな味なのか一発で分かりますからね!」


そういうとエリナさんは期待半分、怖さ半分の顔をして頷くのだった。


猪の血抜きが完了したので、俺はアイテムボックスの説明をして猪をしまい込み村へ戻る。



村に戻ったら村長はエルフの村人たちと共に祝宴の準備をしていた。俺たちは村長に頂いた食材のお礼と道中に猪を手に入れた事を伝えると今夜の祝宴のメインにしようとエリナさんに解体をするように指示を出す。俺たちは村長の家に行き猪を取り出すと解体を始める。


やはり、カルーゼは解体に慣れているようで綺麗に皮と肉を切り分けて行った。俺は解体がある程度終わった段階で今回採取した食材を取り出し一品作り始める。


海で取った昆布で出しをとり、森で取った山菜や大根、人参、キノコを何種類か入れて鍋を作る。素材から出汁が出ているため塩で味を調える。本当は醤油とかが欲しかったが無いものはしょうがない。


こういう料理を作ると味噌か醤油が欲しくなるのは元日本人だからなのかな~?余裕が出来たら作ってみるのもありだな。と心に止めながら魔力で唐辛子を乾燥させる事が出来るか試しているとある程度乾燥できた様なので近くで料理をしていたエルフの女性に石臼の様に擂ることが出来る道具を借りて乾燥唐辛子を粉々にする。


あとは、生唐辛子をナイフで細切れにして2種類の薬味を準備した。


うん。調味料が無い状態ではまだマシなのではないかな!そういえばアイテムボックスに魚が何種類か入っていたので、取り出して切り身の状態にして食べる前に入れる様に準備しておいた。


暫く皆で料理をしていると日が落ちて来る頃に準備が整った。村人たちが広場に集まり村長が今回のゴブリンと病の解決を報告し俺の紹介を行うと宴会が開始された。


俺は鍋を配膳しながらエルフの村人たちを交流を温める。俺の鍋を食べた村人たちが出汁の美味しさに目を見開き、初めて魚を食べたらしく未知なる味に舌鼓を打っているとカルーゼが「からーーーーーい!」と叫び声を上げた。


「あ~、カルーゼ唐辛子を沢山入れたな。徐々に入れないと。」と俺は笑顔で水を差しだすとカルーゼはグビグビと一気に飲み干し一息つくと「なんだこれ、辛いけどおいしいぞ!何か癖になる美味しさだ!」と感想を大声で伝えてきた。


「村長、これ食べてみて下さい。辛いですが癖になる味です!」


「カルーゼ、まあ落ち着きなさい。その唐辛子というのを入れなくともシュンが作ってくれた料理は美味しいよ。」


「いえ、これを入れると味が全然変わります。騙されたと思って入れて食べてみて下さい。」


「そこまで言いうのであれば試してみましょう。」


「あ、村長少しずつ入れて味を確かめて下さいね。一気に入れるとカルーゼの様になってしまいますよ。」


「なるほど、少しずつですね。」


村長は少し唐辛子を入れて食べると味が全く異なるものに変わるのにビックリしているが、その辛みが気に入った様で少しずつだが量を入れていき汗をドバドバと流していた。


それを見た村人たちは村長に続けと唐辛子を入れて食べると全員が辛さに度肝を抜かれながらも気に入った様で、どんどん唐辛子が減っていった。


うん、エルフ族は素材を煮たり焼いたりしただけの料理ばっかりだったから、新しい味に魅かれたんだろうね。他のエルフの人たちが作った料理にも唐辛子を掛けだしていた。


そこかしこで「からーい!」の絶叫が響き渡るが皆が笑顔で食べていたので俺も笑顔になる。そうしているとエリナさんが近づいてきて話しかけてきた。


「シュンさん美味しい料理と新しい食材を教えて頂きありがとうございます。」


「いえいえ、皆さんが気に入って貰えて良かったです。」


「この度は本当にシュンさんにはお世話になりました。私たちはお世話になるだけで何も恩返しが出来ないのが心苦しいです。」


「いえいえ、私も仲良くして頂いてありがたいんですよ。しかも森の恵みを分けて貰えましたし。これだけで十分な位ですよ。」


「いえ、森でもお話しましたが、シュンさんの住んでいる所で木を育てるお手伝いをさせて下さい。」


とエリナさんは懇願するような口調で言うと俺を見つめてきた。俺は少し赤面しながらもほほ笑みながら頷く。


「はい、私は植物を育てた事が余り無いので便りにしてます。」と言いニコリと笑顔で返事をした。


エリナさんは少し照れている様にしながら、「はい!」と良い笑顔をした。


エリナさんと話しながらも宴会は進みお酒も無いのに唐辛子で盛り上がるという混沌とした宴会は夜が更けると共に終了するのであった。


次の日の朝、エリナさんは村の皆で作ったという服をプレゼントしてくれた。俺は自分の服を見ると確かにピチピチのボロボロでゴブリンに見間違われるような恰好だなと思い服のプレゼントに物凄い感謝の気持ちが沸き上がった。


新しい服に着替えるとまるで測ったようにピッタリで何と言っても新品で臭くなかった!もうこれが一番うれしかった。師匠に貰った服を捨てるのは躊躇われたので井戸で洗うと干して乾いたらアイテムボックスに仕舞う事にした。


着替えてエリナさんの下に向かうと服のサイズが合っているか気になっていたらしく俺に近寄ってきて各所を確認していくと襟元に手を添えて確認していた時に顔が近づいているのに気づき赤面して離れて行ってしまった。


う~ん。綺麗な人が無防備に近づいてくるなんて滅多になかったのに・・・残念・・・。


村長の家で朝食を食べていると何名かの村人がやってきて俺を見つけると、「シュンさん昨日のあの赤くて辛いもの取りに行こう!」と声を掛けてきて両脇をガシッと捕まえられるとズルズルと引きずられながら連れ去られるのだった。

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