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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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ヒュドラ

ガルルスからの依頼でデスロックバイパーの討伐を行うためデスロックバイパーが作ったと思われる穴を進んで行くと地底湖に辿り着いた。

地底湖を探索していると地底湖から赤い目が此方を伺っているのが見えたが放置して暫く探索をしていた。

ある程度探索が完了した時に地底湖から3本の首を持ったヒュドラが現れた。

ヒュドラは蛇の種族なのか知らないが、胴体が大きく鱗なのか皮なのか分からないがこちらの武器を跳ね返すほどの強度を持っていた。

ヒュドラの攻撃もギリギリだが回避が可能なため一進一退の戦闘を繰り返していた。


「ふ~、このヒュドラってやつデスロックバイパーの特殊種と同じくらいの強度で、こっちの攻撃が通らないのが厳しいね。」


「はい。私の矢も刺さらないので牽制の意味を成しているか・・・」


「う~ん。どうしましょうか。このまま放置して来た道に引き返すのもありだと思いますけど、あの穴の大きさだとこいつは通れないと思いますし、ガルルス達の所に戻る時には穴は魔法で埋めて行くつもりですから無理に倒す必要もないかと。」


「そうですね。ウィルシアさん達に何かあってからでは悔やんでも悔やみきれませんので後退していきましょう。」


「そうだね。皆!ゆっくりとここに来た穴に向かって後退してくれ。一時的に俺がヒュドラの気を引いて逆側へ引き付けるから。」


「「「「「「はい。わかりました!」」」」」」


俺は指示を出すと火球を作り出しヒュドラに向かって投げつける。

地底湖に爆発音が響き渡り皆が引く側とは逆方向に走り2~3回火球を投げつけた。

火球はヒュドラに当たり再度爆発音を響かせると地底湖の方からザザザザッと音が聞こえてきた。

気になった俺は地底湖の方をチラ見すると先ほども見た何かが泳いでくる線が何十本と走っていた。

後退しているメンバーも同じものを見たのか後退するのを忘れ、その光景を眺めていた。


「何か嫌な感じがする!早急に後退してくれ!」


俺の激で自分がやらなければいけない事を思い出したメンバーたちは急いで後退すべく走り出した。

エリナさんは俺を気遣うため後退速度が遅くなっているが「早く!」と声を掛けると後退してくれた。

ある程度の距離が開いたのを確認した俺は再度火球を投げつけたあと即座にヒュドラの下へ走り寄りヒュドラの足に手を添えると「凍結〇!」と発声し、ヒュドラの足を凍りつかせる。

そして、そのまま胴体の下を走り抜ける。

走り抜けた後すぐに尻尾が振るわれてきたが頭を低くして回避する。最近の傾向だとこの尻尾で殴られてたところだが今回は運が良かったのだろう。


全員で来た道を戻っている時に地底湖から数十匹のヒュドラが上陸してきた。

上陸したヒュドラの何匹かが俺たちの前方を塞ぐように並んだ。

あっちゃ~、大ピンチ到来か?

しかし、最初の一匹目の足は凍ったので氷結系の魔法なら何とかなるのか?


皆が立ち止まっている場所まで到着すると、そのまま皆を置き去りにしてヒュドラに向かって走り出す。


「シュンさん!」「ご主人様!」と皆が驚いた声を上げるのを無視してヒュドラ近くに到着すると「ダイ〇モ〇ドダ〇トー!」と魔法を発動させた。

それを見た女性陣がまた目を輝かせて同じくダイ〇モ〇ドダ〇トを放った。


うん、本当にあの動きからの魔法が大好きなんだね・・・。

俺の魔法とエリナさん達の魔法で前方にいるヒュドラが氷はしないが動きが鈍ってきた。


「皆!ヒュドラたちの動きが鈍っている今のうちに撤退だ!」


俺たちは動きが鈍ったヒュドラたちの間を縫って走り、地底湖へと来た穴へと入って行った。

全員が入ったのを確認してから土魔法で穴を閉じて行く。

5メートル位穴を閉じた時だろうか、ドンッ!という音が響いてきた。

俺たちが通った穴にヒュドラが突撃したのだろう。あの巨体だから衝撃も凄い物だったのだろう。

もう少し遅かったら穴が再度空いたかもしれない程の衝撃だった。


「あっぶなかった~、みんな無事か?」


「「「はい。大丈夫です。」」」


全員の無事を確認したので、この穴が再度使われることが無い様に全ての穴を土魔法で埋めて行く。

俺以外は穴を埋めて行くほどの魔法をまだ使えないので俺一人で頑張るしかなかった。

全ての穴を埋めるのに1日掛かりの作業となったのでガルルスたちの所に戻ったのは夜も更けた時間帯だった。


ガルルスに事の顛末を話すと地底湖は、この山のふもとから少し離れた所にある泉に繋がっているのだろうとの事。

その泉にはヒュドラが住み着いているらしい。

ガルルスは一度ヒュドラと戦った事があるらしく、ヒュドラの肉は美味しくなかったそうだ。

ガルルスにどうやって倒したのか聞いたところヒュドラは嗅覚が発達しており、匂いにとても敏感なのだそうだ。

少し離れた所にあった匂いがきつい花が咲く場所に誘き寄せて風を吹かせて怯ませると、背中を掴んで上空へ連れて行き落下させて倒したらしい。


その戦いぶりは巨獣同士なので見ごたえあるものだったのだろう。

ただ、ガルルスは美味しくも無い獲物と戦うのも面倒だからもう巨獣大戦は見ることも出来ないのだろう。



「シュン。我の頼みを聞いてくれてすまぬな。この恩は必ず返すぞ。」


「気にするなって。みんなにも良い経験になったと思うしね。」


「ふむ。お主は変わらぬのぉ。まあ、それでこそシュンなのだろうな。」


「お?それは褒めてるのか?それとも貶してるのか?」


・・・・


「ふふ、ははははははは」「ワハハハハハハハハッハ!」



暫くガルルスと談笑した後、移動ドアでギルデイさん達を移動ドアで拠点へと送ったあと俺とエリナさんは移動ドアを仕舞ってからガルルスに拠点へと送って貰った。


夜の空は前世で見た夜空とは比べ物にならない程の星が浮かんでおり、自分がちっぽけな存在に感じてしまう程だった。

ガルルスに掴まり夜空飛行を楽しみながら拠点へと戻るとガルルスは簡単に挨拶を交わすと自分の家へと帰って行った。


俺とエリナさんはそのまま露天風呂へと赴き疲れを癒した。

男性用と女性用を分ける壁を挟み他愛も無い会話を楽しんだ。

久々に落ち着いた時間を二人で楽しみ二人の仲がさらに深まったように感じた。



□■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□ □■□



【ねえ。さっきシュンがヒュドラってのから逃げたけど僕の計算ではシュンがヒュドラなんかに負けることはないはずなんだけど、何か失敗してたのかな?】


【ふふふ、シュンはね。前世の記憶があるせいで、命を奪う事に抵抗があるんだよ。シュン自身は気づいてないみたいだけど自分や知り合いに害がない限り命を奪う事を避けようとしてるみたい。】


【え?なんで?シュンの部下たちは魔物を殺すことに躊躇ないみたいだけど、シュンはそれが出来ないってこと?】


【いいえ。シュンは知り合いたちが危険な目に合うならば敵を殺すことも躊躇わないでしょう。でも、先ほどのヒュドラの様にシュン達が相手の生息圏に入って行った事での戦闘などで相手を殺すことはしないみたい。ただ、あのヒュドラたちがガルルスの所に行くようだったら殺していたでしょうね。】


【うぅぅぅん。よくわかんないな~。シュンが本気を出してたらヒュドラなんて一瞬で殺せたはずなのに。シュンの攻撃も防がれたのが納得いかないな。】


【まあ、こういうのも楽しみの一つだよ。私はシュンが中二病を発症して悶絶してるのが楽しかったからとても良い日だったよ。明日も何か楽しい事が起こるといいな。】


【今度は僕をすっきりさせてくれるといいな。頼むよ、シュン。】



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