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ペンタグラム  作者: はるひぶ いえん
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ゴブリン戦

俺はカルーゼとは別の方向へ偵察に行っていたエルフの戦士がゴブリンを見つけたと報告が入ったため、カルーゼとエルフの戦士達と一緒にエルフの村から見て北に向かった。


エルフの戦士はカルーゼを入れて総勢10名で全員弓矢がメイン武器のようで腰にナイフを身に着けている人もいた。


俺の装備は師匠から譲ってもらったボロボロの剣だが前世のゲームでは序盤に出てきて雑魚モンスターだったため特に危機感を持たずにテクテク歩いて着いていっていた。偵察に行っていたエルフがゴブリンを見かけたのがもう少し先だと言っていたがカルーゼ達は額に汗を浮かべながら緊張しているようだった。


「なぁ、カルーゼ。今からそんなに緊張していて大丈夫か?」


「あぁ、すまない。どうやらゴブリンが思っていた以上に多いらしいんだ。あとテイルがゴブリンを発見してから結構時間が経っているからこの辺りに来ていると考えてな。」


「テイル?」


「そうか、テイルは北に偵察に行ってゴブリンを発見したエルフだ。ほら、先頭を歩いている緑髪の男だ。」


「あの人がテイルって言うのか。なるほど周りをよく観察して動きに隙がないね。」


「テイルは我らエルフの戦士でも1、2を争う程の戦士だぞ。」


その話題のテイルが手を横に伸ばし皆の足を止める。どうやら偵察で見つけたゴブリンを発見したようだ。俺もテイルに近づき前を見るとゴブリンが30匹位いた・・・。一緒に近くまでやってきたカルーゼを見ると青い顔をして脂汗を浮かべていた。


「どうしたカルーゼ?」


「ゴブリンが30匹以上いるだと・・・くっ、このままではエルフの村は壊滅してしまうかもしれん。」


「えっ?ゴブリンってそんなに強いの?」


「一対一で戦ってギリギリ勝てるくらいだ。」


「まじかー、そんなに強いのかゴブリンって。」


俺とカルーゼがそんな話をしていると、テイルから声をかけてきた。


「皆、木の上に登って弓で倒していくぞ。」とテイルから指示が飛び各々木の上に上って行くが、俺剣なんですけど・・・


「あの~、俺はどうすれば?」


「君はカルーゼさんが連れてきた子か、そうだなとりあえず皆の邪魔にならない様に少し離れたあそこで見ているんだ。」


「了解。」と言って俺は指示された場所に向かいエルフ達の戦闘が始まるのを待つ。


暫く待つとエルフ達も準備が整ったのか皆が一斉に弓を構えると一斉に各々狙いを定めたゴブリンに矢を射つ。エルフが放った矢は2匹のゴブリンの命を奪い、4匹に重傷を負わせ残り4匹に傷をつけた。


「ギャギャギャギャ!」と傷を受けたゴブリン達は声を荒げて周りを見渡し矢を射たエルフ達を見つけると一斉にエルフ達に向かって走り始めた。


エルフ達は焦らずに狙いを定めて矢を射かけるが、ゴブリンは走り動いているため狙い通りの箇所に当たらず傷つけてはいるが、倒すには至っていなかった。ゴブリン達は木に登ろうとしていたがエルフ達は自分以外の木に登っているゴブリンに向けて矢を放ち攻防を繰り広げていた。


エルフ達はゴブリン達を数匹倒すが30匹を超えるゴブリン達の猛攻の前に矢の弾数が残り僅かになり焦り出す、矢が無くなったエルフは腰に下げたナイフを手にし、登ってくるゴブリンに向けて振るっているが倒すには至らず追い詰められていた。


テイルは自分の矢を撃ち切りナイフを手に木から降りて近くにいたゴブリンの首筋を切り裂くと周りにいたゴブリンが木に降りたエルフが居たことに気づき一斉に襲い掛かっていく。


「テイル!」とカルーゼが叫び木から降りて加勢に向かおうとするが近くにいたゴブリンに邪魔をされる。


テイルは10匹のゴブリンが迫る中諦めにも似た笑みを浮かべナイフを構えていた。


カルーゼはテイルが死ぬ姿しか見えなかった。テイルを助けるために急いで向かおうとするが目の前のゴブリンを早く倒してと心ばかりが焦り反対にゴブリンの剣で傷つけられる。


テイルは2匹のゴブリンを傷つけるも手と足を傷つけられ後は殺されるだけの状態になっていた。


「カルーゼ、あとは頼むぞ!エルフの村を守るんだ!」とテイルが叫ぶ。テイルの近くにいたゴブリンは剣を振りかぶりテイルに向かって剣を振り下ろす。カルーゼの目には血を吹き出した様にテイルの姿が見えた。


その瞬間、剣を振り下ろしたゴブリンの首が跳ね飛ぶ。


「えっ?」カルーゼはゴブリンと対峙しているが目が点になる。テイルも何が起きたのか分からずぼーっと首が無くなったゴブリンを見つめる。



俺は戦場から少し離れた場所でカルーゼ達の戦いを見ていたが矢が無くなり徐々に追い詰められテイルが木から降り何度か傷つけられた時にエルフ達の敗北を確信したためテイルの指示を無視しテイルに向かって走りだす。


頭の中で「FOOT STEPS」の曲が流れテンションを上げながら、テイルに止めを刺そうとしていたゴブリンの首に向けて剣を振りぬいた。


俺はそのままの勢いでテイルに寄ってきていたゴブリン達を一撃のもとに切り捨てていく、テイルの近くにいたゴブリンを倒すと木の下にいるカルーゼに向かっているゴブリン達を倒すために走り出しすれ違いざま切り裂く。


カルーゼと目が合うも目が点になって固まっていた。俺はとりあえずゴブリン達を片づけるため剣を振るい続け木に登っていた最後のゴブリンの心臓に向けて剣を投げつけ倒した。


ゴブリンを殲滅した俺はカルーゼに近づき「大丈夫か?」と声を掛けた。カルーゼは「あぁ」と一言呟くと目をパチパチとさせ我に返り、ハッと周りの状態を確認してゴブリンが全て倒れているのを確認しエルフの戦士が全員無事なのを確認すると「ほっ」とため息をついた。


俺はカルーゼの無事を確認するとテイルの方に歩きだし手を差し伸べる。テイルは俺の手に気づき手を取り立ち上がる。エルフ族の戦士が全員集まりテイルの無事を確認する。


カルーゼは俺に近づき、「シュン、ありがとう。君のおかげで我々は救われた。しかし、君はゴブリンを物ともせず一瞬の間に殲滅してしまった。君はとても強いんだな。」と声を掛けてきた。


「皆が無事でよかったよ、遠くで見てたけど劣勢に立っていたから指示を無視して駆けつけたけど許してね。」


「我々は助けられた側だ、何の文句を言うというのだ。しかし、シュンが現れたのは森の精霊の導きか。」


「ああ、私もそう思うよ。我々の危機を助けるために森の精霊がシュンを連れてきてくれたのだろう。」


カルーゼの言葉にテイルが同意する。俺はそんな大層な者でもないんだがなぁ~と思いながら雰囲気を壊さない様に黙ったままにしておいた。


「ところで、このゴブリンの死体どうするの?」


「シュンが殆ど倒したのだからシュンが決めてくれ。」


「ん?よく分かってないのだけど、何かに使えるの?」


「ゴブリンの武器や防具などは鋳直して矢じりなどの素材とすることが出来るし、ゴブリンの体内にある魔石は魔道具の動力に使えるぞ。」


「ほぉ~、そうなのかぁ。でも、今の俺にはどれも不要だな~。そんなのより木材が欲しいし。」


「ふふふ、シュンは欲がないな。このゴブリン達の素材だけで一財産出来るものを。」


「そんなもんなの?でも、いらないけどね。」


「では、我々が貰ってもよいか?」


「うん。好きにして。あ、でも解体とかの仕方があるなら教えて欲しい。」


「ああ、分かった。武器防具と魔石以外は使えないから、この場で解体して他は埋めて行こう。」


テイルがエルフ達に伝え各自解体と穴掘りに分担して作業を開始する。俺は解体の仕方を習い魔石のある場所や解体の時に注意すべき事などを教わり実際に練習をするのであった。

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