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第7話:6543日前……滋賀県2

赤い半魚人の攻撃は、警戒するほどの速さではない。

それに様々な妖怪を封じる風魔忍者の流れを汲むオレも、水中での実戦は何度も経験がある。

さらに言えば、甲賀忍術を学んだとき、この辺一帯で修行をしていた。琵琶湖の中など目を瞑っていても手に取るようにわかる。

オレは、赤い半魚人に向かい、水中銃を使い、水中用封魔矢フウマヤを射つ。

魔力や妖力を封魔矢フウマヤに吸われたことで赤い半魚人の動きが止まった隙にオレは、鎖分銅で縛りあげた。

動きを封じられた赤い半魚人が何とか抜け出そうと、もがいているが、オレは忍者刀で赤い半魚人を細切れにした。

「ああ!忍魚ピタピタ・フィッシュまで!エエ~イ、肥大身の術!」

仮面の男は、自分の仮面の一部を取り外し、細切れになった赤い半魚人の体に埋め込もうとするが、オレが封魔矢フウマヤで赤い半魚人の細切れの体を封じ込めていく。

仮面の男の術の仕組みは、仮面の欠片を入れ込むことで細胞分裂と魔力増加を同時に行い、傷を治しながら、巨大化させるといった術だろう。

いわゆるドーピングとされるタイプの忍術だ。

まだ、赤い半魚人の切れ端は残っているが、かなりの魔力は封じたのでもう巨大化などはできないだろう。

原理のバレた忍術など、いくらでも対処できる。

「さあ、後はお前だけだ!」

オレは水中銃を仮面の男に向ける。

「あのさあ、ボクがライジュウだって忘れてない?」

仮面の男の口元がニヤリと歪む。

ムラサキの雷撃が、琵琶湖の中を包みこむ。

甲賀忍術にも雷撃を使ったものがあるが、この攻撃は桁外れだった。

大量の雷撃を受け、オレの意識は遠退いていった。



半魚人:ハンギョジン

人類と魚類の中間の存在……

日本の旧い文献では、人魚と一纏めにされているが、日本の人魚の伝承でも、人魚と呼ばれながら特徴は半魚人に近いものも多い……



気が付くとオレは、鎖分銅で湖底に縛りつけられていた。

何時間ぐらいいたのだろうか……既に仮面の男の姿も、赤い半魚人の切り身も消えていた……

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