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フラグは突然に④

「目的を聞くまではな!なんだよフラグ回収って!ギャルゲーじゃねーんだよ!」


「蓮くん勘違いしてるわよ!!フラグって言ってもそんなフラグじゃないのおおおお!!」


歩き出した俺の足を再び掴むセレーナ。体重が重くてうまく歩けないが、止まるのをやめない俺にセレーナはズルズルと引き摺られている。


が話をやめそうにない為フラグの事について話してみた。勿論歩き続けたままだが。


「フラグってあれだろ?


パン咥えている女の子が走ってると角から飛び出してぶつかるとか、


結婚しようって約束して戦いに行ったら死ぬとかだろ?」


「そう!それ!でも蓮くんがするのはそういう小さいフラグを回収する事じゃないの!まぁ、それも出来ればしてほしいんだけど、もっと大きいフラグなの!」


と其処で俺は歩みを止めた。フラグと聞いてなにこいつふざけてんのかと思ったが、聞いてみれば少しは興味が湧いた。


冷静になって考えてみれば、此処からの脱出方法がわからないし、歩いてなにもなければ骨折り損だ。此処は話を聞いてやっても良いかもしれない。


其れに、時間をかけるとカリカリくんが溶ける。室温だし。


「分かった。兎に角話だけは聞く。

だから足から手を離してくれ。重い。」


「マジで?!やった!」


セレーナは目にも留まらぬ速さで起き上がり、俺の手を握り締める。


「ありがと!」


女神の様な笑顔に俺は目を瞑った。

その笑顔に騙されるな俺。古来より男は女の笑顔に幾度と無く騙されてきたが俺は違う…

引かぬ媚びぬ省みぬ!!


カッと目を開けると其処にセレーナはおらず、椅子に座って俺を手招きしていた。


「蓮くんこっちきてちょーだい!」


「…もっとこう丁寧に扱ってほしいな。」


話を聞くとなるとさっきの必死さは何処へ行ったのか楽しそうにしている。


「蓮くんの椅子も用意したから座って話をしましょう!此処からはマジで大切な話なのよ。」


とこれまたいつの間にかセレーナの椅子の前には円テーブルとシャレオツな椅子が用意してあった。


因みにテーブルの上にはお菓子と某有名店(店舗数でその都市の発展度が分ると言うカフェ)のキャメルマキアート的な飲み物が置いてある。

いつの間に現れた。てかテーブルの上のものの糖度がヤバイ。


女ってすげぇこんな甘いものばかりで胃もたれしねーのかな。と思いながら椅子に座るとセレーナはコホンと咳払いをし話を進める。


「蓮くんの心に思っている事はさておき、フラグの話をするわね。


フラグはさっき蓮くんが言ったようなものね。」


と先程大陸が映してあったスクリーンが変わり、若い女性と男性が見つめ合っている映像へ切り替わる。


「物事の結果の始まり、つまり、結果の原因が発生した時点でフラグは立つのよ。


今映しているのは、蓮くんがいく世界にいる人間の男女ね。


男の方は見た通り兵士で、女性はその彼女よ。」



『いかないで…お願い…』


『だめだよ。行かないと。」


物悲しい雰囲気の中、男の方が女をぐいっと抱き寄せている。

ぶっ殺すぞ。リア充が!と殺意が湧いたが何やらこの光景から察するに戦いか何かに行くのだろう。其れなら仕方ないのか。


だが、彼女いない歴=年齢の俺にはやはり殺意しか湧かない。幼い俺を許せ。


『うっうう。』


女の方が泣き出し、男が女の頭を撫でた頭、肩を掴み正面から向き合う。


『俺、帰ってきたら…結婚するよ。』


『えっ?!』


『だから、絶対に生きて帰る!』


ポカンとする女の額にいきなりキスを落とし走り去る男の耳は赤い。


『私待ってるからっ!!ずっと待ってるから!』


現実に戻った女は走り去る男の後ろ姿に向かって叫び続けている。

そして、そこで映像が止まった。


「おい。何処の2時間ドラマだこれ。」


「ドラマじゃないわよ。ちゃんと起こってる事よ。で、蓮くんこの映像を見てどう思った?」


「どうもこうも…リア充爆発しろ!!って思ったけど。」


「…素直な感想ね。あとは?」


「死亡フラグ立ち過ぎ。もうこれ死ぬだろ完全に。」


そう、これはどう見ても死亡フラグだ。結婚しようとか絶対に生きて帰るとか。待ってるって言って帰ってこねーパターンじゃん。死んじゃうやつじゃん。


「そう。蓮くんの言うとおり、死亡フラグが乱立してるわ!」


と熱弁を振るうセレーナ。なんだか言葉が荒々しくなっているように感じるのは俺だけなのだろうか。


「乱立とまでは言ってねーけど…てかこれなんなの?マジでフラグの説明?」


「じゃあ、蓮くん、この死亡フラグが回収されるのはどんな時かしら?!」


「あれ?人の話聞いてるこの人?」


「そう!この男の兵士が死ぬ時にフラグが回収されるわ!」


「いや、聞けよ!耳かっぽじれって言った本人の耳が全然機能してないんですけど?! 」


セレーナは俺の言葉を脳内変換し自分の良いように解釈しているのだろうが、一方的な説明ほどイラつくものはない。


まだ、内容が分かっているならば良いが無知識のまま説明を一気にされても分からんのだよ!俺の凡庸な頭ではなぁ!!


「いやー。ごめんなさい。ついつい悪い癖が出ちゃったわ。やっぱり演説慣れってダメね。」


てへぺろっと舌を出すセレーナ。見た目は可愛いが俺はもうウゼェとしか思えない。


「俺、帰ろっかな…」


「マジごめんごめんごめんなさい。

マジでちゃんと説明するから!」


とちゃんと謝ってくれたので俺は話の続きを促す。


「分かったから、フラグの説明の続きを頼む。」


「えぇ、ふざけずに真面目にやるわ!」


キリッとした顔をしてこくんと頷いているが…最初から真面目にやれよ。


「フラグの回収、つまり結果がフラグ通りになる時が、回収された状態になるの。


でも、フラグが折れた時は結果がフラグ通りにいかなかった時を意味するわ。


さっきで言うなら、兵士が生きて帰って結婚する。とかね。」


「じゃあ、俺はフラグを回収する訳だから兵士を殺す必要があるのか?」


俺は多分今眉間に皺が寄っている。確かにリア充は爆発して欲しいが、その幸せをぶっ壊すのが俺なのは嫌だ。


何処かの某霊能力者も言っていたが、誰かに指図されたからと言って外道をかまして良い訳ではない。


俺にとっての外道は人を殺める事とかもだが、人の幸せを踏み躙る事だ。人を殺し女を不幸せにするほど人間をやめていないのだ。


自然消滅なら良いけどね。ごめんリア充への妬みは抑えきれないんだ…だって人間だもの。


セレーナは俺のそんな様子を見てくすりと笑う。


「安心して頂戴。確かにフラグは回収して欲しいのだけど、全部って訳じゃない。其れに蓮くんにはフラグを折る事もやって欲しいの。」


「え?フラグを折ってもいいのか?てか其れなら別に俺いらなくないか?」


「…何故かしら?」


「だって、どっちにしろフラグは回収されるか折れるかの2択しかないだろ。


放っておいてもどちらかにはなるだろ。」


フラグが結果の予想だとしてほぼ確実に起こる未来ならば『フラグ通りになる』かその未来が起こらなければ、『フラグ通りにならない』かのどちらかになる筈だ。


死ぬか生きるか、YESかNOか、ハーレムかボッチか、ジャ◯プかマーガレ◯トか


2択しかないなら最終的に1択に絞られる筈だよな。因みに俺は昔マ◯ガレットではなくち◯お派だった。





















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