~不良3人組~
ッガン!
鈍そうな音とともに私、前山修一はふっとばされていた
ここ最近では異世界行ったり
ファンタジーの世界に行ったりと
平行する世界に跳んでいく人間も多々いるようだが
まぁ私はそういう跳び方ではなく
右ストレートをもろに受けて後ろに押し出され
あまつさえ棚にぶつかり頭を打って
声にならない叫びをあげている最中である
「ほ~れ、さっさと出すもの出せよ、なぐられたくなけりゃぁ~な」
そう言いつつ間合いを詰めるてくるのは不良三人組
吉田元気、児島栄二、黒沢一の三人だ
ここ最近はこういうベタな不良なんて居ないもんだと思っていたが
考えが甘かったようだ
ほんの数時間前の昼休み
私は図書室である本を読んでいた
意外と人が多く、向かいに座っていた人物に問われた
「ねぇ…ねぇったら」
「…なんだ?」
同じクラスの朝川ゆいという女子だ
あまり喋ったことはないが小学生の時に
同じクラスになったことはある、その程度の付き合いだ
「前川君さ、そんな本読んでわかるの?」
いきなり名前を間違えるとか失礼極まりないが
まぁそんなレベルの関係と認識してもらいたい
「前山だ、それと、その聞き方は失礼ではないか?」
と注意もしつつ話しかけないでくれオーラを出す
「え~…光学応用?とかなんか大学生がやりそうな本読んでるんだもの、気になるよ」
他人が読んでる本が気になる
それはまぁ読書をするものならあることだろうと思う
だが私は本の虫だとか
そういう頭がよさそうに見えるだろう
アピールがしたいわけではない
「さぁな」
そう答えると、眉間にしわを寄せて言い放った
「ちぇ、いいジャン教えてくれたって、ケチ」
子供かと思える言い草だ、確かに結構うるさい奴ではあったが
こんな人間だとは思わなかったわ
「はぁ…最近勉強し始めたんだ、まだわからん」
「なーんだ、頭がいいアピールでもしたいのね」
こ…こいつは…地雷を踏みに来たのか…
「ふんっ、そう思いたいなら思えばいい」
「あっそ」
そう答えると朝川は本に視線を落とした
自分も本に視線を戻し集中する
モノクロメーター…これがあればなぁ…
端末を取り出し、ネットで検索をかける
15万か行けそうだな…
「ねぇ…」
さっきからちょくちょく突っかかってくるな…
「……なんだ」
「あんた15万とか平気で出せる位金持ってるの?」
あれ?何で価格知ってるの?
「……だったらどうした」
「あんたが扱ってる端末だって最新式の高い奴だしあんたって結構ボンボン?」
「……知ったことか、集中できんから話しかけるな」
「あっそ、じゃあね~」
「……あー…ん?、あ…声に出てたか…」
この話を朝川から聞いたのか
それとも声に出てた話が漏れて耳に挟まれたかは
わからないが、結構ピンチである
頭がフラフラする、財布は後ろポケットに入っている
万札でも渡せばどっかに行くだろうが
そんなことができる余裕はない
「おら、さっさとしねぇか!」
黒沢に右腕をつかまれる
「誰が金なんか出すかボケ!」
右腕を振りはらう
「んだとぉ?!」
今度は吉田の右フックが自分の頬に命中
クラクラしてきた
「っへ、威勢だけは一著前だなぁボンボン」
調子に乗って減らず口を叩く黒沢
やはりあの話聞いて来たな、この不良ども
自分を囲むように3人が詰めてきた
腹に一発、視界の外から飛んできた
嗚咽と共に足が崩れる
「上着には持ってなさそうだなぁ」
児島に右左のポケットを探られたが、振り払う
「じゃあズボンのポケットかなぁ?」
私は目の前の児島の左脇から転がり出て
走り出した
「あ!待てえ!」
他の三人も続いて走り追ってくる
ここは三階、階段を駆け下りて別塔へ向かい
職員室に行けば助かる
頭がくらくらするが鍛えている自分に
奴らが追い付けはしないだろう
一階まで駆け下りた、すきを見て振り返ると二人しか
追いかけてきていない
ハッと気づいたとき目の前に先回りしていた吉田が
通せんぼしてきた、挟まれてしまった
「よぉ、挟み撃ちってやつだな」
息を両者切らしつつ詰め寄ってくる
「クッ」
つかまるしかないのか…さすがに吉田の方には隙はなかった
腰を落としタックル構えになっている
後ろの二人もじりじり寄ってくる
「なら…こっちから!」
校舎裏の方にある扉を開け外に逃げる
相手は一人だけ窓から飛び出し
残り二人は手分けして追うつもりのようだ
だが、一階に下りれた時点で私の勝ちだ
と思ったがそうは問屋がおろさなかった
帰宅途中の人間にぶつかった
「ぐぉ?!」
「きゃぁ!」
何とか相手を守りつつ倒れた
「いっつつ…大丈夫か?」
「あ…あの…平気です」
手とひざをすりむいたがまだ走れる
「居たぞ!!」
「っは?!すまん!」
その一言を置いて職員室に走りきった
事情を聴いた先生が校内放送で三人を呼び出した
だが三人が姿を現さなかったため
途中まで先生と帰る事になった
さて、導入部に来ましたわ
一応6話分くらいできてるんだけど
来週くらいに上げましょうかね
感想や誤字脱字あれば教えてくだされば
とてもうれしく思いマフ