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エクストラステージ 「パーティー ナイト」

「つーん」


 うーん。スーが、話を聞いてくれない(泣)やっぱ、帰ってきた時に、ドメーヌと腕を組んでいたのが原因だろうか? それとも、街中で俺の新しい異名について聞かされたから、だろうか? あるいは、新しい嫁候補の一人が、アラサーだから? いや、そもそも、久しぶりに帰ってきたら、嫁が三人も増えるかも、なんて言ったりしたら、普通に外道だよなぁ。はぁ、せっかく、今日はスーの誕生日なのに。


 あれから、何とかして暴動のさ中を教皇様達の協力まで得て抜け出したものの、コンクラーベが終わるや、会場内で起きたことが報道された。そして、ついに、新教皇12席にラトワンヌ=トロイエンヌが正式に着任したことが報じられた。


 しかし、それに伴って皇帝の崩御と、17名の死亡が発表されると、12教皇に対するバッシングもあったという。そして、あの決闘の結末!

 議場から出てきた他の参加者たちから、俺への罵詈雑言が語られると、それに同調する者の数は20倍に増えた。そして、あっという間に

「聖女様の純潔を奪った憎き神敵」

「聖女様を公衆の面前で犯した強姦魔」


 と、いう異名は全国土を駆け巡った。当人に問い詰めると、


「だって、あんな風に床に押し倒されて奪われるの、夢だったんですもの♡」


 とか言いやがった。「押しぽ♡」だったのかよ!


 しかし、桃色ばかりでも、今回ばかりはいられない。


 皇帝ウィリアム二世の死去が報じられてから、国を挙げて大葬が行われたのが、一昨日である。

 そして、昨日喪が明けるや、新皇帝アルベルト一世の戴冠式が略式で行われ、俺たちも招待されて行われた。まぁ、略式なので、ほんの一時間程度のものだったのだが。


 そして、今日は、クリスマスイブという訳である。なんというか、イベント過多で胸焼けしそうではあるが、せっかくシュガーレイとの合同パーティーが開催できるのだから、楽しんでもらいたいのだが。


「なぁ、スーさんや。少しでいいからお話させてくださいな。なにしろ、8000人の人間の中で、死亡したのが17人、逮捕者が73人、俺を含めた重軽症者が912人、死亡者の中には皇帝も含まれるという異様な選挙だったんだ。 そんな中を頑張って生きて帰ってきた原動力は、間違いなく、スー、君だ」


 ぴくっ! 反応が出た。


「ここだけの話、君がいたから、俺はここまでやってこれたんだ。あの、地獄の決闘の時も、君に会いたい。それだけを願って切り抜けてきたんだよ。俺には君が必要だ。愛してる。愛してる。大事なことだから、二回言ったよ」


「くすん、あ、あなた。私も、愛してます。愛してます。大事な事なので、二回言いました。でも、とっても不安なの。今回みたいに、また、あなたが私を置いてどこかへ行ってしまうような気がして」


「……ごめん、もうしないよ」


「ほんとう、ですか?」


「約束する。いつも、一緒にいよう」


 そう、言いながらキスをする。ドメーヌがしてきた時よりも、濃厚でハレンチなキスだ。


「ん……う、ん、♡、はぁ、はん、ぁ、♡、ん、ちゅぱ、んちゅ、ぁぁ♡」


 そうして、十分程も堪能した後、スーが言い出した。


「私、叶うなら、今日のプレゼント、あなたとの赤ちゃんが欲しいの♡」

「叶えよう。二人で。今から、赤ちゃん作りに行こうよ。抜け出して」

「……はい♡」


 そうして、レンジローバーを切り離し、二人だけで、逃避行を開始した。


 (うん、予定通り、スーを連れ出すことに成功した。ほっ。

 この間にみんながパーティーの準備をする予定である)


「あなた、今日は、嘘でもいいから、私だけのあなたでいてください♡」


「嘘なもんか。俺の心は君のものだよ」


 レンジの運転をしながら、囁いた。俺、ジゴロ!


 そうして、ふたりだけのデートが始まった。


 誕生日のプレゼントとして、大きなブラッドビジョンルビーの指輪を買った。店員目を丸くしていたっけ。(ちなみに、大金貨一枚丸々飛んでいった)


 その後、遅めの昼食を小洒落たカフェでとり、公園で一休みして、


 そうして、以前から目をつけていた郊外の小洒落た連れ込み宿で本日のメインイベントとなるのだが、

 残念、ここからは、彼女たっての希望によりお伝えすることが出来ない。


 なので、代わりにイメージソングを一つ蔵出しすることにした。

 悪しからず♡



 挿入歌 わたしの好きな勇者様♡


 普段は優しいあなただけれど

 助けを求める人たちを

 見捨てておけぬやさしさが

 時々怖くて見てられなくて

 涙がでちゃうのどうしても

 あなたが私を置いて行きそうで


 わたしの好きな勇者様♡

 わたしを好きな勇者様♡


 一つおねだり聞いてほしいな

 わたしも一緒につれてって



 普段は優しいあなただけれど

 みんなのあなたで居る間

 わたしのことを忘れてそうで

 時々怖くて見てられなくて

 涙がでちゃうのどうしても

 私があなたを見失いそうで


 わたしの大事な勇者様♡

 わたしを大事な勇者様♡


 一つおねだり聞いてほしいな

 わたしも一緒につれてって



 

 うた スカーレット ディガー コオリヤク



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 こうして夕方、日が暮れたころ、都合27回程絶頂を迎え、いつものつやつやを取り戻したスーを連れて孤児院に帰ってきた俺は、窓の外を覗いていたチヨのOKサインを確認してから中へエスコートした。


「「「「「「「ハッピー バースデー スー!!」」」」」」」


 パン、パン! と、クラッカーの鳴る音に呆然とするスーがかわいい♡


「へへへーっ! びっくりした? スー!」

「あなたが、この頃煮詰まってるようなので、みんなで何かしてあげたいと考えていたの」

「スーが元気ないと、さみしいからね♡」

「その通り! スーは、私達の上司なんだから」

「もちろん、それだけじゃないですわ。大事なお友達なんですからね」

「拙者たちも、いろいろ考えたでゴザルよ」

「……肯定。スーは私達全員のリーダーなのだから」


 呆然としていたスーが、正体を取り戻すと、


「あ、ありがとうございます。みんな。そして、ごめんなさい。ずっと、一人だと思って勝手に悩んでいたの。そんな必要、全くなかったのにね。私、わがまま言ってたのね」


「そんなの気にしなくていいのに……スーは、真面目すぎるんだよ♡ あたしらにとって、大事な仲間なんだから」

「その通りだにぃ。なんといっても、まだまだ14歳。これから学んだり、経験する事の方が多いんだからねぃ」


 うんうん、みんなに愛されてんだなぁ。って、当たり前だよな。愛されキャラなんだし。


「うちら、シュガーレイからも、プレゼントがあるんだよ。さ、ダニエラ」

「うん。私達から、勝負パンツだ! これで不可を、不可を……はずかちぃー♡」

「うんうん、リーダーのその顔が見たかった」


 確信犯かよ。たち悪いな、ラナさん。


「ちなみに、今ダニエラも色違いを履いてるよ。ほら♡」

 と、言ってびろーん、とズボンを下ろした。


「うっきゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


「って、紐でふかぁぁぁぁぁっ!!」


 ええ、スーからまたしても怒られました。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ゴーディシュとの試合と、ドメーヌとの試合の間に、俺はスリムと面会した。


「そうか、ゴンザレスがフランクを……」


 詰め所で俺の口から顛末を聞いたスリム=ブラウンこと、ジョン=スタンリーは、天を仰ぎ友二人の冥福を祈った。


「俺達は、元はパーティーを組んでいたのさ。フランクが、ライカンスローブを罹患した時に解散したんだが、俺だけは、度々奴と仕事をしていた。何かあったら全力で止める約束でな」


「ゴンザレスだって、別に悪い奴と言う訳じゃないんだ。只の行き違いを修正しきれなくて、こんな関係になっただけなのにな。ホント、救われねぇぜ」


 そう、言うジョンは、最後にエルノスとの関係の事を話してくれた。


「フランクは、若い頃一度死んでいる。復活させてくれたのが、エルノスの父ウィノク師だそうだ。いつか、恩返しをしたいと願っていた奴は、ロサでウィノク師の反乱を聞いて愕然としていたよ。自分が止めさせると言ってたのにな。結局、自分が恩人の止めを刺す役になっちまった。それから事件の真相を掴むまで一年近くかけて、俺はスパイダーネストのマネジャーまでやって、情報を探ってたが、どうにも、はかばかしくねぇ」


「それにしても、よく潜り込めたものだな」


「そうでもないぜ。普通に募集してたからな、マネジャー」


彼が言うには、スパイダーネストのメンバーには、ついぞ会えず終いだったとか。ザンゲ公国の時にも、奴ら、表立っては姿を見せず、ジョンを介して情報だけやり取りしつつ、手形を受け取って、すぐに撤収という、何ともつまらない仕事だったとか。


「とにかく、そうしてまで、奴はこんなふざけた状況を作った奴らに復讐したかった。それと同時にエルノス少年の未来を案じて何とか独り立ちできる環境を作りたかった。俺達の動機としたては、そんなもんさ」


「それにしても、凄い票数だったな。どうやって集めたんだ?」


「簡単なことさ。賄賂だよ。神聖帝国大金貨。あんたは、沢山持っていたけどな、あれは、本来〝国〟に貢献した名誉ある人間にしか手に入らない。逆に言えば、あれを一枚でも持ってる人間は、〝国〟から必要とされる名誉ある人間であることの証明になるんだよな。だから大抵の貴族はあれを手に入れるためなら相当ヤバい橋でも渡る。票の取りまとめ位で貰えるなら〝喜んでっ!〟てなもんさ」


「ってことは、ゴーディシュが集めてた大金貨は……」


「御明察♡ あんたの売った金貨が賄賂にスライドしたってことさ」


 オー! なんてこった! 結局、俺と奴でエルノスを盛り立てていたってことかよ!


「だが、結果論としては、俺達がそうやってエルノスを押してる裏でラトワンヌ女史暗殺のギミックに使われちまったってことか。おたくの神官様が居なければやばかったんだな。かえってすまねぇな」


「なに、俺達は、俺達で彼女に死なれちゃ困るだけだしな。アコは、彼女が好きみたいだし」


「ってことは?」


「ああ、棄権しようと思ってる。ゴーディシュには悪いがな」


「なに、坊やが独り立ちできるなら結果はどうでもいいのさ。奴の戦略目標もそう規定してたしな」


「あいつは、俺よりも凄いよ。何しろ自力で結婚相手まで捕まえたんだからな」


「ええええっ! 俺だってまだ独身なのに!」


「ところで、あんた、これからどうする?」


「それだが、恥を忍んでお願いしたい……」




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 キンコーン


 おっと、どうやら来客のようだ。


「フッカー卿、ドメーヌ様達がお見えですよ」


「本日は、お招きありがとうございます。スー、お誕生日おめでとう」


「わぁっ♡ ドメーヌ様、ありがとうございます。スーは、とっても幸せですわ」


 大きな薔薇の花束を持って来てくれたドメーヌ様に、スーと俺は御礼申し上げた。


「ありがとうございます。ドメーヌ様。今日は、皆さんも、楽しんで行って下さい」


 そう、ドメーヌを始め、アンジェラさん、ナタさん、シリーニ様を招き入れる。暖かい暖炉の傍で外套をブーケとチヨが預かり、まずは、暖かい飲み物でもてなす。


「あ、甘ーいですわ。何ですかこのおいしいの」


「俺達の世界の飲み物でココアといいます。冬の寒い時期に暖かくして飲むと最高に美味いですよ。今回は、ちょっとだけブランデーも入れてあります」


「は~、温まるわねぇ。スー」


 な、なんかシリーニ様がばばむさい反応を! い、いや、見なかったことにしよう。

 他の二人にも好評だったようで、アンジェラさんは一気に飲み干してしまったし、ナタさんは、無言で握手を求められた。


「まだまだおいしい物、一杯用意しましたからね。楽しんでいってね♡」


 と、親指立ててドメーヌにアイコンタクトするアコ。ドメーヌも返礼で親指立てる。

 この二人、いつの間に結託したんだ? こえー。


 キンコーン


「トライ イービルの方々が、お見えですよ。ただ、もう一方お連れですが」


 ? マダムにしては、歯切れが悪いな?


「よっ! 邪魔するぜ!」

「んむはー、おめでとう、奥方」

「おめでとう。いい女にまた一つ近づいたねぇ」

「奥様、おめでとうございます。本日はお招きありがとうございます」


 と、一人だけ空気の違う挨拶をしたのは、まさか、


「「「「「「「「陛下!!」」」」」」」」


 嫁たち仰天! 

 俺達もだけど。


「陛下は、初の行幸にお前の所を選ばれた。感謝してへつらえ!」


 何故に喜死朗がえばってるか? まぁ、とても名誉なことだが。


「陛下にお越し頂き、感激しております。しかし、私共の所で本当によかったのですか?」


「勿論です。貴族たちの勢力争いに使われるのも御免ですし、フッカー卿には選挙の時に言葉に出来ない程のお世話になっておりますし、是非、第一の行幸は、貴方の所にと思っておりました」


「すごーい、本当に皇帝陛下が旦那様に会いにくるなんて!」

「さすがは、私の旦那様。ブーケも鼻が高いですわ」

「ほぇ~♡ 陛下、かっこいい♡」

「主様が陛下と歓談してらっしゃる。凄い、凄い!」

「何でしょう。あの二人のカップリングを見てるとこう、ムラムラとリビドーが……」

 ミナミ、カップリング言うな!


 キンコーン


 どすどすと、廊下を踏みしめ歩いてくる音がする。


 バーン! 「陛下!」


 新教皇こと、ラトワンヌ様の登場だ!


「なにゆえ、一人で先に行かれるのですか!? 御一緒いたしますと申し上げていたのに!」


「いや、なに、一人でお使い出来る所を見て頂こうと……」


「だからって、婚約者を置いていく人がありますかっ!!」


「「「ええええっ!」」」


 俺達はびっくり! 仰け反った。


「あら、ご存じなかったんですの? 子供の頃からの約束で有名な話ですのに」


 ドメーヌがそう言うが、俺達、9ヶ月前に来たばかりだし、知らんよー!


「そう言えば、主様たちは、こちらに落ちてきて、まだ一年たっておらんのでござったな」

「……それなのに、この人脈。やっぱり、ぷろへっさー、凄い!」

「「「「「「ぷろへっさーだけじゃなくて、主様も凄いよっ!」」」」」」


 なに? この褒め殺し作戦。俺は、今日死ぬのかな?


 キンコーン


「フッカー卿、ドーゼン猊下がお見えですよ」


 あ、死んだ。


「よぉ、今日はお招きありがとよ。アコちゃん。うぉっ! 話には聞いていたが女子率高いのぉ。おおっ! 陛下、来ちょったのか。丁度よい。一緒に飲もう!」


「おじいさまっ! 来る早々孫娘を放置は酷いんじゃありませんこと?」


「これこれ、陛下の御前であるぞ!」

 と、窘めるが、それで止まる程諦めが良くないんだ。この女性(ひと)


『なあ、喜死朗、俺達場違いじゃね?』

『しっかりしやがれ! この駄ホスト!』



「そそそ、そ、それにしても、ひさしぶりねっ! フッカー。まぁ、別にこちらは恋しがってなんかないんだからねっ!」

 そう言いながら、アキナ嬢は、俺にそっぽを向きながら、挨拶した。ワインレッドのドレスを着た彼女は、こちらの人だけあって、年齢よりも俺なんかは若く見えるんだけどね。しかし、流石にツインテールは厳しかろうが、これが、彼女のアイコンだからなぁ。


 ……荒くれ30女(アラサー)のツンデレにどんな需要があると?


「……ご無沙汰しております。ミス アキナ。お待ちしておりました」


「べ、ベ、べ、別に、来たくてきたんじゃないんだからねっ! 感謝しなさいよねっ! おじい様のえすこーと、とか、! そう、そうよ、介護よっ! 介護で来たんだから。別にあんたの事なんて何とも思ってないんだからねっ!」


「非道いのじゃ!」

 ジジイが仰け反った。まぁまぁと窘める陛下。なんだ、このGDGD空間?


「そういえば、喜死朗、おまえ、陛下の〝一の騎士〟になったんだってな。おめでとう」


「やめろや! こしょばい!」

 喜死朗がもじもじしだした。キモイ。


「某も、郊外で念願の牧場をすることが決まったのである。ゆくゆくは、ファンク牧場のように有名になるようにしたいのである!」

 フン と胸を張る鏖 煉獄。(そういえば、奴だけは本名だっけ)


「いや、そこは目指すなら花畑牧場とか、マザー牧場じゃねーの?」

「いや、どっちかというと、オレッチは小岩井牧場のような気がするが」

 なんで牧場に詳しいんだ? 俺ら。まぁ、安●楽牧場じゃなきゃいいや。


「なぁ、それなら、牛肉や、牛乳なんか、安く譲ってくれるか? 嫁たちはそういうの大好きだからな」

「勿論である。バターもチーズもぜひやりたいのである。モニターになってくれれば重畳である」

 と、言う訳で仮契約成立。これでお菓子がいろいろ作れる。


「じゃじゃーん! バースデーケーキだよー!」


 そう言ってアコとマダムが持ってきたのは、


「ウェディングケーキだぁ!」

「ウェディングケーキですわ」

「ウェディングケーキですよ。あなた♡」

「お、大きい♡ 素敵♡」

「ほえ~♡ 大きなウエディングケーキ」

「この剣でウェディングケーキをカット♡」

「う、ウェディングケーキ、はずかちー♡」

「正にウェディングケーキでゴザルな」

「まあ、わたくしと千糸様の♡」

「べべべ別に、ウェディングケーキなんて頼んでないんだからねっ!」

「どうしてこうなった」


 こうして、誕生日ケーキのろうそく消しの予定が、何故か俺達全員でのケーキカットになってしまった。どさくさに紛れてダニエラさん、ドメーヌ、アキナさんまで一緒になってケーキカットと相成ったわけだが、流石に11人の嫁と一緒にケーキカットは無理だった。俺は、顔面からケーキに突っ込み、顔をクリームだらけにして、ジジイや喜死朗達にゲラゲラ笑われた。一方、おこぼれ頂戴を狙っていたチビーズや孤児院の子供たちからはブーイングを浴び、A級戦犯として、ケーキ抜きの刑に処せられた。


 ま、いいか、と顔に付いたクリームを舐めながらいると、スーが俺の顔からクリームを舐め取った。

 それを見ていた嫁ーズが次々と真似をしだして、遂には、ダニエラさんとアキナさんまで顔を真っ赤にしながらぺろぺろしていった。最後にドメーヌがうちゅ~ぅと、俺の口に吸いつき最後の最後まで吸い尽くした。またしても、食べそこなった。


 こうして、満足した嫁ーズたちが、先におねむになると、今度は、男同志の付き合いだ。

 陛下まで、午前様だよ。陛下の御前だけに。

 喜死朗とジジイに笑われ、陛下とヒロシに慰められ、こういのもいいなと、不覚にも思ってしまった。


 最後まで付き合っていたラトワンヌ様とアコも、午前二時となると、流石に陛下の膝で眠ってしまった。って、


「アコ! 起きろ! 流石に不敬だぞ!」


 にこにこ笑顔でまぁまぁと言ってくれる陛下だが、流石に拙すぎるだろ。

 結局、アコを寝床に届けた所で、お開きとなった。喜死朗たちとジジイ、陛下は、ラトワンヌ様を連れて帰ったが、シュガーレイとドメーヌ達は、お泊りとなった。あ、ジジイ、アキナさん置いてった!







 こうして、長い一日は終わりを告げ、本体様は、眠りに付いた。

 と、いうわけで、二度あることは三度ある。俺様が、そう、俺様が、

 エクストプラズム、エクストプラズム だぁぁぁぁぁっ!

 大事な事なので、二回言いました。


 こうして、このトンパチな、異世界から来たヒーロー(っぽいもの)の物語は一先ずエンドマークを付けさせていただく。とはいえ、前回予告で語っていたように、懸案にしろ、新しいブロジェクトにしろ、何も終わっていない。まして、ニューヒロインが最後になって登場したのに、放置って(笑)


 そんなわけで、いずれまた、この後のお話をさせていただくこともあるかと思う。

 と、いうか、絶対やるに決まってる。

 あの(作者)は、そういう奴だ。


 丁度時間となりました。

 と、言う訳で、さらば、近藤マッチとデート!?

 アディオス アミーゴ! マタノキカイヲ おーたーのしーみーにー!!



 

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