33th 「スマック ドッグ」
「埒が開きませんな。どうでしょうか、ここは、各人代表を出して決闘で決着をつけるというのは」
またぞろ、ゴーディシュが爆弾を投下してきた!?
しかし、この提案は、俺達やらされる側はともかくとして、投票者たちからは大歓迎の提案である。
スタートから、物騒なトラブル続きの今回の選挙。本音としては、いい加減解放されたいと思う気持ちは否定できない。その辺の間隙を突いたゴーディシュの作戦勝ちである。
「やむを得ませんか」
「不本意ではありますが、飲みましょう」
「僕としては、不満ではあるが……」
結局押し切られる形ではあるが、了承して、決着をつけることとなった。
とはいえ、ゴーディシュ以外の面々は、老人と女と子供である。代理を指名して、試合ってもらうわけであるが、エルノスは、当然、俺を指名するしかない。これは、ゴーディシュも二つ返事で賛成した。
「と、いうより、本音は、フッカー卿と試合ってみたかったのが理由ですからな。がっはっは」
そして、他の面々が指名したのが、
「狂咲喜死朗 隊長、申し訳ないが、頼まれてもらえないだろうか?」
「喜んで! 新陛下」
「不甲斐ない話ですが、お願いします」
「お任せあれ。公爵閣下」
と、言う訳で公爵閣下の代理は警備で来ていた喜死朗に決まった。居たのな。
そして、今一人、ラトワンヌ様の代理は、
「ドメーヌ。お願いします」
「承知いたしました」
なんと、ドメーヌである。
この四人でトーナメント形式の試合で決着をつけることと相成った。
「おいおい、このメンツ、物凄くないか?」
「騎士団最強の男に暴風子爵、薙ぎ払うブラディ、それに聖ゴーリガンかよ!」
「こんな所でやるより、外の闘技場で見たかったぜ」
「でもすげー! 今回選ばれてチョー得したぜ!」
「正に、最強決定戦じゃねーか!」
くっそう! 外野がすげー盛り上がっちまった。
とはいえ、実は俺達と、ラトワンヌ様は別に教皇にどうしてもなりたい訳ではない。
ここで辞退したらどうなるかな?
なんて、実際、ここで、エルノスとラトワンヌ様が票を献上しても、ゴーディシュは単独で30%近い得票数である。このコンクラーベを終わらせるためには、全ての候補者の票を分捕るしかない。
いっそ、喜死朗にすべての下駄を預けるのも手だろうが、流石にそれも気の毒というものだろう。
それに、ゴーディシュが不戦勝を認めるかどうか?
時刻は、午前三時を回っている。流石にエルノスとテリーはおねむである。
「この試合形式は、明日決定次第発表する。諸卿は速やかに解散して、明日に備えるように。では、解散!」
ふー、ようやく解放されたか。長い一日だった。
そして、泥のように眠る。ちちくりあう事もせず。
夢すら見ない本当に深い眠りであった。zzz
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
明けて翌日、遅い朝。
朝食のシリアルとフルーツをおかわりして食べた俺達は、今後の方針を相談するために再度ラトワンヌ様の所に行った。
「私の戦略目標は、例の第三勢力をいぶり出して壊滅させることなのだけれど、今のところ、尻尾を出してこないのよね」
「昨日のあいつ、スリム=ブラウンはどうしました?」
「今の所、協力的ではあるけれど、核心部分については話してくれてないわね。ただ、これは勘なのだけれど、あの男は問題の当事者ではない気がするの。肝心な部分を知らないみたいだし」
「毒物混入の件はどうですか?」
「そちらも、手詰まりだわねぇ。ただ、この期に及んで犯人にたどり着けない所を見ると、別の可能性も考えられるわね」
「と、いいますと?」
「最初から、教皇様方がこの件に積極的でない理由があるとかね。たとえば、犯人が彼ら自身であるとか」
「つまり、やかましい旧皇帝に見切りをつけ、新皇帝を新たな象徴にするとか?」
彼女は、肯定も、否定もせず、ただ黙ったままだった。
そういえば、ジジイは緊急事態だから許せと言っていたな。
「問い詰めてきた方がいいでしょうか?」
「流石に止めといた方がいいと思いますわ」
「ところで、ドメーヌと当たった場合、どうしましょうか?」
「あの娘は強いわよ。男女差だけで実際戦えば勝てると思ったら大間違いですからね。まぁ、貴方と闘うなら棄権するように指示は出してるけど」
「公爵閣下に対してはどうです?」
「面白いわね。彼に勝てるなら、貴方にも勝てるということですからね。やらせてみたい気もするし」
「とはいえ、実際にはほとんど真剣に闘うことは無いでしょうが」
とは、ドメーヌの談。
「まあ、そんな所で貴女に怪我でもされたら、こちらの方が不利益が大きいですからね。無理をさせる気も無いですけれど」
「つまり……」
「実質、貴方とゴーディシュの闘いがこの選挙の決定戦となるわね。ゴーディシュが勝てば彼のシナリオ通りに。貴方が勝てば私達のシナリオ通りということですからね。頑張ってください♡」
うわーん! 下駄を預けられたのは俺だったよー!
とはいえ、今の段階では、奴と対戦する確率は1/3だ。今から怖がってばかりもいられない。
「わたくしは、決闘の準備がありますのでこれで」
と、ドメーヌが退席すると、トーンを変えてラトワンヌ様が俺に話しかけてきた。
「貴方には、ドメーヌを守ってあげていただきたいの。お願いしても宜しいかしら?」
「俺ごときが守るとか言うレベルの人でも無いでしょう。彼女はとても強い」
「今回の決闘のことだけではないの。あの娘は、私たち貴族にとっても、大事な切り札たる存在なのよ」
「それは、どういうことですか?」
「彼女は、貴族の偉大な始祖、三人のエルフの血を色濃く受け継いでいる存在なのよ。約三千年前にエルフの聖女ミェスクと肌を重ねた御先祖様の種から生まれた子供、始皇帝エクリプスから始まるこの国の貴族の家系は、以来三千年に渡って血統を維持してきたの。しかし、エルフとの交配によって過去には数百年あった寿命が、だんだんと本来人間の持つ寿命に近づいてきている。今では百年生きれば長生きの方ですわね」
そういえば、本物のブラウン卿は90で寝たきりだったな。
「彼女の血脈の中には、先のミェスクの他に、ジョセフィン太后、大母マハール、の血統が何代も掛け合わせてあるの。彼女の兄妹たちは、死産か、未熟児ばかりだった。唯一残った彼女は、後世に先の三人の血脈を残すための大事な役割があるのよ。あの黒髪、こちらでは珍しい色でしょ。あれこそ、皇家の始祖、ミェスクの血が活性化した証。恐らく、彼女の寿命は、過去の貴族同様数百年あると思うわ。それだけに、彼女には無事生きて多くの子を成してもらわねばならないの。
それに、もし、迷惑でなければあの娘を抱いてあげてほしいの。あの娘と落ちもの様の交配は、既定の路線の中にある義務の一つなの。幸い、あの娘は貴方を憎からず思っているようだから、是非にもお願いしたいのだけれど」
「え? え、ちょっと待った! 俺は一介の準男爵でしかない。将来公爵家を継ぐ彼女とでは身分差が」
「だから、本気で昇爵をして欲しいのよ。貴方が企画している迷宮の移送プロジェクト、あれを成功させて欲しいの。あ、その前に男爵にならないとね。お話だけは来ているのでしょ♡」
あ、アキナ嬢との話か。あれがここに繋がってくるとは……
「迷宮移送を男爵が主導すれば、次は辺境伯に、という話が出てくると思うわ。そうすれば、ドメーヌと家格の点でもつり合いが辛うじて取れると思うのよ。ね、お願いできますかしら?」
うーん、とんでもない話を聞いてしまった。アキナ嬢の話だけでも頭が痛いのに、そこにドメーヌまでとなると、もう、現実味も何も無いよ。しかも、俺としては、こんな話、スーを始め、みんなに何と言ったらよいやらだ。
こんこん、と部屋をノックする音。
「失礼します。決闘の準備が整いました。皆様、議場の方へお集まり下さい」
と、呼ばれた。らっき♡
「その話は、また。この決闘で生きて帰れたらということで」
うん、ごまかせたとも思わないけどな。
「ときに、ラトワンヌ様は誰が最強だと思いますか?」
その答えはもらえなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ちゃっちゃちゃ~ ちゃちゃちゃちゃ♪
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「それでは、決闘のルールと手順を説明いたします」
選管の男が一同に説明を始めた。
「各代表の四人は、こちらに用意された綱の端を各々選び、それを引っ張っていただきます。綱は、隠してある部分で、繋がった二本の綱となっており、各々繋がった両端がそれぞれの対戦相手となります。また、綱の中央部分に1ないし2の番号が振ってあり、それが試合順となります」
ふむ、綱引きマッチというやつだな。
左から、俺、ドメーヌ、喜死朗、ゴーディシュの順に綱を持つ。
「それでは、引いて下さい」
そうして決まった順番は、
第一試合
(暴風子爵)ドメーヌ=クリフォード
VS
狂 咲 喜 死 朗
第二試合
フカ=コオリヤク=フッカー卿(聖ゴーリガン)
VS
(薙ぎ払うブラディ)フランケル=ゴーディシュ
と、決定した。
「次に、対戦ルールに関する説明に移らせていただく。
試合形式は、時間無制限一本勝負!
12m四方の正方形のリングに金網を設置させていただいた。
決着は、10カウントKO、ギブアップ宣言または、レフェリー権限によるストップのみで決着する。
また、セコンドのタオル投入による試合放棄宣言を特別に許可する。
試合には、レフェリーの認可した公式武器のみ使用可能とする。
その他細々とした部分については、各人、己のプライドを以ってこれをルールとする。
それでは各々方、フェアなクリーンファイトを。これにて、ルール説明を終了する」
うわお。ざっくりしたルールである。しかし、俺などからすると楽だし、有難いルールだな。
「それでは、各人、公認を取りたい武器を宣言していただく」
「オレっちは、考えたが、一番使い慣れた〝浦斬り〟だ!」
「承認!」
「わたくしは、この細剣、〝グロウスターク〟です」
「承認!」
「俺は、この〝ゴーリガン変身ベルト〟と、移動したゴーリガンの鎧一式だ。あ、あと、場合によっては、ようせい一匹」
「承認!」
「私は無手で」
「承認!」
え!? なにも持たずに来るというのか?
「フッカー卿、心配めされるな。私にも、切り札はあるのだ。がっはっは」
「俺の鎧と同等の切り札ですか?」
「それは、披露してからのお楽しみだ」
そういったゴーディシュは、心底楽しそうに控室へ消えていった。バトルマニアめ。
俺はどうするかな。
「不可!」 「旦那様……」 「主様」
アコたちにも心配かけているな。申し訳ないことだ。
「アコ、セコンドは頼む。アナは、アコの手伝いを、アヤメは、悪いが捕まえたブラウン卿の所に行って背後の仲間なんかの情報をとってきてくれ。場合によっては、薬や拷問してもかまわない」
我ながら外道だとは思うが、試合中に変なことする奴らが現れても困るからな。
「承知! さっそく行ってくるでござる」
「OK、勝とうね♡ 不可!」
「はい♡ 旦那様♡」
「ここが、剣ヶ峰だ。勝ってこのイベントを終わらせよう。そうしたら、アコの神託前に終わらせられるし、スーの誕生日にも間に合う。さあ、ショータイムだ!」
「「「おー!」」」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「それでは、只今より、第一試合を行います。
まず、赤コーナーより、狂咲 喜死朗 入場!」
津軽三味線の軽快な音楽が流れる中、先ほどまでのサーコートから、俺たちのよく知る着流し姿に着替えた喜死朗は、花道を堂々入場してきた。やば、不覚にもカッケーとか思っちまった。それにしても、こないだのお宝持ってくると思ったのに、まさか〝浦斬り〟とは。
ん? 音響設備なんて、いつの間に用意したんだ?
「それはねぃ! 選管に特別に呼ばれて音響設備と照明の貸し出しを頼まれたからだよ」
「うわっ! いつから居たんだ? ヒロシ!」
のけぞって後ろを見ると、ほんとに居やがった。ドヤ顔のヒロシ。ホンモノだよ!
「青コーナーより、暴風子爵 ドメーヌ=クリフォード 入場!」
打って変わって綺麗なピアノソナタをバックにドメーヌが入場してくる。
「選管からの使者という人が昨日遅くに訪ねてきてねぇ。音響設備と照明を貸してほしいと頼まれたんだよ。ただ、僕が途中で入ってきたことは秘密なんだよねぃ。そのつもりでいてくれよ」
なんてこった!
「それでは、第一試合を開始いたします。赤コーナー、135ポンド 狂咲 喜死朗!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉっ! と、大歓声。意外と人気あるのな。
「青コーナー、110ポンド ドメーヌ=クリフォード!」
うおぉぉぉぉぉぉぉっ! ぴーぴーヒューヒューと、喜死朗以上の大歓声だ。
「特別レフェリー リッキー=ドーゼン」
え、ジジイ? どうやら、マジらしい。二人のボディチェックを行い、
「お互いクリーンファイトを心がけること。それでは、レディ Go!」
カーン
ゴングの音色が響き、試合開始となった。
「はっはー! ドメーヌさまよー! あと4年早く会いたかったぜぇ!」
キン、キン、と、つばぜり合いしながらも、喜死朗はドメーヌを挑発する。さしものドメーヌも、レイピアで刀の相手は厳しいかと思っていたが、
「貴方の刀、最近研ぎに出しましたね。一番使い慣れているとのことでしたが、その分だけバランスが崩れていることにも気がつかないようでは、まだまだですわね♡」
そう言うと、一気に無数の突きを出してくる。
有効打ではないなと思いきや、 バラバラリ、と、
ええええっ! 喜死朗の着流しがバラバラになった。ふんどしまで! フルちん状態の喜死朗を見て
「ぷっ!」
ドメーヌが吹いた!?
その一言でHPがゼロになった喜死朗は、
「参りました」
と、ギブアップを宣言した。
「陛下、公爵閣下、面目ない」
意気消沈して謝罪する喜死朗の姿が小さく見える。気の毒だが、相手が悪かっただけだろう。陛下も、同じような事言って慰めていた。
一方、ドメーヌは、
「運のいい勘違いをしてくれてましたわ。それがなければ、千日手になってもおかしくない相手でした」
男の尊厳を踏みにじって勝利を得たとは思えないほど、謙虚なせりふだが、実際、二人の実力はそれほど差がないのだ。一歩間違えたらドメーヌの方こそ大怪我しててもおかしくない一戦だった。
さて、次は俺の出番である。一度控室に戻り、呼び出しを待つ。
「続いて、第二試合、赤コーナーより、フカ=コオリヤク=フッカー 入場!
ぱん! と、顔を一つたたいて入場する。入場テーマは、ゴーリガンの歌のインストだ。
花道をリングに向かう中、アヤメが戻ってきた。
「あやつ、ゲロりました。 ゴーディシュが、エルノス殿の誘拐未遂の主犯でゴザル」
時間は遡る。
ブラウン卿(偽)に対面したアヤメは、その素顔に見覚えがあったそうな。
「あああっ! お主は、スパイダーネストのエージェント!」
「げげぇっ! バレテーラ!」
「つまりは、スパイダーネストの暗躍でござったか!」
「ちょっと、タンマタンマ! 今回の一件は、スパイダーネストに関係ないんだよ。ホント!」
「信じられると思うでゴザルか? さあ、吐け! ここへは何しに来たのでゴザル!」
「今回は、ホントに友達のゴーディシュの応援できただけなんだってばよー!」
「友達!?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「奴の本名は、ジョン=スタンリー。奴が言うには、ゴーディシュは、自分が殺したウィノク猊下の息子、エルノスに父親の地位を与えて罪滅ぼしをしたいというのが、本心らしいのでゴザル」
「つまり、アナの予想がほぼ当たってたってことか?」
「うそ~♡ ホントに!?」
「間違いござらんよ。ロサでの一件も、騎士団の連中がエルノス殿を害しようとしたから救助に来たのだということ」
「つまり、あの日の闘いは無駄だったということかぁ~!」
「まあ、主様を見極めるという面もあったようでござるが」
なんか、どっと疲れたよ。どうすんだ? 試合前に。
「青コーナーより、フランケル=ゴーディシュ、入場!」
こちらのテーマ曲は、ベートーヴェンの「運命」だ。これは、バーンスタインか? 渋いチョイスだな。
「それでは、第二試合を開始いたします。赤コーナー、210ポンド フカ=コオリヤク=フッカー!」
ワーワーと、歓声が聞こえる。案外聞こえるものだな。
「青コーナー、320ポンド フランケル=ゴーディシュ!」
ウォー! とこちらも大歓声。なんか、必死な顔してる人が多いな?
「特別レフェリー、ル=セッヅ」
ナント! 推薦者がレフェリーっていいのかよ?
「心配めさるな。裁きは、公正に務める。第一、この男に融通する理由がもう無い」
と、猊下はのたまった。
「そりゃないぜ。マスター」
え、マスター?
「昔の話だ。今や、利害の違うもの同志、特別扱いはせんぞ!」
そう言って試合モードに入る。
「お互いクリーンファイトを心がけること。それでは、はじめ!」
カーン、ゴングが鳴った。遂にゴーディシュとの対戦だ!
俺も、奴も、いきなり間合いに入って殴り合う。
どすっ、どすっ、ばちっ、どすっ、どすっ、バチバチと互いに決定打は入れられないものの、重い打撃が胸板に直撃する。俺にしろ、奴にしろ、人を殴るためだけの教育を受けてきた人間同士、そのアイデンティティが、奴をつぶせ! と、命令してくるのだ。
ここで、奴が間合い潰しのハンマーを仕掛けてきた。させじと、バックステップ。後方から、今度は俺の間合いを取る為進撃する。
どすっ! 一発いいのを入れることが出来た。ただし、奴との体重差は、普通なら決定的な差となり、俺に不利に働く。それでも、攻めることを止める訳にはいかない。
だが、ここで、奴の反撃、撫でるようなパンチ一発が、俺にはとてつもなく効く攻撃となる。
そして、奴のトーキック! 鳩尾は避けたものの、一気に間合いを取られた。やべ!
後方に一回転してのバク転で間合いを取り直す。しかし、奴はチャンスとばかり、一気に間合いを詰めてくる。
くっそ! カウンターを当てる!
必死の思いで放ったパンチは奴の顔面を捕えた。が、俺も奴のパンチを顔面で受けてしまった。
回避無視、防御無視のクロスカウンターだ!
バキッ!!
そして、俺と、奴は、同時に昏倒した。
次回予告
次回 「偉大なる男」




