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9th 「ゆきゆきて八連制覇」

 ようやく、マカンの町に到着したのは、日が落ちて一時間程度経った頃だった。

「たしか、領主様が軍を通じて宿の手配をしてくれると言っておりましたよね?」

 一行のまとめ役、スーさんは、アイナちゃんに向かって確認する。

「……肯定。過去に軍が臨時の大本営を置いたこともある、由緒正しいホテルと聞いている」

 しかし、この辺に、そんなホテルがありそうにないんだが?

「……あった。ホテル エロトピア」


 その建物の異様なオーラは、この世のいかがわしさを全て網羅したかの様であった。

 確かに大きい。その大きな建物は、黄色と青の照明によって照らしだされていた。

 地上五階建ての威容を誇るそれは、我ら日本人にしてみれば、その威容も、そのいかがわしさも、よく見知ったものだった。

(そういえば、中二の時の課外授業で関越自動車道を通ったとき、69kmポスト地点にこんなの一杯あったっけなあ)

「って、ラブホじゃんか」「ラブホだねぇ」「どうしてこうなった?」

「……技術総監、からの命令。ここで英気を養い明日からの旅もがんばれと」

 なにをがんばれというんだ。

「……全館貸し切りなのでどんな性癖も外部に漏れない。安心」

「確信犯じゃねぇかぁぁぁっ!」

 どうしろというんだ。すっごく問い詰めてやりたい。


 一つだけ、俺達の知るラブホとは違うところがあった。

「どうやら乗ったまま入って行けそうだねぇ」

 この大きさの車でかよ。

 それだけは救いか……

 それにしても、絵面的には、ものっそい犯罪臭がするな。

 いま、俺達は、運転席に俺、助手席にヒロシと、ヒロシの上に座ったアイナちゃん。

 後席に、現在教育指導上不適切なため、アコに目隠しをされたスーさんという、背徳的な絵面である。

 このうえ、後ろのキャンパーにはロウティーンの少女ばかり六人である。

「……到着」

 駐車スペース三台分(馬車用だろうが、自動車用より大きいマスを三個占拠している)に辛うじていれると、全員下車して、ぞろぞろとロビーへ入っていく。

 もう、ライフ削られっぱなしなんですけど。


「いらっしゃいませー! ようこそ、背徳の楽園〝エロトピア〟へ」

 胡散臭い丸眼鏡の男が俺達を出迎えた。

 きりっとした、アイナちゃんが、

「……出迎えご苦労。小官が、一行の案内役を務める アイナ フォーリー技術将校 である」

「承っております。今宵、明晩と連泊のご希望、『アルカン軍技術総監ゲバルト様』より、皆様の接待役を仰せつかりました、店主のバルカスでございます。まずは、お食事の用意をしておりますので、最上階のパーティールームに案内させていただきます」

 そう言って一行にさきがけ、歩き出す。

 エレベーターに乗り、五階へ到着すると、フロア全体が、一つのスイートルームになっていた。


「お食事は、ブッフェスタイルとなっております。お好きなものをお好きなだけお召し上がりください。

お食事が終わった後は、御就寝のご用意をしますので、しばし、こちらの部屋を閉鎖させていただきます」

「……その間我々はどうすればよいか?」

「その間、外出されてもかまいませんし、下階のお部屋もご自由にお使い頂けますので、そちらでお休みいただいても構いません。近隣のスポットも後ほどご案内いたします」

 至れり尽くせりだな。ちょっと、建物だけで舐めてた。これなら安心だ。

「そういえば、かつて軍がここを大本営に使っていたとか」

 俺は聞いてみる。

「左様で。こちらには、三日間逗留いただき、飲めや歌えや女を連れ込み大乱交……」

「宴会じゃねぇかぁぁぁっ!」

 それも、下世話な類の、感心して損したわ。




 料理は、3~40種類が用意されていて、俺達十一人では食べきれない程用意されていた。

 味も期待値よりは、ずっと上だったし、飲み物も、数種類のジュース、赤、白のワインとエールが飲み放題だったので、久しぶりに少し飲んでみた。妻たちも、最初は、ワインを一杯だけ飲んだので、何人かはおねむのようだ。

 おねむの娘たちを下階の部屋に連れていき、俺達三人と、ミナミさん、アイナちゃん、アヤメの六人で、近隣の散歩に行くことにした。


 どこか、面白いところを紹介してもらおうと思って、ロビーで聞いてみた。

「左様ですな。この時間ですと、温泉を引いてある共同浴場もありますし、あとは、大人の時間を楽しむならバーラウンジもあります。後は、ビリヤード、ボウリング、ダーツなどが楽しめる遊技場。ストリップ小屋などもございますが」

 温泉か。広い風呂はいいなあ、と思っていると、大体みんな賛成したので、温泉に行くことにした。反対は、ヒロシのみである。そういや、小学校の移動教室の時、海パン履いて入ってきたな。こいつ。




 異世界甘く見てました。

 温泉、甘く見てました。

「きいてねえよー。全部混浴とか!」

「あら、わたくしはかまいませんわ。むしろ、ばっちこいですもの」

 といいつつからからと笑うミナミさん

「ユウシャドノ、ボクニハムリダ。カエル! カエル!」

「……私が連れてかえります」

 と、ちょっと残念そうなアイナちゃんが、ヒロシを連れて行ってくれた。


「じゃあ、一緒に入ってやりますか? いしし♡」

「主様と一緒に♡ 根来忍軍の技術の粋、ご披露いたします♡」

「ふふふっ♡ 楽しみですわ主様の肉体♡」

 微妙に身の危険を感じるんだが。ええい、ままよ。据え膳食わぬは男の恥だ!




 かぽーん



 中に入ってしまえば、普通の露天風呂だ。うん、脱衣所で一緒に脱いでるとこなんて、見てないぞ。

 うん、こっちの人たちは下に生えてないとか、聞いていないよ。


 和風テイストなのは、俺的にはうれしいサプライズだな。

 なんといっても落ち着く。

 アコが、ミナミさんにマナーをレクチャーしてる。こういう面倒見はいいんだよな。

 アヤメは、知っているみたいだ。

「里の岩風呂を思い出すでゴザルよ。修行代わりに一枚岩の湯船を皆で素手でくり抜くでござるが、年々湯船が広くなっていくのは、うれしかったでござる」

 と、まっぱを隠しもせず教えてくれる。


「おおおっ! 主様も、立派になっていくでゴザル。嬉しいでゴザルなぁ♡」

「そういう事言うなぁ! はずかちぃー」

「なに、二人だけで盛り上がってんの? わたしらも混ぜて♡」

 がちんと、筋肉おっぱいが背中に当たる。だから、痛いって。

「や、やはりちょっと恥ずかしいですわ。でも、えいっ♡」

 おおっ、ミナミさんのおっぱいやわらけー。

「さ、触ってもいいですわよ」

 お言葉に甘えてやさしく鷲掴みにする。隣のアコと感触比べだ。

「おおおっ! 同じものと思えない感触差」

「何か釈然としない。でも、いいっ♡」

「あ、主様を盗られた」

 かなしそうなアヤメの声に、我にかえった。

「すまん、こんなとこでふざけるのもなんだ、湯船に入ろう」

 と、うながした。


 現在、人影は他になし。俺たちの貸切のようだ。

 と、思っていたら、奥の方から何やら声が。


 近づいてみると、そこには、嬌声を上げる男女がいたしてた。

「わわっ! 拙者初めてみるでござる♡」

「見ちゃいけませんっ!」

 アヤメを引っ張って連れてくると、ミナミさんが両手で目をかくし、隙間から他の男女をのぞいてた。

「あ、す、すごい、あんな、はぁ、はぁ、いやん、素敵♡」

 引っ張るのが二人に増えた。

「アコはどこ行った?」

 見回してみると、いた! 大岩のてっぺん、隠しもせんと。サルか!?

「なにやってんだよ。降りろ!」

「すごいよ! あちこち大乱交だよ」

「アポート」

 手元に引き寄せたアコがざばん! と湯船に落ちる。

 こうして、三人を引っ張って人のいないエリアに陣取った。


「もう少しおとなしくしなさい」

「「「だってぇ♡」」」

「主様はしたくないのですか? わたくしは、さっきから欲しくてたまりませんのに」

「主様は、拙者に女は感じておられませんか?」

「へ~い。かも~ん♡ うっふん♡」

 三人に懇願される。何か一人馬鹿にしたようなのも混じってるが。

「俺だって男だ。何も感じないわけないだろが!」

 と、!となったものを見せつける。

「「「きゃぁ~っ♡」」」


 結局、最初は第一夫人を立てて、というか、怖いのだろう。アコとすることになった。

 二人は横で見学である。

「まあ、向こうの世界でじじい共の前でするよりいいさね」

 と、アコ。同感だが、思い出させんな。

 結論から言うと、既に準備OKだったアコの体のせいで、僅か90秒でKOされた。

 あの筋肉は反則だろう。

 

 次いでアヤメだ。アコのヒールで復活した俺を根来忍軍の技術の粋で攻めるアヤメだったが、耳に息を吹きかけると形成逆転。僅か一分でKO。勝った。


 最後のミナミさんは、やはり油断ならない相手だった。何度も何度も不死鳥のように蘇ってくる。最後には、自らダンスを踊り、ラミアのように俺を攻め続けた。負けてなるかと、奮起してこちらも下から攻めに転じ、遂に勝利を得たのだ。昇天したミナミさんをうらやましそうに見る二人に勝利を捧げると、二人同時にのしかかり、次の戦いへと旅立っていった。




 こうして、時間は午前様となり、宿に戻ると、目を覚まして待っていた他の嫁に四人でこっぴどく叱られました。

 そうして、洗いざらい白状させられると、全員に同じことをしてあげる罰をいただきました。今から。



「スーさん。ずっと、こうしたいと思ってた」

「嬉しいです。わたしの、旦那様♡」

 スーさんの体は、とてもちっちゃくて、暖かい。表面も、中も。

「それでも、わたしが最初じゃないのには、嫉妬してしまいます♡」

 そう、言いながらつねられた。


 ブーケさんの体は、とても均整がとれていて、本当に芸術品のようだ。

「すごく綺麗だ」

 そういいながら、弄ると、びしょびしょになっていく。

「ひゃん♡ らめぇ♡ 死んじゃうぅ♡」

 と、繰り返し言うので、その度にエレクトしてしまった。


 アナさんのおっぱいは、すごい。俺の嫁の中で一番。世界一かもしれない。

 おっぱいをもみながら耳を甘噛みしてあげると、

 びくん、びくん、と感じているのが良くわかる。

「とても、感じやすいんだね」

「くぅん♡ くうん♡ もっとぉ♡ 大好きな旦那様♡」


 ジュンさんは、身を固くして、緊張した面持ちだったが、俺が弄っていると

「旦那様♡ 旦那様♡ 旦那様♡ すきすきすきすき♡」

 と、ぎゅーっと抱きしめてきた。

 まるで、どこにも行かないでと、懇願するように。

 そして、入れた瞬間、失神した。


 チヨちゃんは、流石に背徳的でコーフンしてしまう。

「旦那様♡ 大好き、旦那様♡ ちゅ、ちゅ、ちゅ♡」

 何度も何度もキスをせがんでくる。

 入るかどうか、心配したが、人体の神秘は、半端ないな。

「これで、チヨも、大人の仲間入りだね♡」



 こうして、一巡すると、次はタッグで攻めてくる。

 スーさんと、チヨちゃんのインモラルコンビには、あちこち舐められてしまった。


 ジュンさんと、ブーケさんの、二人は、俺の息子を争って、取り合いになってしまったが、俺が舌で攻撃すると、仲良くあっちへ、イってしまった。


 アナさんが、俺を独り占めしようとしたら、スーさんが乱入。その後入り乱れてのロイヤルランブルが始まってしまった。


 その間、アコとアヤメとミナミさんは、ホテルの壁に繋がれている手枷と首輪に繋がって正座させられていた。






 ~翌朝~

 黄色い太陽が、まぶしい。嫁たちは幸せそうに眠っている。三人の、もの欲しそうな嫁を除いて。


 こうして、偉業、八連制覇(ぱーれんせいは)は達成された。





「……ぷろへっさー、好き♡」

「もう、出ましぇ~ん」





 ※爆発しろー!という方は、ブックマークの上、感想欄に苦情をお書き添えの上、当方までお寄せ下さい。無期限で受付いたします。

 次回予告


「はぁ~ん。素敵でしたわ。主様」

「ずるいですぅ! 本当なら、私が最初にしていただくはずでしたのに」

「あら、おねむのお子様が何言ってますの? スー」

「前に約束しましたわ。エクストプラズムで」

「しとらぁぁぁぁん!」

 どうする、どうなる、名誉回復。


 次回 「六都物語」

「コノウラミ、ハラサデオクベキカ」

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