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#001 「進級、特別教室へ帰還」
二年に進級した春。俺たちはまた、“特別教室”に集められていた。
廊下がうるさい。
「……授業、ついていけてるか?」
想太がぼやく。
「ともりに補習してもらってるけど、公式ぜんぜん覚えきれないよ」
はるなが苦笑する。
「効率が悪すぎるな」
要が即答する。
「え、宿題どこ!?」
いちかが鞄をひっくり返す。
──進級しても、この調子だ。
「……視線、多くないか?」
窓の外から声。
「はるな様が……」
「美弥先輩……!」
「始まってるな」
隼人が苦笑し、
「派閥形成、初期段階」
要が続ける。
「戦うの?」
「ファン同士がな」
ざわめきが近づく。
俺たちは顔を見合わせ、ため息をついた。
「……二年目も、こうなるのか」




